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「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 ーSTASHAー」感想・・・のようなもの その3 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意を。


第7話「イスカンダル 滅びゆくか哀の星よ」


■スターシャは語る

「イスカンダルは長男。
 たゆまぬ向上心と知識欲を持つ一方、貪欲で支配的で極めて利己的な長男」

 まあ、ガミラスの扱いを見れば古代イスカンダル人の性格の悪さはよくわかるよねぇ(笑)。

 ここで唐突にキーマンが登場。
 なぜキーマン? ファンサービスなのかとも思ったが、神谷ボイスには否応なく納得させられてしまいそうな力を感じるので、そのへんが理由かな。

 アケーリアス人はどこかへ旅立ったという。滅びたんじゃないんですね。
 超古代文明を築いた民が別の次元・別の世界へ去ったというのはSFではよくある設定ではある。パッと思い出すのは、アニメ『ヒロイック・エイジ』の ”黄金の種族” か。

 「彼らに追いつくにはこの宇宙の法則全てが足枷になる」
 肉体をはじめあらゆる物理的な拘束を逃れたテレザート人は、アケーリアス人に追いつくことを目指していたのか?

 それに対してイスカンダルは、記憶によって世界を変える力を手に入れた。
 他の世界へ向かうのではなく、今いる世界を自分たちの思いのままに作り替える方を選んだ、ということか。

 しかしその結果、イスカンダル人は ”大いなる停滞” に陥ってしまったのだろう。


■サンクテルにて

 入り口から吹き上がる炎?のような者を見たとき、女王プロメシューム様が出てくるのかと思ったよ(笑)。

「あらゆる星のエレメントを保管する大記憶庫サンクテル。
 無数の記憶が息づき、永遠の幸福を生きている」

 古代の兄・守が、アベルトの伯父・エーリクが語る。

「コスモリバースシステムは記憶の中の文明を現実世界に再構築するシステム。
 エレメントに収めるには現実世界に於ける存在を消し去る必要がある。
 これが儀式。イスカンダルによる虐殺」

 イスカンダル人がサンクテルに身を沈めた後、儀式という名の虐殺を行うために手に入れた奴隷がガミラス。

 ガミラス星は、ガルマン星の原住民を自らの双子星に住まわせた。ガミラス星はコスモリバースシステムによってガルマンの環境を再現していた。

 ん? ガミラス星にガルマン星の環境を再生させるなら、予めガルマン星をエレメント化(&ガルマン星の破壊)しておかないとできないのでは? でもガルマン星は残ってる。
 まあ、(都合良く解釈するなら)そのせいでガルマン星のエレメント化が不十分だったので、環境改造されたガミラス星の不安定さにつながったのかなぁとも思ったり。

「奴隷の名はガミラス。その意味は ”ガルマンの人猿”」

 自らの民族の名が、人間扱いされない蔑称だったとは。ガミラス人にとっては最大級の屈辱だろう。


■「これでも私を救いますか?」

 すべては、イスカンダル人がガミラス人を奴隷として使役するために仕組んだこと。そしてそれが、ガミラス星を喪う遠因ともなっていた。

「イスカンダルはもう何千年も前にエレメント化をやめた。
 過ちに気づいたからではありません。外界への興味を失ったからです」

 徹底的に利己的なんだね、イスカンダルは。

 寿命が近づいたガミラスに成り代わる星を求めて宇宙に侵略の手を伸ばしたガミラス。地球がガミラスの侵略を受けたのも、元をたどればその理由はイスカンダルに行き着く。
 ガミラス人へガルマン星の情報を流したのもイスカンダル。
 地球にコスモリバースシステムの情報を与えたのはイスカンダル。
 いわば自分でつけた火を、自分で消しに回っている。いわゆるマッチポンプという奴か。



■スターシャvsデスラー

「なぜだ!? かつて君は早く大人になれと私に言った。
 いつかこうして真実を伝えるためにか!?
 私に自分自身を討たせるためにか!?」

「だとしたらとんだ自惚れ者だよ君は。
 イスカンダルの女王一人の地で贖えるほど
 ガミラスの民は矮小な存在ではない」

「贖おうとしたことなんかない。
 地球に救いの手を差し伸べたのも
 あなたがたにガルマン星のことを伝えたのも
 全てわたくし自身を救うためにやったこと」

「独善で暴虐の限りを尽くしたイスカンダルの末裔として
 サンクテルの管理を任された王族として
 永遠に存在し続けることを定められた身が苦痛を紛らわすためにしたこと」

「あなたもそうでしょう?
 ガミラス星を救えなかった痛みと苦しみを紛らわすために
 あなたは私を救おうとしている。
 それであがなえるものなど何もない。
 わたくしたちは自分を慰めるためにお互いを必要としただけ」


