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ようこそ授賞式の夕べに 成風堂書店事件メモ(邂逅篇) [読書・ミステリ]

ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (創元推理文庫)

ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/02/19
  • メディア: 文庫
評価:★★★

2004年に始まった本屋大賞。低迷する出版界を
現場の書店員さんから盛り上げるイベントとして出発したが、
いまや芥川賞・直木賞をしのぐくらいの影響力を持つようになった。
ノミネートされただけで売れ行きが段違いになるらしいし。

ただ、大きくなってきてしまうとそれに伴って
いろいろ毀誉褒貶に晒されるようにもなってきているようだ。
(そのあたりは本書の中でも触れられている)

本書は、木下杏子と西巻多絵の書店員コンビが活躍する
〈成風堂書店事件メモ〉シリーズの4作目であり、
さらに〈井辻智紀の営業日誌〉シリーズの主役である
書店営業員・井辻智紀(いつじ・ともき)くんも登場する。

内容は、本屋大賞(作中では「書店大賞」となっているが)が
発表される当日の朝から、授賞式パーティーまでの
およそ12時間ほどの物語だ。


成風堂書店で働く杏子と多絵のところに一人の女子大生が現れる。
彼女は福岡の書店でアルバイトとして働く大学生・佐々木花乃(はなの)。
「書店大賞」授賞式パーティーに出席するために上京してきたのだ。

 ちなみに、授賞式の参加資格は至って単純で、
 正規・バイト問わず書店員であって、かつ
 大賞に自ら票を投じていれば誰でも参加できる。

しかし彼女にはもう一つ目的があった。多絵たちに
書店大賞の事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてもらうことだ。
その文面は

『だれが「本」を殺すのか』犯人は君たちの中にいる。飛梅書店

「飛梅書店」とあることから、福岡の書店に問い合わせが来たのだ。
しかしFAXの文面の意図が全く理解できなかった花乃は、
東京の名探偵書店員(多絵のことだ)に解いてもらおうと思ったのだ。

かくして、多絵たちは花乃とともに
東京の書店員たちから情報収集を始めることになる。

一方、明林書房の営業マン・井辻智紀(いつじ・ともき)のもとに
中堅書店の店長で書店大賞実行委員長を務める竹ノ内から
困り事の相談が入る。こちらも内容は事務局に届いた不審なFAXの件。

ライバル出版社・佐伯書店の営業マンである真柴とともに
智紀もまた書店を巡って情報収集に乗り出していく。

とはいっても、作品を構成する謎はFAXだけにとどまらない。

多絵たちと智紀たちはそれぞれ別角度から
FAXの謎にアプローチしていくのだが、最終的に授賞式パーティーで
すべての登場人物が一堂に会して様々な謎が一気に解かれていく。

FAXの謎以外にも、かつて金沢にあったある書店の閉店と
書店大賞設立に秘められた関わりと解き明かしたり、
ノミネート作を書いた覆面作家・市松晃(いちまつ・こう)が
パーティーに現れるという噂からその正体を突き止めてしまったり(笑)。


文庫で280ページと決して多くはない分量の中に
さまざまなエピソードと多くの登場人物を放り込んである。
〈井辻智紀〉シリーズのレギュラーメンバーでもある
同業他社の個性ふれる営業マンたちももちろん登場して賑やかだ。

ただまあ、非情に多くの要素を欲張りに放り込み、
しかも複数のストーリーラインで語っていくので
読んでいくうちにだんだん頭が混乱してきた。
よく言えば ”お祭り”、ある意味オールスターキャストだし。
悪く言えば ”ちょいと見通しが悪い” かなぁ。

まあ私のアタマが悪いせいなのだろうが。

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コメント 5

mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-01-23 21:12) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-01-23 21:12) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-01-23 21:13) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-01-23 21:13) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-01-24 23:54) 

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