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帽子収集狂事件 [読書・ミステリ]

帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)

帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 作者: ジョン・ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/03/24
  • メディア: 文庫



評価:★★★

霧深いロンドンの町で続発する帽子盗難事件。
人々はこの怪盗を《いかれ帽子屋》と呼んでいた。

ポオの未発表原稿を盗まれた古書収集家、
サー・ウィリアム・ビットンもまた
《いかれ帽子屋》にシルクハットを盗まれた被害者だった。

ウィリアムがポオの原稿盗難について
名探偵フェル博士に相談を持ち込んでいたとき、
ウィリアムの甥でフリーランス記者のフィリップが
ロンドン塔の逆賊門で他殺体となって発見される。
その死体には、ウィリアムのもとから盗まれた
シルクハットが被せられていた・・・


本作で登場するのは、パリの予審判事バンコランに代わって
名探偵ギデオン・フェル博士。

悪魔的に性格が悪そうな(笑)バンコランと違い、
ずんぐりした巨漢で赤ら顔に山賊髭、
体型通りにビールが大好きなキャラクターはとても親しみやすい。
本書はフェル博士が活躍する長編第2作である。

ストーリーが進むにつれて、被害者の女性関係をはじめ
さまざまな秘密が明らかにされていくなど、
中盤をダレさせずに読者の興味をつないでいく。
そしてその展開の中に伏線をうま~く紛れ込ませてる。
このあたりはさすがに匠の技。

裏表紙の惹句には「驚天動地の大トリック」って書いてあるが
これはちょっと大げさかなぁ。
発表当時はともかく、本格ミステリが大量に発表されている
現代日本の目で見ると、さほど驚くほどでもない気がする。
(でも、見破れないんだよね・・・www)
しかし、これを補完・補強する小技がいくつか組み合わされていて
合わせ技で「一本! お見事!」って感じかな。

本作も密室や不可能犯罪ではない。
死体が発見された場所は開放空間なんだけど
(冒頭に現場付近の見取り図が載ってる)
深~いロンドンの霧がすべてを覆い隠してしまっていて
何がどう起こったのかは誰もわからない。
いかにも "本格ミステリ" な雰囲気あふれる作品だ。


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『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第一章を観てきました [アニメーション]

※本編のネタバレはありません。

何だかんだ言っても、時の経つのは早いもので
いつのまにか2月25日がやってきました。

『2199』では、ほぼ毎回、初日の一回目の上映回に行ってた。
もちろんBlu-rayを手に入れるためだったのだけど
今回は午後の回へ。

これには2つ理由があって、
1つは午前中によんどころない事情で用事が入ってしまったこと。

 もっとも、『2199』の時も午前中に用事が入ったことはあったが
 あのときは朝イチで映画館に行ってBlu-rayだけは手に入れてたなあ。

2つめは早朝から並ぶことに体力面で不安を覚えるようになったこと。

 『2199』のころは、四捨五入すれば50歳だったが
 いまは四捨五入すると還暦なんでねぇ・・・
 特に2年前の冬に体調を崩して入院したことが大きかったなあ。

Blu-rayも、バンダイビジュアルの通販で買えば
映画館で販売してるのと同じ仕様のものが
1週間遅れの3月4日には手に入るので
今回はそちらを利用することにしたのだ。


行った映画館はMOVIXさいたま。
『2199』の時は主にMOVIX柏の葉だったんだけど
今回は鑑賞後に大宮に寄るところがあったので変更。


『2199』のときは、途中から
かみさんが一緒に行ってくれるようになった。
今回も二人で観に行くはずだったのだけど、
なんと直前にかみさんが足に負傷してしまった。

単純な怪我なので一週間もすれば治ると思うんだけど
「ダメ、今日は痛くて歩けない。ムリ」と宣うので
残念ながら今回はかみさんの同行はナシ。
大事な "戦友" の不参加はちょっと悲しいね。

まあ、来週末にまた観に行く予定なので、
そのときは一緒に行けるでしょう。


閑話休題。


はじめてのMOVIXさいたま。
さいたま新都心駅で降りると、さすがに県庁所在地。
柏の葉キャンパスとは違って人の群れがスゴい。
それは映画館に入っても同じで、待合ロビーにも人が溢れてる。

けっこう上映時間ギリギリに着いたので、すぐに入場開始。
やっぱり平均年齢は高めだけど、20~30代もけっこういる。
ご夫婦も多いし、子ども連れもちらほら。

 『2199』の第一章のころはほとんど私と同年配ばかりだった。
 何もかも皆懐かしい・・・

座席もほぼ満席。都会だから客が多いのか
『2202』に期待する人が多いのかはよく分からないけど。


そんなこんなで上映開始。
ネタバレしない範囲でちょっと書いてみると・・・

第一話はほぼ全編が戦闘シーン。たしかに「出し惜しみナシ」。
うーん、古代がちゃんと主役してる。しかもものすごくカッコいい。
『星巡る方舟』で見せた戦闘指揮ぶりに、さらに磨きがかかってる感じ。

第二話は旧作の再現シーンも織り交ぜての展開。
"英雄の丘" はPVのまんまで再現度も徹底してる。
オリジナルにはなかった設定もちらほら。

内容の密度が高いせいか、今回は2話分なのに
4話分に負けないくらいの情報量だったような気がする。

そして、これも公式サイトやPVで明らかになったように
EDテーマが「ヤマトより愛をこめて」by沢田研二。
『2199』から入ってきた人や、
沢田研二の全盛期を知らない若い人なんかはどう感じるんだろうね。

3/4にはBlu-rayが到着するので、
詳しい感想はその後にアップする予定。


第一週の入場プレゼントは、XEBEC印の封筒に入ってる。
y01-2.jpg

中身は【複製】キャラ原画(沖田十三)&設定線画(ヤマト)
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第二週は、これが森雪&アンドロメダになるそうなんだが
来週、かみさんと観に行く時に入手できるかな?


