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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第二章 感想・・・のようなもの その6 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

第5話「激突!ヤマト対アンドロメダ」(後編)


■藤堂の笑み

アンドロメダとの対決直後、太陽系内の全艦隊に通信が入る。
発信者は藤堂長官。
「ヤマトの追撃を中止せよ。反乱の嫌疑は晴れた」

出航時点では長官の制止を振り切って
武器も使用していたのだから、紛れもなく反乱。
だから「反乱の嫌疑が晴れた」ではなく、
「反乱扱いをやめる」というのが正しいんだろうけどね。

その背後にあったのはガミラス大使館からの "横槍"。
対外的にそんな発表はできないだろうしなあ。

そしてここでは、第一艦橋クルー全員で旧作式の敬礼。
藤堂も当然のような顔をしてるので、
やっぱりこれが2202年時点での正式な敬礼なのか。
モヤモヤはやっぱり晴れません。

この時、敬礼を返す藤堂が浮かべる笑みが
彼の心情を表してるのだろう。


■ローレン・バレル

現在までのところ、バレル大使は "いい人" のように描かれている。

デスラー体制を倒してくれたヤマトに
恩義を感じているのは事実だろうし、
藤堂への電話でも分かるように
心情的に古代たちを応援しているのも確かだろう。

しかし彼の忠誠心は、まずガミラスにあるというのも
間違いないところだと思う。

ガミラスが調査艦を出すより、
テレサに "呼ばれた" ヤマトクルーの方が、
テレザートの発見、そしてテレサへ接触できる確率は高いだろうし、
テレサの秘密とガトランティスの動静を入手できれば万々歳。

もっと言えば、テレザード探索に向かったヤマトが
途中で沈んでしまってもガミラスの懐は全く痛まない。

意地悪く解釈すれば、テレザードのこと、反重力特異点のことを
古代に話したのも親切心からではなく、
さりげなく反乱を煽ってるようにも思える。

いつ爆発するか分からない古代なら、
爆発の時期をこちらでコントロールしよう、って思惑。

木星圏からヤマトに向かう旧航空隊の前に
計ったようなタイミングで現れるキーマンといい、
地球連邦大統領と直談判して、
追撃艦(アンドロメダ)との全面的な交戦に入る前の
絶妙なタイミングでヤマトの安全を確保したバレルといい。

大統領相手の腹芸など朝飯前。
まあそうでなくては同盟国への駐在大使なんぞ務まらないだろうが。

しかも "アドバイザー" としてキーマンをヤマトに乗船させて。
もう、漁夫の利を狙ってるのがみえみえではないですか。

 テレザードへ向かうヤマトの後を、フラーケンの次元潜航艦が
 密かに追尾していても驚かないよ、私は。

それはネーミングにも現れていると思う。
物語のキーマンなのでキーマン少尉、
それと同じで、まさに "老練" なるバレル大使、というところか。

ちょっと裏を読み過ぎな気もするけど
それくらいの "仕込み" はあるような気もしてる。


■三者三様

心情的にはヤマトの発進・出航を認めてやりたいが
立場上それができない"上司"・藤堂。

行くのなら、俺とガチンコ勝負をして勝ってから行け、って
往年の少年マンガみたいな "先輩"・山南。

お前たちの旅立ちにはちゃんとした理由があるんだよ、って
いろいろなことを吹き込む "お節介おじさん"(笑)・バレル。
でもその陰ではちゃっかり自分に利益を持ってこようとしてる。
こんな人、あなたの周囲にも一人くらいはいませんか(笑)。

バレル、藤堂、山南。
それぞれ立場と思惑は異なっても
結果的にヤマトの旅立ちを認め、見送ることになる。

理想のために突っ走る若者を危惧しつつも、陰ながら背中を押してやる。
「第二章」はそんなオッサンたちの物語でもあったのだろう。


■沖田のレリーフ

アンドロメダ艦長室に飾られていた沖田のレリーフ。
山南の私物なのか、アンドロメダの備品なのか。

地球を救った英雄なのだから、備品として
地球防衛軍旗艦の艦長室にあってもおかしくないが。

そしてそれは、ヤマトへ転属となった
加藤・山本の教え子たちに託され、
ヤマト第一艦橋に設置されることになる。

旧作ファンからしたら感涙にむせぶシーンなのかも知れないが
私にとっては不安材料。もっと言うと「イヤな予感しかない」

なにせ「さらば」の終盤で
古代に語りかけてきたのがこのレリーフだからねえ。
また要らぬことを古代に吹き込まないか気が気でない。

以前の記事にも書いたが、私は「2202」を観るときは
旧作のことはひとまず横に置いといて
ヤマトの新作として楽しもうと思ってる、て書いた。

そしてそれは、ほとんどの場合はうまくいっているのだけど
時たま、旧作のことが頭をよぎってしまう。

第4話の時も書いたけど、"沖田の亡霊" のときとか
今回のレリーフの時とかのシーンを観ると
「ああ、『さらば』のリメイクなんだよなあ」
ということを思い起こさせるのだ。

