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午後からはワニ日和 [読書・ミステリ]

午後からはワニ日和 (文春文庫)

午後からはワニ日和 (文春文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/03/09
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

聞くところによると、動物園や水族館の飼育員って
求人が少なく(原則として欠員が出ないと募集すらない)、
希望する人は北海道から沖縄まで情報を集めて、
空きが出ればどこでも行きます、というくらいの覚悟がないと
就けない仕事らしい。

それくらいの思いをして働いているわけだから、
みなさん動物への愛情に溢れていて、
それは本書に登場する飼育員たちも同様だ。


楓ヶ丘動物園で爬虫類館から、一匹のイリエワニが盗まれた。
現場には「怪盗ソロモン」を名乗る張り紙が。
体長1m50cmと小柄ながら、獰猛なクロコダイルを
衆人環視下の状況から盗み去った鮮やかな手口。

園が事件の対応に追われるうちに第二・第三の犯行が起こる。
高価でもなく希少でもない動物を盗み続ける犯人の目的は何か?

主人公かつ語り手は飼育員・桃本くん。
彼をはじめとして、動物園で働く職員や
飼育されている動物たちの日常生活の描写が楽しい。
今流行りの "お仕事小説" でもある。

事件の内容や、最後に明かされる真相はけっこうシリアスなんだが
ユーモアあふれる桃本くんの語り口のおかげで
暗い雰囲気にならずに済んでいる。

動物たちの生態も面白いのだが、それに輪をかけて楽しいのが
個性溢れる職員たちだ。

その双璧はこの二人。
ミステリオタクで、自他共に認める "変態"(笑) である服部くん。
美人の獣医さんなんだけど、年齢のことに触れられると
突如 "狂乱" する(笑)、鴇(とき)先生。

そして、動物園のアイドル・七森さんは
何かしらの心配事を抱えていそう。

その他大勢の職員たちと動物たちが遭遇した大事件が綴られていく。

桃本くんが探偵役かと思いきや、実はワトソン。
ホームズが誰かは読んでのお楽しみ。


本書はシリーズ化されていて、続巻が既に2冊出ている。
桃本くんを巡る恋愛模様も、進展があるのでしょうか。
続巻2冊も手元にあるので、あまり間を置かずに読む予定。

積ん読がごっそりあると、こういうことができるんだよねえ・・・


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mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2015-11-04 23:48) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2015-11-04 23:49) 

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