あと、これが24日に入手した『ヤマト2202新聞』。
たまたま夜に近くのコンビニに入ったら売ってた。

1面は『2202第一章』メインビジュアル。
y01-1.jpg


2~5面は、キャラクター紹介&今後のストーリー予想。
6~7面は "未来の新聞" が伝える「アンドロメダ進宙式」の記事。
8~9面はアンドロメダ「戦艦型」と「空母型」の紹介。
10~12面は「徹底考察・ワープは実現可能か?」
13面は完成披露上映会、ヤマトジェット、EDテーマの紹介。
14面はアンドロメダのプラモデルと森雪フィギュアの広告。
15~18面は、『さらば』と『2202』のリバーシブルポスター。
 ちなみに絵柄は、どちらもヤマトとテレサ。
19面は「アンダーアーマー✕山本玲」
20~21面は田中理恵さんインタビュー。
22~23面は羽原信義監督インタビュー。
24~25面は福井晴敏氏インタビュー。
26~27面は『2199』のあらすじ紹介。
28面は『星巡る方舟』の紹介、1978年当時の日本のできごとを紹介。
29~31面は『さらば』を振り返る特集。

そして、32面は『さらば』と『2202第一章』の名場面集。
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実は、内容はまだほとんど読んでない。
ネタバレ防止のために2/6以降はほとんどネットも見てなかったし(笑)。
どちらも、これからじっくり眺めるとしましょうか。


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星籠の海 上下 [読書・ミステリ]

星籠の海(上) (講談社文庫)

星籠の海(上) (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/03/15
  • メディア: 文庫




星籠の海(下) (講談社文庫)

星籠の海(下) (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/03/15
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

年代は1993年の夏。御手洗が渡欧する直前で、
彼が日本で解決した最後の事件、ということらしい。

物語は、いくつかのストーリーラインで進んでいく。
主なものは3つかな。

その1。
横浜で暮らす御手洗と石岡のもとへ、ある相談が持ち込まれる。
四国は松山の沖、興居(ごご)島に次々と死体が漂着しているという。

現地へ飛んだ御手洗は、潮の干満によって
瀬戸内海に特有の流れが生じていると睨み、
死体が海に投棄された場所が
港町・鞆(広島県福山市)であることをつきとめる。

その2。
演劇を目指して恋人・田丸千早と共に上京した小坂井茂。
しかし夢破れた彼は故郷・鞆に帰るが、さらに千早まで失ってしまう。
失意の茂は新興宗教「日東第一教会」へとのめり込んでいく。
やがて看護学生・辰見洋子とつきあい始めるが
ある夜、洋子に呼び出された茂は、彼女の意味不明な行動に
無理矢理協力させられる・・・

その3。
福山市立大学の助教授・滝沢加奈子は、
地元出身の幕末期の老中・阿部正弘が
開国を迫る黒船を仮想敵として、対抗策を立案した古文書の中に、
「星籠(せいろ)」という謎の言葉を発見する。
対黒船の "切り札" となるらしい「星籠」の探索を始める加奈子。

この3つ以外にもサブストーリーがあるが
やがてそれらは交差したり一体化したりしながら
終盤へ向かっていくのだけれど・・・


冒頭にも記したように、私が本書に与えた評価は高いものではない。
その理由となる点をいくつか挙げてみよう。
以下の記述には、ネタバレになる点もあろうかと思うので、
未読の方はご注意を。


まず、冒頭の死者が次々と流れ着く謎も、御手洗が解くまでもなく、
だいたい海流の影響だろうって分かりそうなものだ。

そして死体の投棄場所が特定されると、
そこには新興宗教の総本山が存在していて、
その宗教がまた胡散臭さ充分。
「オウム事件」の記憶がある人なら、
そこで死体の発生理由も何となく見当がつくだろう。

 ちなみに「日東第一教会」のモデルはおそらく「統一教会」だろう。
 「オウム真理教」もちょっと入っていそうだが。

小坂井茂を巡るエピソードはちょっと長過ぎないか?
こんなに延々と引っ張る必要があるのかなぁ。

 この部分に限らず、文庫で上下巻あわせて
 1100ページを超える分量があるけど、ちょっと冗長に感じる。
 「アルカトラズ幻想」でも同じことを感じたけど、
 作者もトシを取ってきてクドくなってきたのかな?(笑)

辰見洋子が茂を巻き込んだ "謎の行動" についても、
普通にミステリを読んでる人なら容易に予想がつくだろうし。

表題にもなっていて、おそらく本書最大の謎になる(はずの)
「星籠」の正体についても、読んでいるうちに何となく
"あれ" じゃないかと目星がついてくる。


要するに「謎」が解決した時の「そうだったのか!」感に乏しいのだ。
ラストに大どんでん返しを用意していて、それを効果的にするために
意図的に分かりやすく書いてるのかとも思ったのだけど
最後まで読んでみても、そんな意図はなさそうだ。

