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「『ヤマトよ永遠に REBEL3199』始動直前特番」を観て考えたこと [アニメーション]



 BS11で上記の特番が放送されました。私は録画したものを観たのですが、現在では YouTube にも上がってますね。



■主な内容

 スタッフ・キャスト3組によるトーク。雑感を書いていくと

対談(1) 製作陣 福井晴敏×ヤマトナオミチ
・ヤマトナオミチさんを監督に抜擢した理由とかいろいろ。
 ヤマト監督、生真面目そうな方という印象ですね。
※この対談での福井氏の発言がこの記事を書くきっかけになったのですが、
 これについては後述します。

対談(2) 音楽 宮川彬良×兼松衆
・兼松さん、学校の音楽の教科書でヤマトの主題歌を知ったとか。
 検索してみたら、教育芸術社「高等学校 音楽III」に載ってるみたい。
・兼松さん35歳とか。羽田健太郎さんが「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」を
 書いたのも35歳だったらしい。
 『完結編』の曲にも素晴らしいものがたくさんあった。
 兼松さんにも期待します。

対談(3) 声優 小野大輔×古川慎
・小野さんの古代進役は安定感抜群になったなぁと感じる。
・古川さん、『水星の魔女』観てたけど、
 小野大輔さんと声が似ているとは思わなかったなぁ。
 まあ声優さんだからいろんな声が出せるのだろうけど。
・どうやらアルフォンは「第一章」では台詞がないそうな。
 だとしたら、出番は初登場の ”あのシーン” だけかな(笑)。

 全編にわたってヤマトのBGMが流れているのだけど、中にはいくつか聞き慣れない曲が。おそらく今作のために書かれた新曲でしょう。このあたりも期待を抱かせます。


■福井氏の発言

 さて、上述した福井氏の発言は次のようなもの。YouTube では冒頭から5分過ぎあたりで出てきます。

「リメイクをやる時っていつもそうなんですけど、
 一本目のあのTVシリーズのね、あのスピリットを持ったまま
 以降の続編が作られてたらどうなっていただろうという、
 そういうある種の想定の下で作っているというところがあります」

※太字で強調した部分は私の手によるものです。

 「一作目のスピリットを持ったまま以降の続編が作られていたら

 この言葉は、間接的に

「(旧作に於ける)『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』以降の続編群は、
 一作目のスピリットを喪っている」

 ということを言っている・・・と私は解釈したのですが如何でしょう。

 ここで気をつけなければいけないのは、”一作目のスピリットを喪っている” ことに対して福井氏は「良い」とも「悪い」とも云っていないこと。
 実際、『さらば』は興行的には大成功したし、その後の続編群制作の大きな原動力になったのは間違いないところ。そして、曲がりなりにも1983年の『完結編』まで、10年近くもシリーズは続いたわけだから。

 そしてもう一つ。”一作目のスピリット” とは何を指すのか、と云う問題があります。むしろこちらの方が大事かも知れない。
 では、福井氏の指すところの ”一作目のスピリット” とは何なのか?
 それは作品を観て判断していくしかないでしょう。


■『さらば』と『2202』

 『さらば』と言う作品に対して、私の評価は極めてネガティブです。そのあたりのことは、過去(『2199』が始まった頃)にまとめてこのブログで記事として書きましたのでここでは繰り返しません。

 ですから、『2202』が ”『さらば』のリメイク” という触れ込みで始まった時にはかなり心配したものです。今となっては取り越し苦労でしたが。
 『2202』という作品についても、このブログでけっこう書いてきたのでここでいちいち挙げることはしません。気に入らないところもあるし、「ここはもう少しどうにかならなかったのか」と思うところもあります。ですが、私はこの作品をおおむね肯定的に評価しています。

 実は6月中旬あたりから『2202』を改めて観ています。これは7月19日公開の『ヤマトよ永遠に REBEL3199』のために ”復習” しておこうということで見始めたものです。
 そしてちょうどこの特番がTV放映された時が『2202』の終盤と重なっていました。具体的に云うと、前日までに第24話まで観終わっていて、その翌日に録画していた特番を観て、そしてその夜に続きの第25話・第26話を観ました。

 その第25話は、サブタイトルがずばり「さらば宇宙戦艦ヤマト」でした。この記事を読む人なら内容はご存じと思いますので省略しますが、この中にとても重要なシーンがあります。
 それは「沖田艦長のレリーフと対峙する古代」を描いた部分です。


■沖田vs古代

 『2202』では、古代はレリーフに向かって「沖田さん。お叱りはそちらで受けます」と語りかけます。
 ”沖田はこれから自分がとろうとしている行動を認めない”、と古代は考えていることがわかります。
 そしてこのシーンは、『2202』に対する私の評価を決めた理由のひとつになりました。

 『さらば』にも同様のシーンがあるのですが、描き方は真逆と云っていいくらい異なります。”『さらば』こそ至高” と考える人にとっては、『2202』でのそれはトンデモナイことだったかも知れません。

 そして、特番の福井氏の発言を考えるならば、このシーンの描き方の違いが福井氏の云うところの「一作目のスピリット」なのかも知れません。

 少なくとも、1978年、当時20歳だった私は『さらば』のこのシーンで自分の耳を疑いましたから。「沖田艦長がそんなことを云うはずがない!」って叫び出しそうでした(さすがに映画館の中なので叫ばなかったけど)。


■だがしかし

 でもまあ、それは単なる私の思い込み、独りよがりかも知れません。上述の古代の台詞だって、昨今の世界情勢を鑑みれば、作中人物に『さらば』の沖田のような台詞を言わせるのはマズいのではないか、という ”忖度” が働いただけなのかも知れません。
 ならば私と福井氏は同床異夢の中にいることになります。


■とはいうものの

 「一作目のスピリットを持ったまま以降の続編が作られていたら」というのは、私自身が『さらば』を観た時以来、ずーっと長い間、心の中に抱いてきた思いでもあります。結局報われない思いでしたが(笑)。
 それから長い時間が経ち、そんなものを抱いていた記憶すらなくしそうになった頃に始まったのが『2199』でした。

 そして『2202』『2205』と至ります。
 上に書いたように、福井氏の云うところの「一作目のスピリット」なるものは、見えてきたようで未だあやふやな感じもします。でも今までのところ、私はリメイクヤマトのシリーズを肯定的に観ることができています。


■そして『3199』へ

 ならば、私の求めるところと福井氏のそれは、大きな齟齬はないのかも知れません。そのあたりを確かめるためにも、『3199』には期待したいと思っています。

 とりあえず、来週は『2205』を改めて観ることになります。13年ぶりに買い換えて、一回りデカくなった液晶テレビで、かみさんと一緒に。




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