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透明人間の納屋 [読書・ミステリ]

透明人間の納屋 (講談社文庫)

透明人間の納屋 (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/08/10
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

本作品は講談社より「ミステリーランド」の一編として刊行された。
「ミステリーランド」とは、
いわゆるジュブナイル・ミステリのシリーズで
メイン読者は10代くらい・・・と私は解釈してるんだけど、
(もちろん大人のミステリファンでも読む人は多いだろうが)
本書の中で起こる事象やその描写はけっこうエグいものがあって、
もし、島田荘司に免疫のない若い人(笑)がこれを呼んだら、
「ミステリ」というものにどんな印象を抱いてしまうのか、
いささか心配になる。

さて。

本作はとても紹介しにくい作品だと思う。
ちょっと余計なことを書くとネタバレにつながりそうなので。
極力、そうならないように書いてみよう。

時代は昭和52年、夏。
主人公の小学生・ヨウイチは母親と二人暮らし。
父親はいないが、隣人で
印刷所を経営する青年・真鍋を父のように慕っていた。
真鍋が印刷所の裏に建てた納屋には、
不思議な機械類があり、たくさんの模型が飾られていて、
ヨウイチにとって驚きと憧れの空間だった。

 真鍋は語る。
「透明人間は実在する」と。
「僕は納屋の機械で透明人間になる薬をつくっている」と。

真鍋の幼なじみ・辛島真由美は、
実業家の一人息子・篠崎太一と婚約していたが、
二人が泊まったホテルの客室から、真由美は姿を消してしまう。

衆人環視の中での人間消失事件とマスコミは騒いだが
真相は一向に明らかにならず、
5日後、近くの海岸の岩場で真由美の死体が発見される。

ヨウイチの母に想いを寄せていた真鍋だが、
結局受け入れてもらうことはできず、
失意のうちに母子の前から姿を消す。

そして26年後、一通の手紙がヨウイチのもとに届けられる・・・


まず、本書は普通のミステリではない。
肝心の人間消失に関しては皆目見当がつかないのだが、
読み進むにつれて、真鍋を巡る背景がどんどん分かってくる。
(明文化されてはいないのだけど、読んでると分かるんだな。)

だけどこれ・・・"禁じ手" じゃないかなあ。
密室から脱出する方法もこの真相と連動して明らかになるんだけど
・・・それも "反則技" のような気がするんだ。

作品全体を貫くこの "仕掛け" は、
ある意味、"空前絶後の超絶トリック" とも言えるのだけど・・・
これを "トリック" とは言いたくないなあ・・・

うーん、読んでない人には何がなんだか分からない文章でしたね。
スミマセン。


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mojo

31さん、こんばんは。
遅れましたが nice! ありがとうございます。
by mojo (2016-08-30 22:18) 

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