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みんなの怪盗ルパン [読書・ミステリ]

みんなの怪盗ルパン (ポプラ文庫)

みんなの怪盗ルパン (ポプラ文庫)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2018/04/03
  • メディア: 文庫
評価:★★★

ポプラ社が展開している「少年探偵団」トリビュート・シリーズに続く、
「怪盗アルセーヌ・ルパン」オマージュ小説アンソロジー。

「最初の角逐」小林泰三
『最後の事件』でホームズとモリアーティ教授が消えた後。
その日 ”私” はロンドンで青年貴族が殺された現場で、
挙動不審な一人の老人と出くわす。
その老人は自らを「ホームズ」だと名乗る。
『最後の事件』を盾に、それを否定する ”私” だが・・・
ラストを除き、ほぼ全編が二人の会話。
ルパンとモリアーティという二人の大犯罪者が
それぞれヨーロッパに勢力を伸ばしていた、という設定は面白い。

「青い猫目石」近藤史恵
貧乏画家ディディエは、パリで初恋の女性シモーヌと再会した。
彼女は資産家の伯母・ヴィルヌーブ夫人と一緒に暮らしていた。
夫人の屋敷と庭園を描く仕事を引き受けたディディエだったが
ルパンから夫人へ、青い猫目石を頂戴するとの予告状が届く。
屋敷に出入りする人間の中に、
ルパンの手下がいるのではないかと思われたが・・・
パンチが効いたオチに驚かされる。女性は怖い(笑)。

「ありし日の少年ルパン」藤野恵美
ラウール少年は6歳にして完全犯罪を成し遂げた。
手に入れた首飾りをバラして切り売りし、母と自分の生活費にしていたが
ある日、その首飾りをスリに盗まれてしまう。
犯人は、ラウールと同じく幼い少女ノエル。
彼女はギヨーム親方から盗みを強制されていた。
ノエルの境遇を知ったラウールは、彼女を救い出すべく一計を案じるが。
女性に優しいところは、さすが怪盗 ”紳士” の卵。
成長したノエルがルパンと再会するエピソードも読んでみたいな。

「ルパンの正義」真山仁
1894年、20歳になったルパンは陸軍大尉ドレフェスと知り合う。
折しもパリではユダヤ人排斥運動が高まっていて、
ユダヤ系であったドレフェスにスパイ容疑がかけられてしまう。
彼の無罪を信じるルパンは、真犯人を突き止めるべく奔走するが・・・
wikiを見ていたら、ルパンは1874年生まれって設定なんですね。
そしてもっと驚いたことに、この作品に登場するドレフェス大尉は
実在の人物で、1894年にスパイ容疑で逮捕されてる。
彼の容疑を巡って、フランス世論が二分されるような
大騒ぎになったことも載っててびっくりしました。

「仏蘭西紳士」湊かなえ
神戸に住む15歳の少女・橘美千代は英語とフランス語に堪能で
ルパンやホームズを原書で読むほどの才女だった。
彼女はある日、港でフランスから来た紳士・レニーヌ公爵と知り合う。
目下の彼女の悩みは7歳上の姉・小百合の結婚問題。
会社経営をしていた姉妹の父・橘氏が殺され、犯人として
小百合の恋人・慎之介が逮捕されたのだ。
彼は橘氏が会社の後継者として目をかけてきた青年だった。
代わって小百合への求婚者として登場してきたのが
会社の専務で橘氏の従兄弟である建造だった。
そんな姉妹の窮地を知ったレニーヌ伯爵は、
事件解決に乗り出してくるが・・・
善良な者を助ける ”義賊” としてのルパンの魅力満開。


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mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-08-11 10:22) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-08-11 10:22) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-08-11 10:22) 

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