まあ、いまから最終章のことを考えても仕方がないのだけどね。


■加藤合流

そしてついに加藤が合流。
ブースター付きのコスモタイガーがカッコいい。

 「ガンダム」に出てきそうなデザインだけど。

このブースターはワープもできるそうな。
このアイテム、後半の章でまた出番があるような気がしてる。

「これがヤマトだ。父ちゃんの艦(ふね)だ」

「父ちゃん」って言葉がじつに昭和の風情で涙が出てくる。

あ、コクピットに家族の写真を貼るのは止めようよ三郎くん。
それ典型的な死亡フラグだから。

七色星団会戦でそれをやっちまって
戦死した部下がいたことを思い出せー!(笑)


(続く)

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コメント 8

おか

mojo様こんばんわ。
BDは通常発売のやつを買う予定なので、記憶を頼りなのですが、
月軌道の衛星は無人っぽいのでまぁギリOKとしても、追撃部隊を「撃墜」
しちゃってますよね。
あれをしておいて、「反乱ではない」って言うのは、納得いかないところです。
撃墜された「彼(彼女)」にも家族も同僚もいるでしょうし。
どういった屁理屈で防衛本部は「遺族」に説明するのか。
箝口令を引いてもどこかでばれると思うんですよね。
せっかくの「英雄」たちが、自分たちの我を通すために同朋に引き金を引く、
って言うのはどうも、、、、
それともあれ、「撃墜」はしてないんでしょうか。
2202最初のモヤモヤです。
by おか (2017-07-25 21:57) 

mojo

おかさん、こんばんは。

記事にも書きましたけど、
先に火器を使用したのはヤマトですからあれは反乱ですよねえ。

山本が "撃墜" したコスモファルコン(アポロノーム艦載機)ですけど
映像で見る限りでは、コスモタイガーIのビーム砲は
エンジン部を貫通していて、コクピットを直撃はしてません。
被弾した後もしばらく飛んでましたから、
パイロットが脱出する時間は十分あったんじゃないかと思います。
(ビームの出力も抑えてあったんじゃないかなぁ)

他のコスモタイガーも、追撃機の攻撃をかわしたり、
追尾するミサイルを破壊するシーンはありますが
撃墜するシーンはありませんので、
追撃隊に死者は出なかった、って私は解釈してます。
(負傷者はいるかも知れませんが)

少なくとも "主役" であり "英雄" であるヤマトが
同胞に死者を出してまで発進していく、って描写は
製作側としてもやらないんじゃないかなぁ。

 もちろん私の観た範囲でってことなので
 違う解釈をされる方もいるかとは思いますが。

BDを入手されたら、そのへんもじっくりご覧になってみて下さい(笑)。

ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。

by mojo (2017-07-26 00:15) 

mojo

ミナさん、はじめまして。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-07-26 00:17) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-07-26 00:18) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-07-26 00:18) 

mojo

middrinnさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-07-26 00:18) 

おか

mojo様 いつもご返事、ありがとうございます。
山本以外は直接「手を下して」無いのは確認していたつもりなんですが、
「撃墜」には至って無かったのなら少しはほっとしました。
でも、(ここからは屁理屈ですけど)宇宙空間でのああいった戦闘で
命を落とさなかった、と言うのはあくまでも結果でしか無い気がします。
自分達の「わがまま」を通すために「仲間の命を危険にさらす」
事に対しての逡巡か、命を奪わない「排除」を山本の超絶スキルで
行った、って言う描写は私としては欲しかったです。
by おか (2017-07-26 04:02) 

mojo

おかさん、こんばんは。

山本たちは、キーマンが電磁パルス弾(?)を撃つまでは
反撃せずに逃げ回ってました。
それが「仲間の命を危険にさらす事に対しての逡巡」
ではなかったかな、って私は感じました。

でもまあ例えば、山本がビーム砲を撃つ前に
いったんコクピットをロックオンし、
そこから照準をエンジン部にずらした(つまり意図的に外した)、
なんて "超絶技巧" な描写でもあったら完璧だったんでしょうけどね。

こんなふうにいろいろ憶測とか解釈とかを展開できるのも
ヤマトという作品ならではですかね。

ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。
by mojo (2017-07-26 23:50) 

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