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桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎 [読書・ミステリ]


桐島教授の研究報告書 - テロメアと吸血鬼の謎 (中公文庫)

桐島教授の研究報告書 - テロメアと吸血鬼の謎 (中公文庫)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/03/20
  • メディア: 文庫
評価:★★★

主人公・芝村拓也が小学生の頃、学校で開催された科学教室に現れたのが
テロメアの研究で日本人女性初のノーベル賞受賞者となった
生物学者・桐島統子(もとこ)だった。

傘寿(80歳)を迎えながらも、科学への情熱を説く彼女に感化された拓也は、
長じて理系へと進み、東京科学大学へ入学した。

しかし入学直後、拓也は大学の付属病院から呼び出しを受ける。
厳重に管理された無菌施設に招かれた拓也は、そこで一人の美少女と会う。
どうみても10代にしか見えない彼女こそ、桐島統子その人だった。

1年前、謎のウイルスに感染して高熱に冒された彼女は、
突如肉体が若返り始めたのだという。
そして10代後半の状態にまで戻ったところで症状は停止した。

そして、拓也がここに呼ばれた理由も明らかにされる。
入学後の健康診断で行われた血液検査で、
彼はどんなウイルスにも感染しない、
”完全免疫” を持つ特異体質だったことが判明したのだ。

彼は、桐島教授と外部とを取り持つ
“連絡係兼世話係” を仰せつかることになる。

そんな二人は、図らずも東京科学大学のキャンパス内を
“吸血鬼が跳梁跋扈する”  という噂に立ち向かうことになるが・・・


設定こそ突飛だが、それ以外はいわゆる理系ミステリとして展開する。
科学的な設定も出てくるが作中で十分説明されるので
そこで戸惑うことはないだろう。

ミステリとしてはこの作者の他の作品と同じく
手堅くまとまっている感じだが、
私としてはもうちょっと拓也と統子の絡みが見たかったかなあ。

一気に70歳も若返ってしまった女性が、現代の若者の流行をみて感じる
ジェネレーションギャップなども描かれていて、それも面白いのだけど
如何せん本書の統子さんは ”施設” の中に隔離されていて
今ひとつ自由さが足りないかな。

拓也くんと一緒に外の世界へ出て、二人でいろいろ
ドタバタでコメディなシーンを演じてくれるのを期待していたのだけど
それも今回はなし。

統子さんの “若き日の想い出” を知って
心安らかでない様子の拓也くんも描かれたりするので、
この二人の関係の変化も知りたいところ。

おそらく続編が予定されているので、そちらで・・・
ってことなのかも知れないが。

nice!(4)  コメント(4) 
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コメント 4

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-07-24 22:07) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-07-24 22:08) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-07-24 22:08) 

mojo

Ujiki.oOさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-07-24 22:08) 

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