今回の "犯人" が宗教団体なのも、ミステリ的興味を減じているかな。
もちろん、手を下しているのは "個人" なのだけど、
御手洗は「推理によって容疑者群の中から犯人を特定する」と言う
通常のミステリ的手順をすっ飛ばして
ピンポイントで "犯人はこいつだ" に持っていってしまう。
つまり、なぜこの "個人" に特定できるのか納得できる説明がないのだ。

まるで最初からすべて分かっているみたいで
"名探偵" というよりは "神様" ですね。
本作における御手洗は、全編を通じてこの調子。
勝手にどんどん突っ走って行ってしまって
しかもそれが常に "正しい" んだけど、
読者を置いてけぼりにしないように書いて欲しいなあ。

つまるところ、ミステリ的カタルシスがあまり感じられないのだ。
犯人確保のクライマックスはB級アクション映画みたいだし。

 アクション・シーンが悪いとは言わないけど、
 御手洗潔シリーズにそれを期待する人は少ないんじゃないかなぁ。

登場する女性陣も総じて好きになれないキャラばかり。
今作のヒロイン的立ち位置に一番近いのは滝沢加奈子さんなんだろうが
この人を含めて千早も洋子もみんな我が儘で自己中心的で
さっぱり感情移入ができないのも減点ポイントかなあ。


あともう一つ、私がかなり気になったことを書く。
作中時間こそ1993年だが、本書が発表されたのは2013年。
おそらく「3.11」後に執筆されていると思う。

本書の登場人物の一人に、福島の原発が原因の
被爆を思わせる描写があるのだ。
しかし、1993年時点で何事もなく平常運転していた原発がある地で
放射能漏れがあったことを疑わせる描写は如何なものか。

このテーマに立ち入ると話が難しくなりそうなので
これくらいにしておくけど、
この人物はストーリーに大きく関わることなく退場してしまうし、
被爆描写もこの人物の "不幸度" を上げるためだけに
持ち出されたようにも感じる。

誤解されないように書いておくが
島田氏が原発に対してどのような考えを持っていようと自由だ。
しかし、それを自作(それも創作)の中に採り上げるのであれば
充分な必要性がなければならないし、
その描写には配慮が必要なのではないかと思う。


そんなこんなで高い評価はつけられませんでした。


聞くところによると本書は映画化されたとのこと。
ちょっと公式サイトを覘いてみたんだけど
「日東第一教会」がなくなって、
代わりに大企業がその役回りになっているみたいだ。
やっぱり宗教がらみは難しいのかね。

サイトのあらすじからはよく分からないけど
おそらく福島の原発がらみの部分も
ごっそり削除されてるんではないかな。

個人的には、石岡君が出てこないらしいことが残念。
代わりにオリジナルの女性キャラが御手洗の相棒を務めるらしいが。

 まあたしかに本作の石岡君は、御手洗に振り回されてばかり。
 特に現地入りしてからは御手洗の後にくっついて
 ひたすら彼の言動を記録するだけで、
 ほんとに存在感がなかったから、致し方ないのかな(笑)。

もっと御手洗と石岡の "とんちんかん問答"(笑) が読みたかった私です。


私は「御手洗潔シリーズ」が好きだし、
現代のミステリ界の隆盛に島田氏が果たした功績も
十分に理解しているつもり。
だからこそ期待も大きくなる。

ここまで、なんだか文句ばかり書いてしまったが、
不満が多いのは「期待の大きさ」の裏返しだ。
作者からしたら、勝手にハードルを上げられて迷惑かも知れないが(笑)。

他の人はどうか知らないけど
私が "御手洗潔のシリーズに求めるもの" が本書からは
ほとんど得られなかった気がして、低い評価をつけてしまいました。
御手洗潔ファンの皆様、ごめんなさい。


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禁断の魔術 [読書・ミステリ]

禁断の魔術 (文春文庫)

禁断の魔術 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

高校生・古芝(こしば)伸吾が所属する物理研究会は
部員減少で廃部寸前だった。
彼は物理研OBの帝都大准教授・湯川の助力を得て
その危機を乗り切る。

湯川に憧れた伸吾は帝都大学を受験、みごと合格する。
しかし入学直後、親代わりとなってくれていた姉・秋穂(あきほ)が
不審な死を遂げ、伸吾は大学を中退して町工場で働き始める。

一方、フリーライター・長岡が殺される。
現場に残されたメモリーカードには、謎の動画が残っていた。

長岡が追っていた代議士の大賀は、
科学技術研究拠点・スーパーテクノポリスの開発推進者だった。
建設地の地元では反対運動も起こっており、
反対派に与する長岡は大賀のスキャンダルを探していた。

捜査を進める草薙と内海は、
大賀を担当していた新聞記者・古芝秋穂の死を知り
さらにその弟・伸吾が大学を中退していたことをつかむ。
しかしその直後、伸吾は失踪してしまう・・・


本書では、ミステリ要素はやや少なめ。
長岡を殺した犯人も、直接的な証拠で判明するし
伸吾が姉の復讐を企んでいることも中盤あたりには明らかとなり、
後半の興味は、いかに伸吾の凶行を阻止するかになってくる。

『真夏の方程式』でも開発と自然保護の問題が取り上げられていた。
それは引き続がれてはいるものの、
本書ではそれに加えて「科学技術に携わる者の良心」が
より大きなテーマとなっていて、それはタイトルにも現れている。

劇中で湯川は語る。
「悪用しようとするものにとっては、
 科学技術は "禁断の魔術" となる」と。
程度の差はあれ、科学を採り上げた作品では
避けて通れないテーマであり、古くて新しいテーマでもある。

