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決算!忠臣蔵 [映画]


「忠臣蔵」といえば、日本人ならば知らぬ者のない、
超有名な時代劇コンテンツだ・・・と思ってたのだけど
その考えは改めなければならないかも知れない。

私はかみさんと一緒に観にいったんだけど、
おなじハコの中にいたお客さんは圧倒的に年配者。
私たちとほぼ同じ年代(50代~60代)が一番多かったんじゃないかな。
中でも、かみさんの隣にいたのは
どうみても80は超えてるんじゃないかと思われるご老体。

まあ題材からして、この映画の主な観客は
高年齢層になるのだろうとは思うのだけど、
それにしても若者(20代以下)がほとんどいなかったのは
いささか考えさせられる。

私が子どもから青年期にかけて、つまり昭和の時代までは
年末になると何らかの形で「忠臣蔵」や「赤穂浪士」は
TV画面に登場していたような気がする。
過去の映画のTV放映だったり、長時間ドラマになったり、
はたまたドキュメンタリー番組になったりと、
観てる方が「またか」と思うくらい画面に登場していたような。

しかし時代は変わった。
永遠に続くんじゃないかと思っていた「水戸黄門」さえ地上波から消え、
TVでのレギュラー時代劇番組なんて大河ドラマくらいになってしまった。

 それさえも、これからは明治以降を扱ったものが増えていきそうで
 時代劇は絶滅寸前じゃないかな。

12月になっても「忠臣蔵」の「ち」の字も聞かない年もある。
おそらく、いまの若者はほとんど「忠臣蔵」の何たるかを知らないだろう。

「忠臣蔵」の映画を見に行って、
その「忠臣蔵」自体が、滅びゆくコンテンツなのかも知れないな・・・
なんてことを思った日でした。

閑話休題。

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「忠臣蔵」を題材にした映画やドラマはそれこそ山ほどあるので
新たな作品を作るには新たな切り口が必要だ・・・というわけで、
討ち入りをお金の面から描いてみた、というのがこの映画。

ちなみに、当時のかけ蕎麦が1杯16文だったので
かけ蕎麦1杯=16文=480円とみなし、
1文=30円として換算した値段が画面に登場する。

内匠頭の刃傷沙汰によって藩が潰れ、残務整理が始まる。
そこで残った資金が、藩士への割賦金(退職金)、そして
お家再興(内匠頭の弟・浅野大学への家督相続)を
幕府に訴えるための工作資金へ。しかしそれは叶わず、
そこで残ったものが仇討ちのための ”軍資金” となるわけだ。

そして、内匠頭切腹から討ち入り決行までの1年9か月、
浪士たちも生きていかなければならないから、金が必要だ。
そのため、残った資金もみるみる減っていく・・・というあたりを、
映画では面白おかしく描いて見せてくれるわけだ。

そのために設定されたのが、岡村隆史演じるところの
浅野家勘定方・矢頭長助(やとう・ちょうすけ)。ちなみに実在の人物。
いわゆる経理担当で、浅野家の財政状態を一手に把握している人物。
大石内蔵助(堤真一)とは竹馬の友、というのは史実なのか
映画独自の設定なのかは分からないけど、
筆頭家老と下級武士という身分の差はあっても、
内蔵助に対してかなりずけずけとものを言う役どころ。

岡村隆史の俳優経験がどれくらいなのか、寡聞にして知らないのだけど
堂に入った演技で、俳優専業の人とも遜色ない。
とくに堤との掛け合いは絶品。
大石がボケて、矢頭が冷静にツッコミを入れる、まさに漫才。

この映画に限って言えば、まさに ”岡村の映画” といっていい。
詳しいことを書くとネタバレだが、
おいしいところをみんな持って行ってしまう。

この映画での大石は、無類の女好きで、優柔不断で周りに流されるという
なんともさえない人物なのだが、その彼が一念発起して
仇討ちへと突き進むきっかけもまた矢頭がもたらす。

基本的には喜劇なんだが、爆笑と言うほどではない。
それでもところどころクスッとさせるところがあって
逆にほろりと涙を誘うところもあり、
2時間の映画を退屈させずに見せてくれる。

ちなみに、かみさんの横にいたご老体には、いたくウケていた模様。

とは言っても、もともとの「忠臣蔵」のストーリーや登場人物に
ある程度馴染みがないとわかりにくいかも知れない。
原典を直球とすれば、変化球的な作品だからね。

堤と岡村以外にも、豪華な出演陣を誇る
大高源五の濱田岳はやっぱり上手い。
堀部安兵衛の荒川良々は、もうちょっと使いようがあったような。
瑤泉院の石原さとみ、彼女も瑤泉院を演じるようなトシになったんだね。
大石理久の竹内結子もいい。いかにも、あの大石の妻なら
こんな人でないと務まらないだろう、って思わせる。


最初に、「忠臣蔵」は滅び行くコンテンツって書いたが
もしこれからも赤穂浪士たちの物語を描いていこうとするのなら、
一度、完全に若者に向けての作品を作ったらどうかなぁ。

浪士全部をイケメン俳優で固めてつくるとか、
2.5次元俳優で舞台化するとか。
(たしか「里見八犬伝」も、舞台化されてたよね。)
女性陣みんなを萌えキャラにしてアニメ化するとか(おいおい笑)。

もちろんストーリーも、史実には目をつぶって
とにかく派手に、外連味たっぷりに描いてみせる。

それくらい徹底してやったら面白いだろうなぁ・・・

これ冗談でなくて、けっこう本気で書いてるんだけど。

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mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-11-26 22:30) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-11-26 22:30) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-11-26 22:31) 

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