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アルカディアの魔女 北斗学園七不思議3 [読書・冒険/サスペンス]

アルカディアの魔女 北斗学園七不思議3 (PHP文芸文庫)

アルカディアの魔女 北斗学園七不思議3 (PHP文芸文庫)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/09/08
  • メディア: 文庫
評価:★★☆

「北斗学園」は、大正時代に創設された全寮制の学校で
中等部~大学院までのキャンパスは武蔵野の面影が残る東京郊外にある。

その広大な敷地の西側は ”旧ブロック” と呼ばれ、
深い森に覆われたその中には、戦前からある旧校舎などの建造物があるが
そのほとんどは立入禁止となっている。

”旧ブロック” にある建造物について、歴代の生徒たちの間では
〈七不思議〉なる伝説が語り継がれてきていた。

主人公は中等部2年生のアキ(清家彬/せいけ・あきら)。
同級生のハル(桂晴樹)、タモツ(青木保)とともに新聞部に所属している。
この3人が〈七不思議〉の謎解明に立ち向かうシリーズ、第3作。

直情径行なアキ、慎重居士のハル。その2人の間にあって
広い視野を以て公立公正に判断できるタモツ。

3人組も中等部2年生を終え、進級を控えた春休みを迎えたが
タモツが突然「北斗学園を辞める」と言いだした。

頑として理由を応えないタモツに困惑するアキとハル。

そんなとき、理事長から呼び出されたアキは謎の暗号文を見せられる。
さらに、学園の生徒が深夜にキャンパスの屋外で
無許可の集会を開いている形跡があるのだという。

一方、同級生の森下静香が聞いた噂では、寮住まいの女子学生の一人が
行方不明になり、3日後に戻ってきたが、本人は
「妖精の国へ行って1時間過ごしただけだ」と主張しているらしい。

タモツを巡ってハルと喧嘩して寮を飛び出し、
旧ブロックへやってきたアキは、地下に隠された謎の花園を発見する。

さらに、学園創立初期に優秀な女子学生を集めた
「アルテミス・クラブ」なる存在があったことを知る。
その正体は、ドラッグの吸引や売春を斡旋する秘密組織とも、
魔女の集まりとも言われていたという・・・


伝奇色が強かった前2作と比べて、本書はサスペンスがメインか。
多くの学生が集まる学園なのだから、そこでは様々な事件が起こる。
犯罪に手を染める者が出てくるかも知れない。

そんな、学園にとっての不都合なスキャンダルを巡る
一連の事件に、タモツもまた関わっていることが明らかになっていく。

原則としては一話完結なので、物語は一区切りつくのだけど
シリーズとしての布石もまたいくつか示されている。

巻末のあとがきでは、次巻についても触れられている。
舞台はなんと修学旅行で、『セイレーンの棲む家』という
タイトルまで予告されてる。

・・・とはいっても、この文庫版の刊行は2014年。
もう7年も前なのだが、未だ次巻は刊行されていない。
昨今の厳しい出版事情もあるのだろうけど
やっぱり続きは読みたいなあ。

ちなみに表紙の美女は高等部2年生で
才色兼備の「ミス北斗学園」不破宙美(そらみ)女史。
彼女のキャラ、好きなんだよねえ。


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