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帽子収集狂事件 [読書・ミステリ]

帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)

帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 作者: ジョン・ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/03/24
  • メディア: 文庫



評価:★★★

霧深いロンドンの町で続発する帽子盗難事件。
人々はこの怪盗を《いかれ帽子屋》と呼んでいた。

ポオの未発表原稿を盗まれた古書収集家、
サー・ウィリアム・ビットンもまた
《いかれ帽子屋》にシルクハットを盗まれた被害者だった。

ウィリアムがポオの原稿盗難について
名探偵フェル博士に相談を持ち込んでいたとき、
ウィリアムの甥でフリーランス記者のフィリップが
ロンドン塔の逆賊門で他殺体となって発見される。
その死体には、ウィリアムのもとから盗まれた
シルクハットが被せられていた・・・


本作で登場するのは、パリの予審判事バンコランに代わって
名探偵ギデオン・フェル博士。

悪魔的に性格が悪そうな(笑)バンコランと違い、
ずんぐりした巨漢で赤ら顔に山賊髭、
体型通りにビールが大好きなキャラクターはとても親しみやすい。
本書はフェル博士が活躍する長編第2作である。

ストーリーが進むにつれて、被害者の女性関係をはじめ
さまざまな秘密が明らかにされていくなど、
中盤をダレさせずに読者の興味をつないでいく。
そしてその展開の中に伏線をうま~く紛れ込ませてる。
このあたりはさすがに匠の技。

裏表紙の惹句には「驚天動地の大トリック」って書いてあるが
これはちょっと大げさかなぁ。
発表当時はともかく、本格ミステリが大量に発表されている
現代日本の目で見ると、さほど驚くほどでもない気がする。
(でも、見破れないんだよね・・・www)
しかし、これを補完・補強する小技がいくつか組み合わされていて
合わせ技で「一本! お見事!」って感じかな。

本作も密室や不可能犯罪ではない。
死体が発見された場所は開放空間なんだけど
(冒頭に現場付近の見取り図が載ってる)
深~いロンドンの霧がすべてを覆い隠してしまっていて
何がどう起こったのかは誰もわからない。
いかにも "本格ミステリ" な雰囲気あふれる作品だ。


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mojo

はじドラさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-03-01 02:26) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-03-05 20:16) 

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