ホテルモーリスの危険なおもてなし [読書・ミステリ]
かつては高級リゾートとして急成長を遂げた<ホテルモーリス>。
しかし副支配人が大手ホテルにヘッドハンティングされ、
スタッフをごっそり引き連れて "移籍" してしまった。
しかし副支配人が大手ホテルにヘッドハンティングされ、
スタッフをごっそり引き連れて "移籍" してしまった。
そのショックで支配人が自殺してしまい、業績は急降下。
夫人が後を継いだものの経営経験はゼロ。
廃業まで時間の問題かと思われたホテルに
臨時の支配人として送り込まれたのが本作の主人公・美木准。
夫人が後を継いだものの経営経験はゼロ。
廃業まで時間の問題かと思われたホテルに
臨時の支配人として送り込まれたのが本作の主人公・美木准。
芹川コンサルティング社長・芹川鷹一の妾腹の息子として生まれた准は
就職活動をしなくてすむとばかりに父の会社に入ったが
間もなく社長は他界、会社は弟(准から見れば叔父)・鷹次が継ぐ。
准は一転、新社長からすると目の上のこぶとなってしまった。
就職活動をしなくてすむとばかりに父の会社に入ったが
間もなく社長は他界、会社は弟(准から見れば叔父)・鷹次が継ぐ。
准は一転、新社長からすると目の上のこぶとなってしまった。
芹川コンサルティングは<ホテルモーリス>の筆頭株主であったため
名目上は「経営のてこ入れ」、実質は「厄介払い」、
准からすれば「貧乏くじを引かされた」わけだ。
入社一年目の若造でありながら支配人に選ばれたのには
そんな事情があった。
名目上は「経営のてこ入れ」、実質は「厄介払い」、
准からすれば「貧乏くじを引かされた」わけだ。
入社一年目の若造でありながら支配人に選ばれたのには
そんな事情があった。
准くんの前にはさらに試練が立ちはだかる。
一般客が遠のいた<ホテルモーリス>は、いつのまにか
"ギャング" 御用達のホテルになってしまっていたのだ。
一般客が遠のいた<ホテルモーリス>は、いつのまにか
"ギャング" 御用達のホテルになってしまっていたのだ。
ちなみに "ギャング" とは、作品中の説明によると
「公正な取引に基づいて殺人・脅迫・恐喝を請け負う企業向け団体」
とのこと。いわゆる "そのスジの方々" ですね(笑)。
「公正な取引に基づいて殺人・脅迫・恐喝を請け負う企業向け団体」
とのこと。いわゆる "そのスジの方々" ですね(笑)。
現在のホテル利用の大多数を占めるのは<鳥獣会>。
新興著しいギャング集団として知られる。
その<鳥獣会>が近々<ホテルモーリス>で宴会を開くという。
准くんに与えられたミッションは、この宴会を無事に乗り切ること。
新興著しいギャング集団として知られる。
その<鳥獣会>が近々<ホテルモーリス>で宴会を開くという。
准くんに与えられたミッションは、この宴会を無事に乗り切ること。
ホテルに到着した准くんは、人的にも物的にも荒廃した有様を見て
即刻逃げ帰ろうとするが、そこで "運命の人" と再会してしまう。
即刻逃げ帰ろうとするが、そこで "運命の人" と再会してしまう。
5年前、17歳の時に父に連れられて<ホテルモーリス>へ来た准くんは
そのとき出会った20歳の女性・るり子に一目惚れしてしまった。
そして5年振りに再会した彼女は、
自殺した支配人の未亡人にしてホテルのオーナーとなっていた。
彼女への想いが再燃した准くんは、
一転してホテル建て直しに奔走し始めるのだが・・・
そのとき出会った20歳の女性・るり子に一目惚れしてしまった。
そして5年振りに再会した彼女は、
自殺した支配人の未亡人にしてホテルのオーナーとなっていた。
彼女への想いが再燃した准くんは、
一転してホテル建て直しに奔走し始めるのだが・・・
働く人々もまたユニーク。
化粧がケバいコンシェルジェ・那美は、
3つも年上の准に対してタメ口をきくし
チーフ・コンシェルジェの日野は
スキンヘッドにサングラスで元殺し屋(!)という経歴。
化粧がケバいコンシェルジェ・那美は、
3つも年上の准に対してタメ口をきくし
チーフ・コンシェルジェの日野は
スキンヘッドにサングラスで元殺し屋(!)という経歴。
毎日のように起こる "そのスジの方々" とのトラブルを解決しながら
准くんの恋模様も綴られていき、やがて "その日" がやってくる。
准くんの恋模様も綴られていき、やがて "その日" がやってくる。
基本的にはコメディなので、肩の力を抜いて楽しめる。
特異な状況下で起こる事件に、エキセントリックな登場人物が絡んで
大騒ぎをする様子を描いたユーモア・ミステリで、
クライマックスでは<鳥獣会>と対立するギャング団体や
准の叔父・鷹次まで登場し、様々な人々の思惑が絡み合いながらも
全てが一挙にカタが着く大団円を迎える。
ラストでは意外な事実が明かされて、仕掛けもなかなか。
特異な状況下で起こる事件に、エキセントリックな登場人物が絡んで
大騒ぎをする様子を描いたユーモア・ミステリで、
クライマックスでは<鳥獣会>と対立するギャング団体や
准の叔父・鷹次まで登場し、様々な人々の思惑が絡み合いながらも
全てが一挙にカタが着く大団円を迎える。
ラストでは意外な事実が明かされて、仕掛けもなかなか。
@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-11-29 00:07)
鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-11-29 00:08)
31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-12-01 01:46)