高校時代に湯川から与えられた知識と技術に、さらに改良を施し、
復讐のための "武器" を作りあげていく伸吾。
それに対し、あくまでも彼の中の "良心" を信じる湯川。
二人の対決が本書のクライマックスになる。


どうでもいいことを二つほど。

本作は、最初は短編として発表されたものを加筆して長編化したらしい。
今回のテーマは、ある意味「ガリレオ」という
シリーズを通してのテーマでもあるから、
じっくりと書き込もうと思ったのかも知れない。
それと、本作で伸吾が完成させた "武器" なのだが
フィクションの世界ではけっこうポピュラーなもので
現実世界でも実現しつつある(らしい)もの。
ならば、作者はこれを短編のネタで終わらせるのは
もったいないなぁって思ったのかも知れない、

二つ目。
劇中に登場する女子高生・由里奈ちゃんが健気。
伸吾が働く町工場の社長の娘で、
彼に数学の勉強を教えてもらったことがきっかけで
想いを寄せるようになるという役どころ。
因数分解と加法定理を教えたら女子高生に惚れられてしまうなんて
伸吾くんが羨ましすぎるぞ(笑)。


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わたしのリミット [読書・ミステリ]

わたしのリミット (創元推理文庫)

わたしのリミット (創元推理文庫)

  • 作者: 松尾 由美
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/09/30
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

高校2年生の坂崎莉実(りみ)は、
古い西洋館で父親と二人暮らしをしている。

5月のある日曜の朝、莉実が目を覚ましたとき
父の姿はなく、代わりに15歳ほどの見知らぬ少女がいた。

父の残した書き置きには
「彼女を "莉実" の名で病院に入院させてほしい」
とあった。
そして「1ヶ月後には帰る」とも。

氏素性はおろか、本名さえ名乗らない少女を
とりあえず "リミット" と呼ぶことにした莉実は
彼女を父親が手配していた病院へ入院させる。
院長の木暮もすべての事情を知っているようだが・・・

入院したリミットを見舞いながら、
身近に起こった不思議なことを話す莉実。
するとリミットは、話を聞いただけで
その謎を見事に解いてしまうのだった。

本書は、謎の少女リミットを探偵役とした
4つの "事件" を描く "日常の謎" 系連作ミステリだ。


以下の文章は、ネタバレではないけれど
勘のいい人なら真相に気づいてしまうと思うので
未読の方はご注意願いたい。


本書における最大の謎は、もちろんリミットの正体なのだが
作者は、それについてはあまり隠してない。

おそらくほとんどの読者は、
かなり早い段階で彼女の正体を "推定" できるだろう。

そして読み進めるうちに、次第にその推定は
"確信" へと変わっていく。

しかし、それによって読者は、
あらかじめ提示されていた "ある事実" を思い出すだろう。
そして、まだ未読のはずのエピローグが、
実に切ないものになるであろうことに気がつくのだ。

これはもちろん、作者がそうなるように書いてるってことだ。
実にうまく読者の気持ちを揺さぶってくる。

実際、私はエピローグを読むことにちょっぴり躊躇いを覚えたよ。
でも読んじゃったけど(笑)。
そして、たっぷりと切ない思いを味わった。

うーん、なかなか紹介に困る作品だね。


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東京ダンジョン [読書・冒険/サスペンス]

東京ダンジョン (PHP文芸文庫)

東京ダンジョン (PHP文芸文庫)

  • 作者: 福田 和代
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/11/09
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

裏表紙の惹句にこうある。
「東京の地下鉄がテロリストに支配された?」
こう書かれたら、どんな物語を想像するだろう。

たとえば、地下鉄の乗客を人質にしてトンネル内に潜み、
無理難題な要求を突きつけるテロリストと、
警察陣との虚々実々の駆け引きとか。

あるいは、迷宮のような地下鉄の線路内での、
犯人グループとテロ対策の特殊部隊との壮絶な戦闘シーンとか。

どうも私は、騒ぎがひたすら大きくなる方向への妄想ばかりが
頭の中を駆けめぐって、「きっとこうなるんだろう」って
勝手にストーリーを作ってしまう傾向にあるようだ。

この作者の『迎撃せよ』とか『潜航せよ』とかも、
同じような妄想で勝手に盛り上がり、
実際の内容との差に愕然としたりするんだけども。

作者からしたら、とっても迷惑な読者かもしれない。

閑話休題。


では、本書はどんな話なのか。

主人公は地下鉄の保線作業員・的場哲也。
列車運行の合間を縫ってトンネル内を歩き、
レール等の施設を点検することを業務としている。

ある日彼は、勤務中にトンネル内で不審な人影を目撃する。
折しもネット上には、東京の地下には "地底人" がいる、
という噂が駆けめぐっていた。

哲也の弟・洋次はニートだったが、最近になって
過激な言動で有名な経済学者・鬼童征夫(きどう・まさお)の
主宰する集会に通っていた。

地下鉄新線の開業が迫ったある日、
洋次が頭に重傷を負って発見される。
意識は戻ったものの、負傷時の記憶を失っていた。

事件の真相を追って鬼童の集会に探りをいれる哲也。
やがて記憶の一部を取り戻した洋次は、
兄に「地下鉄新線を狙う者がいる」と告げる。
そして哲也の前に、公安刑事・伊達が現れる・・・


