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聖闘士星矢 The Beginning : Knights of the Zodiac [映画]



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 『聖闘士星矢』の原作マンガを読み出したのは連載開始からかなり経ってから。ポセイドン編あたりからだと記憶してる。それも書店での立ち読みだった(おいおい)。単行本を買ったこともない。
 TVアニメもほとんど観てない。映画版は何本か観た。実家の近くにレンタルビデオ店があったので借りた。VHSテープの時代だったなぁ。
 要するに、私は『聖闘士星矢』の熱心なファンではなかったということだ。そんな私がこの映画を観て思ったことをつらつら書いてみる。


 まずはあらすじから。


 星矢(新田真剣佑)は幼い頃、姉を何者かに連れ去られ、今ではスラム街の地下格闘場で戦う日々を過ごしていた。

 ある日、戦いの中で不思議なパワーを発した星矢は謎の集団に狙われるようになる。その襲撃のさなか、星矢の前に現れた男アルマン・キド(ショーン・ビーン:磯部勉)は、星矢のパワーが自身の中に秘められた「小宇宙(コスモ)」と呼ばれるものであること、そして女神アテナの生まれ変わりである女性シエナ(マディソン・アイズマン:潘めぐみ)を守ることが運命だと告げる。

 聖矢を襲い、シエナを狙う組織のリーダーはヴァンダー・グラード(ファムケ・ヤンセン:井上喜久子)。彼女はアテナの覚醒は世界に破滅をもたらすと信じていた。

 聖矢は白銀聖闘士[シルバーセイント]のマリン(ケイトリン・ハトソン:瀬戸麻沙美)のもとで修行し、「小宇宙(コスモ)」の制御を学ぶが、シエナの居所を突き止めたグラードが襲来してくる・・・


 結論から言うと、原作の『聖闘士星矢』とは ”別もの” と思って観た方がいい。マンガやアニメの ”再現” を期待すると当てが外れるだろう。

 主役の聖矢からして ”少年” ではないし、アテナも ”少女” ではない。聖衣(クロス)のデザインにも変更が加わってるし、ストーリーも(大筋はともかく)細かいところはかなり違う。

 原作者自身も、聖衣のデザイン変更をはじめ製作にけっこう関わってるみたいだし、製作資金は全額、東映アニメーションが出資してるとか。
 そういう意味では、日本側もかなり「一本の ”映画” として成立させるための努力」を注ぎ込んでいるのだろう。この場合の ”映画” とは、”海外でも日本でも通用する映画” という意味だ。
 製作者の姿勢としては理解できるけど、ファンがそれを受け入れるかは、また別問題だ。

 冒頭にも書いたように、私自身は熱心なファンではないので「こういうのもアリかな」とは思ったし、それなりに楽しんで観たけれど、ガマンできない人や怒り出す人もいるんだろうなとは思う。

 実際、上映の途中で席を立って出ていく人もちらほら。みたところ、私と同年配くらいか。原作マンガの連載をリアルタイムで追いかけていた世代の方たちとお見受けする。単にお手洗いが近かっただけかも知れんが(おいおい)。


 あと、思いついたことをいくつか。


 主演の新田真剣佑さんは健闘してると思う。アクションの切れもいいし、体格もいいので、欧米人に混じっても見劣りしない。日本人でこういう俳優さんが出てきたことは素直に嬉しく思う。
 映画の前半は実写の肉弾戦が多かったと思うのだけど、後半にいくに従ってCGが増えていく。これは善し悪しかな。
 画面に派手さは出てくるけど、同時に ”つくりもの感” も増していく。聖闘士はあくまで ”肉体で戦う” ものだというイメージがあるので、CGを否定するわけじゃないが、使いどころはもう少し考えたほうがいいような気もしてる。


 私が観たのは吹替版で、真剣佑さんは自分の声を自分で演じてるんだが、声優としてはとても達者で問題ない。アニメ映画『二ノ国』でも上手だったので心配してなかったけどね。

 ネロ(鳳凰星座の一輝に相当するキャラ)役は浪川大輔さんが演じるなど、脇を固める声優さんもベテランを揃えて豪華。
 シエナ/アテナ役は潘めぐみさん。TVアニメではお母さんの潘恵子さんが演じていた役。話題づくりの一環かとも思うが、めぐみさん自身、キャリアも実力も十分な方なので納得の起用。
 めぐみさんの声と恵子さんの声は、今まで似ているとは思ってなかったんだけど、映画のクライマックスシーンでの台詞を聞いていたら、彼女の声にお母さんの声が重なって聞こえた気がしたよ。気がしただけだけど(笑)。


 この映画は、タイトルに「Beginning」とあるように、長大な原作の序章部分という位置づけだ。噂によると全6部作だとか(ホントかどうか知らんけど)。
 実際、次作へ向けての伏線も張ってあるし、製作陣は作る気まんまんなのだろう。問題は興行収入だね(笑)。

 『聖闘士星矢』の醍醐味は、「聖矢たち5人の青銅聖闘士 vs 敵勢力」の団体戦、そして戦いの最中に交わされる熱い台詞の応酬にあると思う。これは「Beginning」には全く無かった要素なので、ある意味『聖闘士星矢』は次章からが本番とも言える。
 作ってくれたら観に行こうとは思ってるのだけど、さて、どうなるか。



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