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心中探偵 蜜約または闇夜の解釈 [読書・ミステリ]


心中探偵 蜜約または闇夜の解釈 (幻冬舎文庫)

心中探偵 蜜約または闇夜の解釈 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 森 晶麿
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/11/09
  • メディア: 文庫
評価:★★

語り手の ”俺” こと、華影忍(はなかげ・しのぶ)は
美術雑誌のライターから作家へ転じ、間もなく2冊目が刊行される。

財産家に生まれ、働かなくても喰っていける身分でありながら
兄と恋人の死から、現世に対する興味を失ってしまう。
以来、酒と女に溺れる日々を送りながら、
死への誘惑に駆られるようになっていた。

ある夜、神社の境内で柳沼水奈都(やぎぬま・みなと)と
名乗る女と出会う。背中に山羊、太股に謎の花の刺青を持つその女は
華影との心中を受け入れ、二人で筋弛緩剤を服用する。

翌朝、女は死体で発見され、華影は命を取り留める。
しかしその死体の女は、心中を図った女とは別人だった。

華影は警察から、死んだ女こそ本物の柳沼水奈都であり、
柳沼財閥の現当主・柳沼水智雄(みちお)の妹であることを知らされる。

水奈都は殺されたのか?
なぜ女は水奈都を名乗ったのか?
そして、その女の正体は?

警察は自殺として処理ようとするが、
華影は真相を求めて独自に情報を集め始める・・・


華影は遊んで食える身分の上、異様に女にモテる。
とにかく、作中で出会う女をことごとく口説いて回るのだが
女の方も満更ではない反応を示すのには
驚きを通り越して呆れてしまった。

まあ私のようなモテない人間からすれば
風上にも置けない存在なのだが、これは純然たる僻みですね。

こんな華影だがしっかり結婚してる。
彼の担当編集者である溝渕くんは、華影の妻・道子に惚れているんだが
彼女が溝渕くんになびく気配は全くなさそうだ(笑)。

そんな溝渕くんだが、探偵の助手としてはなかなか有能で
あちこちから情報を集めてきて真相解明に貢献する。

本作では、同じ作者の別シリーズの探偵役である〈黒猫〉も登場する。
華影の後輩という設定で、彼の勤務する大学を訪れるシーンがある。
〈付き人〉さんのほうもワンカットだけ出演するけど、
華影は彼女に対してまでも粉をかけるんだからもう見境がない(笑)。


本作には、多くの女性キャラが登場してくるのだが、
最終的に明らかになる ”あの女” の正体は・・・

うーん、これはちょっとどうなんでしょう。
「うまくだまされた」と思うか「反則じゃないの?」って思うか。
私は四分六で後者ですな。

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