とにかく、なかなか "テロリストが地下鉄を支配" しない。
彼らが地下鉄トンネル内に仕掛けた爆弾をもって
テロを宣言し、東京の地下への立ち入りを禁ずるのは
中盤あたりまで待たなければならない。

そしてここまで読んでくれば、たいていの読者は
鬼童の集会に集まったメンバーがテロリストになり、
鬼童がそのリーダーになるって思うだろう。
その予想は半分当たり、半分外れる。

また、普通だったら、主役の哲也が事件に巻き込まれて、
成り行き上テロリストと対決する、って展開になりそうにも思うが
その予想も外れる。

詳しく書くとネタバレになるんだが、
中盤以降になると俄然、鬼童がクローズアップされる。
後半の裏主人公といっていいだろう。
前半とは違う一面も垣間見えて、一筋縄ではいかない人物になってる。


とにかく本書は、読者の(私の?)予想を外しまくる作品だった。
じゃあ、がっかりしたか、つまらなかったかと言えば
そうでもないんだな。

テロリストとの対決を描いたサスペンスは数多くあれど、
本書はそのどれとも似ていない。そういう意味では新鮮だ。

テロリストたちのとる "戦術" も、持ち出す "条件" も、
彼らの真の "目的" も、意表を突くものばかり。
やや頭でっかちではあるけれど・・・

「おお」とか「そうくるか」とか「えー、それでいいの」とか
ぶつぶつ言ってる間に最後まで読んでしまったよ。

まあ、私の好みとはちょっと外れてる気もするが。


本書では、とにかく主人公・的場哲也の人物がいい。

テロリストが仕掛けた爆弾を探すためにトンネルに入るとき、
後輩の保線員から尋ねられる。「怖くはないのか」と。
哲也は「俺だって怖い」と答える。しかしこうも言う。
「地下鉄に一番詳しいのは俺たちだ。
 他の人に押しつけることはできない」と。

地下鉄の保守という、毎日の単調な業務。
しかし、乗客の命を預かり、
社会の重要なインフラを担っているという強い矜持。
まさにプロの仕事を最後まで貫徹する。

職業に貴賤はないと言うが、
どんな仕事も必要だから存在しているのであり、
誰かがそれをやらなければならない。

個人個人がそれぞれに与えられた本分を全うすることで
社会は回っていく。
考えてみれば当たり前のことなんだが往々にして忘れがち。
そんなことを思い出させてくれる作品だ。

「なんでオレがこんなことをしなけりゃいけない?」
なぁんて思いがちな自分を、ちょっと反省してしまう。


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探偵の殺される夜 本格短編ベスト・セレクション [読書・ミステリ]

探偵の殺される夜 本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)

探偵の殺される夜 本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: 文庫



評価:★★★

一年間を通して発表された短編本格ミステリの中から選ばれる
「本格短編ベスト・セレクション」シリーズの14冊目。

本書には2011年に発表された作品を収録している。


「オンブタイ」長岡弘樹
 短編集で既読。
 部下にパワハラを仕掛けている最中に
 交通事故を起こし、後遺症で視力を失った西条。
 彼のもとへ、ある日「タミ」と名乗るヘルパーが現れる。
 変わったタイトルだけど、読み終わると実に秀逸。

「白きを見れば」麻耶雄嵩
 "貴族探偵"シリーズの一編。
 駆け出しの探偵・高徳愛香(たかとく・あいか)は
 大学時代の友人に招かれて山奥の別荘へやってくる。
 しかし、別荘の地下にある古井戸のそばで
 滞在客の一人が死体となっていた。
 本格ミステリらしく理詰めの推理が展開される。
 しかし "貴族探偵" とはねえ。よく思いついたもんだ。

「払ってください」青井夏海
 カリスマ助産師・明楽先生を探偵役とするシリーズの一編。
 助産師助手の陽菜(ひな)が
 先輩助産師・聡子とともに訪れた家には
 やくざが押し掛けてきていた。
 父親が借金をしたまま行方不明になり、
 さらに勤め先の会社の金も持ち出しているらしい。
 明楽先生は、父親の事情や行方を見通してみせる。
 青井夏海って、デビューの頃は読んでたけど
 最近、ご無沙汰だったなあ。久しぶりだ。

「雀の森の異常な夜」東川篤哉
 短編集で既読。
 烏賊川市の名家・西園寺家の令嬢・絵理に
 真夜中に呼び出された探偵助手・流平。
 彼女からの相談を受けようとしたその時、
 二人の前を通り過ぎたのは一台の車椅子。
 乗っているのは絵理の祖父・庄三、そして車椅子を押す謎の男。
 行動は胡散臭いが推理力はそれなりにある(笑)探偵・鵜飼が
 活躍するシリーズの一編。
 ユーモアたっぷりの語り口ながら
 ミステリとしての構造はしっかりしてる。

「密室劇場」貴志祐介
 劇団「土性骨」の公演中、控室で俳優が殺される。
 現場には出口があったが出入りした者はおらず、
 唯一の脱出路は舞台に通じている。
 しかし、演劇公演中の舞台は観客の注目の中にあった。
 犯人の脱出トリックだけ見たらバカミスだけど
 単純なだけに案外成功しそう。
 あと、探偵役の防犯コンサルタント・榎本って
 こんなキャラだったかなあ。

「失楽園」柳広司
 短編集で既読。
 太平洋戦争直前の英領シンガポール。
 米国の駐在武官・キャンベルは現地の娘・ジュリアと恋に落ちる。
 そしてラッフルズ・ホテルの滞在客が死亡する事件が起こるが、
 ジュリアが殺人犯として逮捕されてしまう・・・
 日本のスパイ養成組織・"D機関" の
 "卒業生" たちが活躍するシリーズの一編。
 日本のスパイの真の目的が明らかになるラストの切れ味が抜群。

「不良品探偵」滝田務雄
 女子高生・浜ナナカは、恋愛のもつれから
 周到な計画のもと、かつての恋人・辰彦を殺す。
 探偵役となるのは藍須救武(あいす・きゅうぶ)という
 ふざけた名前の高校生なんだが、
 これがまた刑事コロンボなみに鋭い推理でナナカを追いつめていく。
 序盤の何気ない描写がラストに効いてくる。
 これ、シリーズ化されてるのかなあ?

