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炎の放浪者 [読書・歴史/時代小説]


炎の放浪者 (講談社文庫)

炎の放浪者 (講談社文庫)

  • 作者: 神山 裕右
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/08/09
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

物語の舞台は1307年のフランス。

パリで鍛冶屋を営むジェラールは、
妻・マルグリッドとともに平穏に暮らしていた。

そこへ現れたのは王宮顧問官の密偵を務めるマルク。

9日前、フランス王フィリップ4世は、
神殿(テンプル)騎士団の本拠地を急襲、
幹部たちを逮捕・拘束したが、1人の騎士が脱出、逃走したという。

マルクはジェラールに、この逃走した騎士を捕らえるよう命じる。
マルグリッドを人質に取られたジェラールに抗うすべはなく
お伴兼見張り役の従騎士ピエールとともに追跡の旅に出る。

しかし、逃走した騎士アンドレを追ううちに、ジェラールは
これが単なる人捜しではないことに気づいていく。

アンドレの行く先々で現れる、暗号が刻まれた金貨にはじまり、
やがて明らかになる、キリストにまつわる聖遺物の存在。
ジェラールは否応なく、巨大な陰謀に巻き込まれていてしまう・・・


そもそも、王宮が一介の鍛冶屋に対してこんなことを頼むはずもなく、
アンドレを追うストーリーと並行して、
パリに流れ着くまでのジェラールの数奇な前半生が語られる。

読者は、彼の育ってきた過酷な状況、そしてパリで
マルグリッドの父親に拾われてからの運命の変転を知ると
なおさら、彼への感情移入が深まるだろう。

彼は幼少期から剣の手ほどきを受けてきたため、かなりの腕前なのだが、
アンドレはジェラールと同等以上の手練れ。
追跡劇のさなか、二人は何度か剣を交えるのだが決着はつかず
いつしか互いに相手の技量を認め合うような関係に。
この二人の変化も読みどころの一つ。

上にも書いたが、宝探しの要素もあり、
従騎士ピエール、巡礼の娘ベアトリス、ユダヤ教の導師エズラなど
サブキャラにもそれぞれ物語があり、
フランス王宮の巡らす巨大な企みありと盛りだくさん。

文庫で460ページとちょい厚めだが、
最後までハラハラしながらページをめくることなるだろう。

これでラストが××××ならば言うことはないんだが・・・
本来なら★4つつけるところなんだが、そのせいで★半分減。

nice!(3)  コメント(3) 
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コメント 3

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-11-29 21:01) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-11-29 21:01) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-11-29 21:01) 

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