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シドニアの騎士 あいつむぐほし [アニメーション]

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未知の生命体・ガウナに地球を破壊され、かろうじて生き残った人類は
巨大な播種宇宙船「シドニア」を建造して太陽系を脱出、
内部で世代交代を重ねながら1000年あまりの旅を続けていた。

主人公・谷風長道(たにかぜ・ながて)は、シドニアをガウナから守る
人型機動兵器〈衛人〉(もりと)のエースパイロット。

「シドニア」はガウナの襲来を撃退しつつ、レム恒星系に到達し
そこに人類が居住可能な惑星「セブン」を発見するが、
星系内にはガウナの巨大母船〈大シュガフ船〉が居座っていた。

谷風たち〈衛人〉隊、そして人間とガウナから産まれた
融合個体・白羽衣(しらうい)つむぎの活躍で、
星系最外縁の惑星「ナイン」に巣くうガウナを一掃、
橋頭堡を築いたところまでが2014年と2015年にTVアニメ化され、
2期(12話×2)かけて描かれたが、ここまでが原作のおよそ2/3で
〈大シュガフ船〉との最終決戦が描かれずに終わっていた。

その後、全くといって音沙汰がなかったので、もうこれで
アニメ化は打ち切りなのかなあと思っていたら、
なんと映画で完結編とあいなった。

 企画自体は2017年から動いてたみたいなので、
 TVシリーズからあまり間を開けずに作業は始まっていたんだね。

TVシリーズ2期のラストから(作中時間で)10年、
惑星「セブン」へ入植し、人類を存続させることこそ
シドニアの使命と考える小林艦長が
ついに〈大シュガフ船〉との決戦を開始するところから映画は始まる。

原作の残りは、そのまま映像化したら4時間くらいに
なりそうな分量があるのだが、うまく整理されていて
2時間弱の上映時間だけどダイジェスト感はほとんどない。
これは原作者・弐瓶勉氏が自ら構成に加わっているおかげだろう。

基本的には、巨大ロボットもので、外宇宙の敵性生命体と戦う
スペースオペラなのだけど、それ以外にも様々な要素が描かれる。

ガウナとの決着もそうだけど、
シドニアを滅ぼそうとする天才科学者・落合の画策とか
その落合に精神を乗っ取られた元パイロット・岐神(くなと)とか
小林艦長に代表される、数百年にわたって
シドニアを指導してきた者たちの思いとか
そして今回の映画のメインテーマともなる、
長道とつむぎの ”身長差15mの恋” の行方が描かれる。

この映画が「シドニア」初見という人は、まずつむぎの外見に驚くだろう。
巨大かつグロテスクな見た目だが、少女のような純真な心を持つ、
目も眉もないので表情が全く表に出ないのだけど、
喜怒哀楽がはっきりわかるのはCVの州崎綾さんの熱演のおかげだろう。

人間と融合個体との ”種” を超えた愛、それは果たして成就するのか。

原作を読んだときも、クライマックスシーンでは
目がうるうるしてしまったのだが、それを映画館の大画面で、
素晴らしい音響で見せられたら・・・もう号泣しかない。

伏線をきれいに回収し、驚きと同時に納得の、素晴らしい結末。
映画のパンフレットには原作者のインタビューが載っているのだけど
「結末を決めてから描き始めた」とあった。
まさに、このラストシーンに向けて、すべての物語はあったのだろう。

 ちょっと余計なことを書くと、
 この映画が「シドニア」初見の人は、
 映画のラストシーンがよく理解できないかも知れない。
 そういう人はぜひ原作かTVシリーズにあたってほしい。
 そうして、いまいちど映画を観てもらうと、
 さらなる感動が味わえると思う。

とまあ、ここまで手放しで褒めてきた作品なのだけど
たった一つ文句を言うとしたら、主題歌の問題だ。

映画版を担当したCAPSULEというアーティストに
恨みがあるわけではないのだけど、TVシリーズから見ている者には
どうしてもangelaの歌の方が馴染みがあるんだよなぁ・・・
まあ、いろいろ ”大人の事情” があるんだろうなぁ・・・

なぁんて思っていたら、TV1期の主題歌「シドニア」が流れましたよ!
それも、「ここぞ」というタイミングで。
いやぁ、スタッフはわかってる。


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