「死刑囚はなぜ殺される」鳥飼否宇
 ジャリーミスタン終末監獄には、死刑囚のみが集められている。
 死刑の執行が決まった者は独房に移されるのだが、
 その独房内で二人の死刑囚が殺される。
 密室状態の独房内で、しかも放っておいても
 死刑が執行される囚人をなぜわざわざ殺すのか?
 舞台も登場人物もみな特殊だけど、
 この状況下でしか成立しないミステリではある。

「轢かれる」辻真先
 介護士の優芽(ゆめ)が働く老人ホーム『やすらぎの巣』。
 そこへ新たに入所してきた認知症の男・鷺沢は、
 優芽の母・毬絵のかつての夫にして実の父親であった。
 毬絵には、左手の手首から先がない。
 優芽が幼い頃に列車事故に遭ったためだ。
 鷺沢に出会ったことをきっかけに、
 両親の間に起こったことを探り始める優芽。
 やがて彼女は、母の事故に秘められた真実を知る・・・
 ちょっと連城三紀彦の"花葬"シリーズを思わせる。

「東西「覗き」比べ」巽昌章
 うーん、私はミステリの評論って苦手みたいです。


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天帝のつかわせる御矢 [読書・ミステリ]

天帝のつかわせる御矢 (幻冬舎文庫)

天帝のつかわせる御矢 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/06/12
  • メディア: 文庫



評価:★★★★

勁草館高校吹奏楽部員・古野まほろを主人公とした
ミステリ・シリーズ第2弾。

前作『天帝のはしたなき果実』事件を解決へ導いたまほろだが、
心身に多大なるダメージを負い、
これも事件のとばっちりで日本警察を退職し、中国大陸へ渡った
二条実房警視正とともに、満州帝国の地でほとぼりをさましていた。

 前作の記事でも書いたが、本シリーズの舞台となるのは
 パラレル・ワールドの世界。
 太平洋戦争には負けたみたいだが、日本は未だ「帝国」であり、
 満州帝国もまた生き残っているし、
 その他いろいろなところが "我々の世界" とは異なっている。

しかし、折しも満州帝国は東西に別れての内戦状態にあり、
まほろたちが暮らす首都・新京までも戦火が及んできていた。

まほろは二条と別れ、日本から迎えにきた吹奏楽部部長・柏木とともに
環大東亜特急『あじあ』の乗客となる。

 『あじあ』は、新京からウラジオストクを経由、
 その後沿海州帝国内を北上し、間宮海峡をトンネルで潜って樺太へ、
 さらに南下して北海道を縦断、本州へ乗り入れる。
 そして終点は帝都・東京、という長距離寝台列車である。

乗り合わせた乗客たちはバラエティに富み、
かつ濃いキャラの人ばかり。まあこれはお約束。

生物学者に医師に外交官に製薬会社の双子の令嬢、
停戦特使を務める日本帝国の国会議員、
満州帝国特殊部隊の指揮官、
沿海州帝国の貴族とその養女、
コテコテの関西弁を操る日本男子(なぜかフランス国籍)、
ジャーナリストは男装の麗人、
さらにはやんごとなき宮様ご夫妻まで。

みな一癖も二癖もあって、叩けば壮大にホコリが出そうな人ばかり。
これもまた定石通りだろう。

さらにはこの中には『使者』(メサジュ)と呼ばれる
謎の大物スパイまでいるらしく、
まほろと柏木は、日本にいる同級生・修野まりから
『使者』への接触を命じられる。

そんな中、乗客の一人が密室状態の客室の中で
バラバラ死体となって発見される。

しかし、列車内は鉄道会社に司法権があるらしく、
警察の介入も行われないまま列車は一路、東京へ向けて驀進するが、
やがて第二の殺人が起こる・・・


異様に饒舌な語り口は今作でも健在。
頻出する引用、あふれんばかりの洪水のようなルビ、
英独仏露の多言語が飛び交い、
さらにはけっこうどぎつい台詞まわし、などなど。

文庫で約630ページの大長編だけど、
第一の殺人が起こるのは中盤あたりまで待たなければならない。
それまではまほろと柏木の "車内探検" やら
乗客たちそれぞれが順番に登場しての "キャラ紹介" が
延々と続く。まあそれもまた楽しいのだが。 

そして終盤の130ページほどが "解決編" になるのだが
ここも前作と同じく、一堂に会した登場人物たちがお互いに
それぞれの推理を述べ、犯人を告発するシーンが連続する。

人物Aが滔々と推理を述べる。
→ 瑕疵(or反証)が明らかにされ崩壊する。
→ 人物Bがまた別の推理を語り出す。
以下繰り返し。この調子でみなことごとく討ち死にした後、
真打ち・まほろの登場となる。

