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海妖丸事件 [読書・ミステリ]


海妖丸事件 (光文社文庫)

海妖丸事件 (光文社文庫)

  • 作者: 秀文, 岡田
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/02/08
  • メディア: 文庫
評価:★★★

名探偵・月輪龍太郎が活躍するミステリシリーズ第3弾。

第1作「伊藤博文邸の怪事件」は正直なところ
首をひねってしまう出来だったんだけど
第2作「黒龍荘の惨劇」は、驚きの傑作だった。

そして本作。

語り手の杉山潤之助は、月輪の友人にして下級官吏。
彼に上海への出張命令が下る。
彼の地に滞在しているフランスの高名な植物学者に会い、
農業試験場設立のためのアドバイスを得るためだ。

ところがそこへ、月輪から連絡が入る。
秘書を務める氷川蘭子嬢と結婚したので、
新婚旅行で上海へと向かうのだという。

かくして豪華客船・海妖丸で同行することになった3人だが、
出港する直前の横浜港では乗客に対する殺人予告が発見される。

しかし華族、貿易商、そして富豪たちを乗せた海妖丸は予定通り出航。
月輪と蘭子がさっそく大げんかを始めて杉山が閉口するも
船内では乗員乗客による仮面舞踏会が行われる。
しかしその幕間に、客室で実業家・佐々木健三の
他殺死体が発見される。

さらに船内には「深海の虹」と名付けられたサファイアと
”呪いのルビー” とも呼ばれる「妖女の紅涙」という、
高名な宝石が2つも積み込まれていることが判明、
その所有者の醜聞をネタに宝石を巻き上げようと狙う
脅迫者まで乗り込んでいることが明らかになり、
事態は混迷の度を深めていく・・・


洋上に浮かぶ客船という ”クローズト・サークル” を舞台にした
ミステリは、多分たくさんあるのだろうけど、
本書もその題材に新しい発想で挑んでいる。

ラストで月輪が指名する犯人はたしかに意外なんだけど
反則技ぎりぎりな感じがしないでもない。

私も読んだときには「えーっ」って口に出してしまったし。
人によっては怒り出すんじゃないかと
他人事ながらちょいと心配になったりする。

nice!(4)  コメント(4) 

nice! 4

コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-28 01:20) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-28 01:21) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-28 01:21) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-28 01:22) 

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