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映画大好きポンポさん [アニメーション]

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舞台は「映画の都」ニャリウッド。

タイトルの「ポンポさん」とは、映画会社ペーターゼン・フィルムで
映画プロデューサーを務める女性だ。
年齢不詳で、一見すると子供のように見えるが
才能を見抜く目や、企画を通す決断力、
そして映画製作に於ける揺るぎないポリシーを併せ持つ。

主人公は、ポンポさんのもとで制作アシスタントしている青年・ジーン。
映画作りが夢だったが、ポンポさんに命じられて作ったCMの出来を
評価され、新作映画「MEISTER」の監督として大抜擢される。

主演女優は、これも無名の新人であるナタリーをポンポさんは指名。

映画はこの3人を軸に「MEISTER」完成までの紆余曲折が語られていく。

コンプレックスと無力感に囚われていたジーンや
夢の実現に向けてアルバイトに明け暮れるナタリーなど
主役2人の掘り下げも充分に描かれる。

アニメの絵柄からもわかるように、基本はコメディなのだけど
シリアスなシーンも随所に挟み込まれる。
しかもそれでいて重くはならない。配分が絶妙なのだと思う。

撮影を通じて、ジーンは監督として、ナタリーは女優として
着実な成長を遂げていく様子が描かれていく。

それによって、間接的にだが、この2人を抜擢した
ポンポさんの眼力の確かさも証明されていくわけだ。

そしてもちろん映画製作は集団芸術であるから
その道のプロである各スタッフたちの尽力も欠かせない。
ジーンやナタリーを支える彼らの活躍も、しっかり描かれる。

観る前は、正直言ってあまり期待していませんでした(失礼!)。
「面白そうだな」とは思ってたのだけど(そうじゃなかったら観ませんて)
期待以上の素晴らしい映画でした。

カット割りも小気味よく、テンポ良く見せてくれる。
90分あまりの間、映画の世界に没頭し、時にニヤニヤ、時にハラハラ。
そして最後はちょっと目頭が潤んでしまいました。

監督は平尾隆之という人。寡聞にして存じ上げなかったのだけど
素晴らしい才能の方だと思う。覚えておきましょう。


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