乗客たちによって開陳され、結局ひっくり返されてしまう解釈も、
実に多彩にして巧妙。
中には「そのネタで長編一本書けるじゃん」ってのもある。
そういう意味では一冊の中に通常の何倍ものトリックを仕込んでいて
出し惜しみしてない。これはスゴい。

そしてこれらの "誤った推理" も無駄ではなく、
これらが積み重なっていくうちに
薄皮がはがれるように真相に近づいていく。

そしてそして、犯人が分かったあとでさらにもうひと捻り。
いやはやサービス精神旺盛なことこの上ない。

しかしまだまだ「物語」は終わらない。
謎解きを終えた後のラスト50ページ、
「物語」は想定外の超展開を迎える。

 うまい例えが見つからないが、あえて言うなら、
 前作のラストが『エイリアン』なら
 本書のラストは『エイリアン2』だね(笑)。

「ミステリ」としての謎解きだけに限定すれば
前作『果実』は未読でも差し支えないが、
「物語」として読むなら、『果実』を読んでおかないと
わけが分からないだろう(特にラスト50ページは)。

あと、できれば列車ミステリの傑作『オリエント急行の殺人』も
読んでおいた方がいいかな。
露骨なネタバレはないが、真相を示唆する描写はあるので。

 もし未読なら、この機会をとらえて読みましょう。
 クリスティーの全盛期に書かれた古典的名作ですから。
 (本書を読む人で『オリエント』未読の人は少ないだろうけど)


今回も評価に困る作品だ。
決してつまらないわけではなく、むしろ物語としてはとても面白い。
(だから★4つにしたし。)

でも、読んでいて疲れる作品(笑)なのは前作同様。

今回も、取りかかりから読了まで2週間かかったが
途中で4日ほど放置してたので実質は10日くらいかかったかな。

それでも前作よりは早く読めたのは、
この作者の文体に慣れたのか、理解することを諦めたのか(笑)。
あと、物語の舞台がほぼ列車内に限定されているので、
キャラの動きやストーリーの進行を追いやすいというのもあるだろう。

とは言っても、なにせ大部で情報量が多く、とても頭に入りきらない。
解決編でいろんな証拠やら手がかりやら根拠やらが示されるのだけど
「はて、そうだったっけ?」な状態。

 読みながら詳細にメモでも取っていかないと
 ついていけないんじゃないかなあ・・・

私はこの作品を "ミステリとして" 読むには
私自身の知力が足りないんじゃないかと思う(T_T)。

そして、もしそうならば、
私はこのシリーズのよい読者ではないのでしょう。
正しく評価できるとも思えないし。

でもまあ、錆びついた頭をなんとかフル回転させて、
ボケ防止のためにも(笑)もう少しつきあってみるつもり。

ところで、本書のラストに登場する "あの人" は、
今後もシリーズキャラとしてレギュラー化するのでしょうかね?


最後に、本書を読んでいて思い出した話を一つ。

大学生の頃、坂口安吾の『不連続殺人事件』を読み始めたとき、
わずか最初の数ページで、登場する人物のあまりの多さにたまげて
一覧表を作ったことを思い出した。
読み進めながら、手がかりと思える事項にぶつかったら
自分なりの解釈を加えてメモを書き込んでいった。
そしてラストの謎解きの前にそのメモを眺めていたら
犯人が誰だか閃いたのも懐かしい思い出だ。

  そのメモを母親に見つかって、
 思いっきり呆れられたのもいい思い出だ(笑)。

ミステリにおいて、論理的に考えて犯人が当たったのは
あれが最初にして最後だったような気がするなあ。


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総閲覧数、90万に到達 [このブログについて]

1月の初旬から約4週間、毎日読書録をアップし続け、
昨年の積み残し分と今年に入ってから読んだ分を全部書き切り、
ちょっぴり "燃え尽き症候群" っぽくなってました。

読みかけの本もあるんですけど、ちっともページが進まず、
晩飯を食った後はごろりと横になってひと眠り。

目を覚ますとたいてい日付が変わってて
そこから缶ビールをちびちび舐めながら
ネットを徘徊するという、典型的なダメ人間になってます。

そんな自堕落なブログ主ですが、
それでも見に来てくださる方はいるようで、
本日めでたく、総閲覧数が90万に到達いたしました。

90万.jpg


もっとも、そのうちの結構な数が
巡回ロボットくんが稼いだものかも知れませんが(笑)

 だって、真夜中とかの時間帯で、短い間に
 尋常じゃないくらいアクセスが集中してる時があるので。

まあ、それはどこのブログでもいっしょかな。


毎回書いていることなんですけど、また書かせていただきます。

真夜中の酔っ払いおじさんのタワゴトを綴った、
まとまらない駄文ばかりのブログですが、
こんなに見に来て頂いて本当にありがとうございます。m(_ _)m

いつまで続けられるか分かりませんが、
身体を壊さない(笑)程度にゆる~く続けていこうと思ってます。


次はいよいよ総閲覧数100万ですが、
年内に達成できるかはちょっと無理っぽい?感じです。
まあ、焦らずのんびりといきます。

これからも MIDNIGHT DRINKER をよろしくお願いします。m(_ _)m


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『ヤマト2202 第一章 嚆矢篇』完成披露舞台挨拶 & 新PV公開 [アニメーション]