 もうこのあたりは論評を超えてますね。戦闘シーンを除けば、今作『新たなる旅立ち』の、ある意味いちばんのクライマックス。

 旧作から43年。スターシャとデスラーがこんなふうに、お互いの本音をさらけ出して対峙する日が来ようとは。長生きはするものだ(笑)。


■古代守が教えてくれたこと

「生きることは変化し続けること。
 あなたのお兄様からそう教わりました。
 ここにあるのは変化を拒んで幸せな過去に浸る記憶の群れ。
 もう死んでいるのと同じです」

「変化を拒むことは死んでいるのと同じ」・・・深い言葉ではある。
 特に現代は「変化に適応できないものは、生き残れない」って言われてしまうしね。
 でも、変化に適応できる度合いは、ひとそれぞれ異なる。変化できないものはどうしたらいいのか。最近、アタマが固くなってきて、新しいものを取り入れることが億劫になりつつある私なんかまさにそれ。


■「古代艦長から個別通信です」

「雪・・・雪・・・俺は・・・俺はもう分からない 何も分からなくなった」
「何があったの? 古代艦長・・・古代くん!」

 この時の古代は、スターシャたちがイスカンダルを喪うとどうなるかを知ってたのだろうか?
 でもまあ、この段階で古代が何を言ってもスターシャは聞き入れなかっただろうが・・・


■第一艦橋



「どうして! 引きずってでも連れてこなかった!?」島が激高する。
「あの人の決意は・・・固い」坦々と答える古代。
「いいんですか? それで・・・それでいいんですか?」
 敢然と異を唱える土門。
 そう、今回の彼は徹底して古代に楯突き、正論を吐く役回り。


■「別離」

 ここで堀江美都子さんの歌声が聞けるとは思いませんでしたよ。
 これ、「ヤマトIII」のエンディングだったよねぇ。
 やっぱり「デザリアム編」は、旧作の「暗黒星団編」+「III」の路線なんでしょうかね。

「けれど終わりがあるというのはとても大切なこと」
「ただ一度の人生だからこそ、全うしようという強い意志が生まれるのです」
「終わるべき時に終わるもの、それが命」

 実は後章を観にいく何日か前(1月末頃)に、ネット配信で『銀河鉄道999』(映画版)を観たんだよねえ。
 ぽっかりと半日ほど予定が空いたので、家で映画でも見ようと Netflix を漁ってたら見つけたので。全くの偶然でしたが。

 でも「999」を見た後にこの台詞を聞くと、とても気になった。
 「999」に登場する「機械化人(機械の体になって永遠の命を得た人々)」って、旧作の暗黒星団帝国人に通じるイメージだし。考えたら、旧作の「新たなる旅立ち」と映画版「999」って、同じ1979年の夏なんだよね。「新たなるー」が7月31日に放映され、「999」は8月4日の公開だ。


■ユリーシャの実年齢

 ユリーシャは地球への使者として「サンクテルから急遽引き出された命」なのだという。
 ユリーシャは2198年には地球へ来ているわけだから、2205年現在では肉体を得てから7~8年くらいというところ?
  2199年の段階では ”あの体” になって1~2年だった? だとしたら、当時の「不思議ちゃん」キャラも不思議ではなかったのかも。


■デウスーラIII世、反転

 イスカンダルの移送を再開したゴルバから離れていく連合艦隊。
 しかしデウスーラのみが反転する。

「すまん」
「いいのです。あなたはもう十分、人のために生きた。
 最後くらいわがままにおやりなさい」

 まさに忠臣タラン。彼はいいとして、その他のクルーはどう感じてるのかとも思ったが、
デウスーラに配属されてるのは、デスラーに身も心も捧げている者ばかりなんだろう。

 デスラー砲を発射。BDに同封されている冊子によると
「ゴルバを守る位相変換装甲は装甲そのものの位相を変換し、逆相波を発生させることでエネルギーの波を打ち消すシステム。
 デスラー砲のエネルギーを相殺している間ならこれを突破できると考えたデスラーは、座乗艦であるデウスーラIII世をゴルバに突撃させた」


■「古代 私ごと撃て!」

「このデウスーラに波動砲を撃ち込め! これしかないのだ、古代!」
「幻でも・・・ガミラスを謀ってきた悪魔の手先でも構いはしない。
 私は・・・スターシャを愛しているのだよ」

 旧作でも名シーンと謳われる場面。今回は、サンクテルでの対決を通して、より2人の結びつきが深く描かれている分、心に響くものになってる。
 実際、見ていて涙腺が緩んでしまったよ。旧作の時はそこまで感情は高ぶらなかった記憶が。

「反転180度! 波動砲、発射準備! 引き金は・・・俺が引く!」


第8話へ続く。




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