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「『世界征服』は可能か?」 [読書・ノンフィクション]

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)

  • 作者: 岡田 斗司夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 新書
評価:★★★★
 
「世界征服を企む悪の秘密結社」といえば、
私の子どもの頃のアニメ・特撮番組では定番の悪役だった。
 
しかし「世界征服」とはどういうことか?
何を持って世界を征服したといえるのか?
そして世界征服を実現してしまったらどうなるのか?
そもそも「悪」とはどういうものなのか?
 
こういうことを真面目に考えてみた、という本である。
 
でも難しいところは全くない。
何せ書いているのが「オタキング」ですから。
 
具体的な例も、アニメや特撮作品から
いろんなケースを引っ張り出してきてくれる。
例えば第1章「世界征服の目的」では、
世界征服の目的を4つに分類する。
それぞれのケースについて、いろいろ例を挙げてくれるので実にわかりやすい。
「人類の絶滅」が目的なら「宇宙戦艦ヤマト」のガミラス帝国、
「お金が欲しい」なら「ヤッターマン」のドクロベエ、
「支配されそうだから逆に支配する」のは「機動戦士ガンダム」のジオン公国、
「悪を広めたい」のは「ドラゴンボール」のピッコロ大魔王、
という具合。
 
第2章では悪の支配者をタイプ別に分類し、
第3章では世界征服の手順を真面目に考える。
ここでは、世界征服というのは、真面目にやると、とても大変
コストパフォーマンスが非常に悪いこともわかるし、
そして、仮に世界征服を成功させてしまっても、
支配者にはなかなか安息の日々は訪れないこともわかる。
 
そして第4章では、現代における世界征服を考えるのだが、
この章はけっこう真面目な研究論文に近い雰囲気をもっていて、
よんでいて「なるほど」「そういえばそうだよなあ」と感心するし、
言われてみて気がついて「目からウロコが落ちた」思いをする部分もある。
 
もし、最初の方の軽い、ちょっとおちゃらけた雰囲気のところで
底の浅い本だと思ったら、それは間違いです。
 
ぜひ最後まで読んで欲しい。
「世界征服を企む悪の秘密結社」
という言葉に抱くイメージが、確実に変わると思います。
 

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