2月6日、第一章の完成披露上映会があった。

それに先立ち、舞台挨拶があって、
そこの部分だけニコニコ生放送で配信された。

開始時間(18:30)には家に着いていたんだけど、
晩飯の支度をしなければならないので視聴は封印。

もろもろが片付いた8:30頃からタイムシフトで見始めた。

結論としては、新情報はあんまり無かったかな。以下、雑感。


■松澤千晶(司会)
 wikiによるとフリーアナウンサーで、かなりのアニヲタらしい。
 『ラブライブ!』などのアニメ系イベントの司会もしてるとのこと。
 とはいっても32歳くらいらしいので、
 ヤマトのオリジナルシリーズはどれくらい知ってるんでしょうね。
 声質はおだやかで、私の好みですね。

■鈴村健一
 なんと第1話には出演していないそうで。
 公式サイトにも登場は遅かったよねえ。何か意味があるのか。
 意味と言えば、今回のゲストで呼ばれたのが
 島とテレサの声優さんなのは何か意味があるのか?
 鈴村さん本人も、テレサとの絡みを期待してるみたいですが、さて。
 後半のスペシャルゲストの登場のおかげで
 会場のお客さん&登壇者がドン引き(笑)になってからは
 必死に盛り上げようと頑張ってましたね。鈴村さんはいい人だ。

■神田沙也加
 CM以外で動いてる沙也加さんを見たのは初めてかな。
 とても可愛らしい人で、かといって腰も低くて
 『ヤマト』へのリスペクトもありそうなので好感度大です。
 頑張って新たなテレサをつくりあげてほしいと思います。
 司会からの無茶ぶりにも堂々と応えてしまうあたり、立派です。

■羽原信義
 いつ見ても穏やかそうな人で、とても『ファフナー』シリーズで
 あんな過酷な演出をする人には見えません(笑)。
 どう作っても必ず批判される『ヤマト』のリメイクを
 よく引き受けたなあって思います。
 期待されるハードルの高さも、寄せられる非難(笑)も
 『2199』の比ではないでしょう。
 キャラを殺しても殺さなくてもファンには怒られる。
 リメイクの監督ほど割に合わない仕事はないでしょうに。
 それらをも超越する「ヤマト愛」があるのでしょう。
 『ファフナー』でも、多くのキャラがお亡くなりになりましたが
 最後には必ず "希望" を見せてくれた人なので、期待してます。
 「温かい目で見てください」
 思わず笑いましたけど、これが本当のところでしょうね。

■福井晴敏
 この人はけっこう見ている気がするのでいつも通りかな。
 今回の新情報は「テレサは反物質ではない」。
 でも「絡みづらい」らしいので、島君の恋路は厳しそう?
 「テレサはアニメ史上トップ3に入るくらい絡みづらいキャラ」
 とのこと。『さらば』版のテレサならそうかな。

■スペシャルゲスト
 いやあ、この人に罪はない。悪いのは、この人選をしたスタッフだ。
 私が上司だったら小一時間くらい説教してやるんだが(笑)。
 福井氏が「こんなに人間力を試される舞台挨拶は初めて」と
 のたまわったのもわかる。
 会場のヤマトファンはやさしいねえ。いや、"大人" なんですかね。


公式サイトには「重大発表も?」なんてあったので
私が密かに期待していたのは「主題歌がどうなるか」が
明らかになるんじゃないかってこと。

残念ながら舞台挨拶では触れられなかったので
これは本編を鑑賞した人だけが知ることができたのだね。

そんでもって、いつものように真夜中あたりに
公式サイトをのぞいてみたらびっくり。

 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第一章のED主題歌が、
 『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』ED主題歌の
 当時の音源そのままで「ヤマトより愛をこめて」/沢田研二に決定!

とある。ついでに2分50秒もある新PVも公開されてる。





○新PV
・冒頭1分あまりは、まんま "英雄の丘" の再現シーン。
 まあ、このシーンは外せないでしょうねえ。
・テレザード星&テレサをバックに
 「ヤマトより愛をこめて」がフェードイン。
・白色彗星&ガトランティス艦隊&侵略される人々。
 地球&ガミラス混成艦隊vsガトランティス艦隊。
 このあたりは予告編に映像を追加。
・キーマン&古代
・おお、アンドロメダ級4隻の一斉ワープ。
・ワープ中の亜空間での追撃戦?
 地球軍の艦を追っている黒いシルエットはガトランの "大戦艦" ?
・雪さんの婚約指輪が光ります。死亡フラグでないことを祈ります。
・満艦飾のアンドロメダ? これも旧作にあったシーン。
・テレサによって「宇宙の彼方で助けを求めている人々」の
 存在を知ることが今回のヤマト出航の理由でしょうか。
 そしてそれにはガミラスも関わってくる?
・沖田艦長の亡霊? 古代の夢なのか?
 それともヤマトの中で残留思念(?)となってるのでしょうか。
・最後の〆は60秒ver予告編と同じ、ヤマトの主砲一閃。


うーん、だんだん全貌が明らかになってきました。
同時に、期待も高まりますが不安も高まります(笑)。

「ヤマトより愛をこめて」は、全7章のどこかで
使うんじゃないかと思ってましたが、第一章からくるとは予想外。
過去の音源をそのまま使うのも想定外でした。

これなら「テレサよ永遠に」もささきいさお氏のオリジナル音源で
どこかで(おそらくテレザード星がメインになる章で)使われそう。


さて、肝心のOP主題歌がまだ不明。
ということは、ささきいさおの「宇宙戦艦ヤマト」が
そのまま使われるってことですかね?

完成披露上映会に行った人はもう知ってるんだろうなあ・・・


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