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雨を告げる漂流団地 [アニメーション]


 映画館とNetflixでの同時公開。
 映画館で観たかったのだけど、諸々の事情で配信での視聴となった。

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 まずは内容紹介。


 小学6年生の航祐(こうすけ)と夏芽(なつめ)は、同じ団地内で姉弟のように家族ぐるみで育ってきた幼馴染だ。
 しかし、航祐の祖父・安次の死をきっかけに2人の仲はギクシャクし始める。

 かつて2人が暮らし、思い出の詰まった団地は老朽化のため取り壊しが決まり、「おばけ団地」と呼ばれる ”廃墟” となっていた。
 夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに「おばけ団地」に忍び込む。そこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。

 その直後、「お化け団地」に入り込んでいた航祐と夏芽を含む6人のクラスメイトたちは、謎の現象に巻き込まれてしまう。

 彼らが見たのは「お化け団地」が海上を漂流している光景だった。波をちゃぷちゃぷかき分け、雲をすいすい追い抜いていく ”ひょっこりひょうたん島” 状態になっていて・・・。
 この例え、分からない人が多そうだなぁ(笑)。

 はじめてのサバイバル生活のなかで子どもたちは力を合わせ、もとの世界に戻るための旅に出る・・・


 航祐と夏芽を含む6人は同じ小学校に通う顔なじみなのだけど、そこに ”異分子” の存在が加わる。
 彼らの前に現れた7人目の小学生で、夏芽が ”のっぽくん” と呼ぶ少年だ。彼もまた、団地で暮らしていたのだというのだが、航祐には彼を見かけた記憶がない。いったい、何者なのか・・・?


 物語は、この7人だけのシーンが大半を占める。生き残るためのサバイバル場面と、”のっぽくん” の正体を巡る疑惑がストーリーの両輪になる。

 ラストでは彼の正体とともに、6人が放り込まれた ”漂流空間” の意味(映画の中で具体的な説明はないが、感覚としては理解できる)も明かされる。

 航祐と夏芽の間にあったわだかまりも消え、協調性に乏しかった6人も結束を高めていく。特に、序盤では頑なで一匹狼的だった航祐が、次第にリーダーとして行動するようになっていく変化は目覚ましい。

 過酷な経験を通し、それぞれがちょっとずつ成長した姿で ”元の世界” への帰還を果たす。このエンディングは必然かつ正解。ジュブナイル作品としては王道展開といえるだろう。


 ・・・なのだけど、終わってみて思った。2時間はちょっと長いかな、と。

 実際、途中で何回か時計を見たり、(配信だからできることだけど)残り時間を確認して「まだこんなに残ってるんだ」って思ったり。
 映画館で観ていたら、かなり辛かったのではないかと思う。

 大人がほとんど登場しないので、必然的に子どもたちだけで物語を回していくことになる。6人のこどもたちは一枚岩ではなく、他のメンバーに対して露骨に嫌悪感を表す者もいる。
 ”物語” である以上、波乱要素は必要で、ある意味 ”お約束の展開” だとわかってはいるのだけど、観ていてちょっとうんざりしなくもない。こどもたちだけだったら、こうなっちゃうよなぁ、と頭で分かってはいるのだが・・・

 ほとんどのシーンが団地の屋内(+屋上)なので、風景(背景)の変化が小さいのも、刺激が乏しい理由のひとつかな。
 そして、途中で(小さいイベントはちょこちょこ起こるものの)ストーリーを大きく動かすような転換点がないまま進んでいく。

 そんなこんなで、私には中盤部がいささか冗長に感じられた。

 ”のっぽくん” の正体についても、けっこう早めに見当がついてしまう。でもまあ、製作側もあえて隠そうとはしていないみたいだし。

 もう少し刈り込んで、90分くらいに収めた方が観やすい映画になったんじゃないか、とも思ったし、(”大人の事情” か何かで)もしも2時間という長さが必要なんだったら、何かプラスアルファの要素があったほうがよかったんじゃないかなぁ・・・とも思った。素人の浅知恵ですが・・・

 声優陣については、専業の人が起用されていて、各キャラクターの演技には全く不安を感じない。いわゆる「有名芸能人」を引っ張ってきていない点は好感がもてる。


 本作のターゲットは、どんな年齢層なんだろうって考えてしまった。主人公たちと同年代かちょっと上くらいの10代~20代かな。それとも、”12歳” という年齢にノスタルジーを感じるような、もっと上の世代かなぁ・・・。


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