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背表紙は歌う [読書・ミステリ]

背表紙は歌う (創元推理文庫)

背表紙は歌う (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/07/27
  • メディア: 文庫



評価:★★★

中堅出版社・明林書房の新人営業マン井辻智紀くんが
書店を巡りながら出会うあれこれを描いたミステリ・シリーズ、第2弾。


「ビターな挑戦者」
 出版社と書店の間の流通を司る取次会社の大手である全国書籍販売、
 通称ゼンパンに新刊見本を持って行った智紀は
 社員の大越から辛辣な言葉を浴びせられる。
 「売れない本、ちまちま作ってんじゃねーよ」
 憤りを覚える智紀だったが、やがて彼の過去の"事情"を知る。

「新刊ナイト」
 新進作家・白瀬みずきは「昔の知り合いに会いたくない」との理由で
 今までサイン会を行ってこなかった。
 今度の新刊発売で、やっとサイン会に引っ張り出すことに成功したが
 サイン会の会場になるナガマツ書店の店員・青池は
 高校時代のみずきを知っているらしい。
 繊細なみずきを慮る智紀は、サイン会までになんとか
 青池とみずきの関係を探り出そうとするのだが・・・

「背表紙は歌う」
 40代のベテラン営業員・久保田から頼み事をされた智紀。
 新潟にある彼女の知り合いの書店が営業危機にあるらしい。
 ちょうど新潟へ営業に行っていた同業者・真柴に連絡をつけ、
 くだんの書店の様子を探ってもらうが・・・

「君とぼくの待機会」
 日本有数の文学賞である「東々賞」の候補作6点が発表になった。
 受賞すれば大きな販売増が見込めるため、各社の営業員も力が入る。
 そんなとき、書店員の間にある噂が広まっていた。
 「今年の受賞は『ベンジャミンの橋』でもう決まっている」
 書店と作家にいらぬ混乱を与えるデマを流したのは誰か。
 発表まで残された時間が少ない中、智紀が噂の出所を探って奔走する
 タイムリミット・サスペンス(?)。

「プロモーション・クイズ」
 新刊本を売り出すのに大きな力を持つ「書店員のコメント」。
 智紀もあちこちの書店員にコメントをお願いするが、
 集まった中に、コメントではなくなぜか「なぞなぞ」が入っていた。
 その「なぞなぞ」を寄せてきたのは成風堂書店の店員さんだった・・・


井辻君以外のレギュラーメンバーも健在で、
本を愛する人々のさまざまなエピソードは読んでいて楽しい。

前巻と同じくミステリ度は低めだけど、
本を巡る "ちょっといい話" が集まった、本好きにはうれしい短編集だ。


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mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2016-02-21 21:18) 

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