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シン・仮面ライダー [映画]



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 まずはあらすじを、と思ったんだけど wiki を見たらストーリーが全部載ってるのにびっくり。なんだかなぁ。
 とりあえず序盤あたりを中心に、思いつくままに書いてみると・・・


 バイクをこよなく愛する青年・本郷猛(池松壮亮)は、謎の組織 SHOCKER の科学者・緑川弘(塚本晋也)によって、身体にバッタとのオーグメンテーション手術を施されて桁外れの跳躍力と腕力を持つ昆虫合成型オーグメント・バッタオーグとなる。


 実はこの部分は本編中では描かれず、映画は次のシーンから始まる。


 しかし弘の娘・ルリ子(浜辺美波)に促され、彼女とともにオートバイで組織の研究施設を脱出する。クモオーグと配下の戦闘員たちによる追撃を受けるが、猛はバッタオーグに変身、湧き上がるコントロール不能の力で、戦闘員らを瞬く間に惨殺し、ルリ子を救出してセーフハウスに身を隠す。


 このあたりは昭和のTV第一シリーズの雰囲気を濃厚に再現してる。流血シーンがあったのはちょっと驚いたが、これは明確に ”子ども向けではない” という宣言なのか。
 浜辺美波はとにかく綺麗でカッコいい。彼女については、あとでまとめて書く。
 池松壮亮は気弱な青年といった趣き。藤岡弘の演じたものとは真逆のキャラだが、あれを再現しても現代では浮きまくりだろうから、この ”令和の本郷猛” は正解だろうし、私も嫌いではない。


 そこに現れた弘は、猛が生体エネルギー・プラーナの力によって変身する昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクトの最高傑作となったことを告げ、その力を個人のエゴではなく人のために使い、SHOCKER と対抗してほしいと語るが、そこに再び出現したクモオーグによって殺されてしまう。
 ルリ子を連れ去ったクモオーグを追って猛はバッタオーグへと変身し、ルリ子からヒーローの象徴として与えられた赤いマフラーを首に巻いて「仮面ライダー」と名乗り、クモオーグを倒す。


 ちゃんと ”仮面ライダー” の名の由来を描いてる。細かいところだが、私は嬉しかったな。


 自らも SHOCKER の一員であったルリ子は語る。
SHOCKER とは
 Sustainable Happiness Organization with
 Computational Knowledge Embedded Remodeling
 すなわち「計算機知識を組み込んだ再造形による持続可能な幸福組織」と名のる、最も深く絶望を抱えた人間を ”救済” するために設立された非合法組織なのだと。そのために、ルリ子の兄で SHOCKER の一員・緑川イチロー(森山未來)は、人間から生体エネルギー・プラーナを強奪し、”ハビタット世界” に魂を送り込んでいる。
 つまり SHOCKER による ”救済” とは、すべての人間を ”ハビタット世界” に送り込むという「人類滅亡計画」であるのだと。


 昭和の時代なら曲がりなりにも通用した「世界征服を企む悪の秘密結社」は、現代では荒唐無稽に過ぎるだろう。”敵” をどう設定するかは、悩むところ。
 本作での SHOCKER は、自分たちが ”人類の幸福を願う正義の組織” として認識しているようだ。終盤でのイチローの台詞にもそれがうかがえる。
 そういえば、庵野監督のアニメ『ふしぎの海のナディア』での敵組織ネオ・アトランティスの総帥ガーゴイル(CV清川元夢)も「我々は悪ではない。善なのだ!」って豪語してたし。
 イチローの遂行しようとしてる内容も、どこぞの補完計画みたいで、そうしてみると「イチロー - 緑川ルリ子 - 本郷猛」の関係は、「碇ゲンドウ - 葛城ミサト - 碇シンジ」の相似形にも見えてくる。
 ここ以外にも、たぶん意図的にやってるのだろうけど、時おりエヴァンゲリオンっぽい雰囲気が感じられる。まあこれが ”庵野監督の持ち味” なのだろう。


 そしてイチローは、ルリ子が猛を伴って自らの元に現れることを想定し、本郷と同様に昆虫合成型オーグメントとなった男・一文字隼人(柄本佑)を用意して待ち構えていた・・・


 1号ライダーと2号ライダーの戦闘シーンは、『シン・ウルトラマン』のウルトラマンvsメフィラスみたいだなって思ったのは私だけ?


 全体を通して「TV第一シリーズの序盤+原作マンガ」が、ベースというか指針みたいになっていると思う。だから、全体的に画面は戦闘シーンを含めて地味め。CGを多用すればいくらでも派手にできるのだろうけど、本作はそっち方面は目指してない。
 私みたいに昭和ライダーの時代から知ってる人間はともかく、平成ライダーあたりから入ってきた人にはかなり異質に感じる作品になってるんじゃないかな。そういう意味では ”観る人を選ぶ” 作品になってるかと思う。私自身は嫌いではないけれど、かといって大絶賛というほどではない。庵野秀明作品だから、そこそこお客さんは入って、赤字にはならないだろうけど。
 監督は続編を作りたいみたい。私も製作されて公開されれば観にいくとは思うけど、さてどうなるか。


 上にも書いたが、浜辺美波はいい。よくぞ彼女をキャスティングしてくれたと思う。ルリ子は感情を表さず、テキパキとやるべきことをやっていくキャラ。まさにクールビューティー。作中ではほとんど仏頂面なんだけど、後半までくるとわずかながら笑顔を見せてくれるシーンがあり、その後の展開では涙腺が緩んでしまった。「仮面ライダー」で泣かされるとは・・・本作は ”浜辺美波を観る映画” だと云っても過言ではない(キリッ)。

 彼女はアニメ映画『HELLO WORLD』(SF)、『金の国 水の国』(ファンタジー)ではヒロインのCVを務め、TVドラマ『アリバイ崩し承ります』・映画『屍人荘の殺人』などのミステリ作品では名探偵役と、サブカル系の作品にもたくさん出てくれる。
 いまは朝ドラにも出てるらしい(観てないけどw)。それも『屍人荘-』で共演した神木隆之介と夫婦役なんて楽しすぎる。
 これからもどんどんアニメや特撮作品に出てほしい俳優さんの一人だ。


 最後に音楽について。
 戦闘シーンに流れるBGMが、まさにTVシリーズで使われたものだったり、そのアレンジだったり。これは予想外だったけど、耳にした瞬間ちょっと感動してしまったのは事実。これは監督の趣味なのだろうけど、昭和ライダーを知る人へのサービスでもあるのだろう。
 エンドロールの途中でも「レッツゴー!!ライダーキック」が流れる。それも藤浩一(子門真人)が歌唱するもの。庵野監督だから「ひょっとしたら流れるかも」とは思ってたが、ホントに流れた。嬉しかったけど、知らない人には「何じゃこれ」って思われないか心配になったよ(笑)。


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