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ノエル - a story of stories - [読書・ミステリ]

ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)

ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/02/28
  • メディア: 文庫



評価:★★★★

文庫で100ページくらいの3つの中編と、
「四つのエピローグ」と題された終章からなる "連作中編" 集。

この3編は、ストーリー上の直接のつながりはないが、
同一世界の中で起こっており、それぞれに "あるつながり" をもって
ゆるやかに関連しており、「エピローグ」ではそれが一つに繋がる。


「光の箱」
 童話作家の圭介は、高校卒業以来14年ぶりの同窓会に参加する。
 会場に向かいながら、過去を回想する圭介。
 クラスメイトからの虐めに耐えてきた彼は中学1年のある日、
 同じクラスの弥生から絵本作りに誘われる。
 弥生が絵、圭介が文章を担当しながら、二人は心を近づけていく。
 やがて二人は同じ高校へ進学するが、
 そこで出会った弥生の友人・夏実が圭介に接近してくる。
 しかしある日突然、夏実は学校を去ってしまう・・・
 前半は圭介の視点で、後半は弥生の視点で綴られる。
 特に後半になり、弥生を取り巻く状況が明らかになってくると
 雰囲気が否が応でも重苦しくなる。
 しかし、そこは道尾秀介。ラストでは鮮やかな離れ業を見せてくれる。
 巻頭に置かれたこの切ないラブ・ストーリーで、
 私は本書にすっかり魅了されてしまった。

「暗がりの子供」
 小学生の莉子は、間もなく妹が誕生する。
 時を同じくして祖母が病気で入院し、
 父も母も莉子を顧みる余裕がなくなっていく。
 そして莉子の心の中に、
 次第に "ある思い" が育っていく・・・

「物語の夕暮れ」
 元教師・与沢は、図書館で子供相手の
 読み聞かせボランティアを務めている。
 しかし、幼馴染みでもあった妻を脳溢血で失ってから、
 彼は生きる意味を見失ってしまう。
 やがて彼は "ある決意" をするのだが・・・

「暗がり-」「物語-」の2編も「光の箱」と同じく、
そのまま進行していくとかなり "ブラック" な雰囲気に・・・
しかし、ラストの展開にご注目。
どうなるかは読んでのお楽しみだが、
私が本書につけた評価を見てもらえば察していただけるだろう。

うーん、ミステリの紹介ってのはムズカシイなぁ


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mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2016-03-27 19:56) 

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