東四柳心霊相談所 それ、霊のしわざですよ!? [読書・ファンタジー]
東四柳心霊相談所 それ、霊のしわざですよ!? (ポプラ文庫ピュアフル)
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2020/11/06
- メディア: 文庫
主人公は暴力団松岡組の構成員見習い・銀次。
ある日、兄貴分の沢田からの電話で昼寝からたたき起こされる。
彼の命令で近所の商店街に向かう銀次。
そこで彼が見たものは。松岡組と敵対する荒鷹組の連中が
ひとりの女子高生を拉致しようとしている現場。
荒鷹組の連中から女子高生を救った銀次は、
松岡組組長・源之助から直々に彼女のボディガードを命じられる。
彼女は源之助の「命の恩人」なのだという。
彼女の名は東四柳千早(ひがしよつやなぎ・ちはや)。
その日から、銀次は千早が家を出たときから帰宅して寝るまで、
つかず離れず警護する羽目になってしまうのだが・・・
ライトノベルであるから、登場する暴力団についても
エグい描写はない。(裏ではいろいろやってるんだろうが・・・)
主役である銀次も、でかい図体と腕っ節の強さで
見た目は迫力満点だが、性格はいたって素直でお人好し。
しかも「霊」とかのオカルト系の現象には全く耐性がなく、
ちょっとしたことで震え上がってしまう。
一方の千早だが、子どもの頃から「見える」体質だったようで
高校生となった今は「東四柳心霊相談所」なるものを開き、
「相談料500円、除霊3000円、交霊5000円」
というメニューで営業(笑)までしている。
この2人が遭遇した、「霊」がらみの不思議な事件を描いていく。
「第一話 押し入れの向こう側」
「第二話 古い写真の中のひと」
「第三話 足跡ふたつ」
オカルト風味の話なのだけど、その中で合理的な解釈も示される。
とくに第二話は ”日常の謎系ミステリ” としても面白い。
とはいっても、100%すべて説明がつくわけではなく、
程度の差はあれ、三話とも理屈では説明できない余地も残される。
千早は感情をあまり表さないクールな性格で
銀次のことも、最初はストーカーまがいの
鬱陶しい存在としか見ていなかったが、
ともに事件を解決していくうちに少しずつ心を開いていく。
千早を巡っては、松岡組や荒鷹組とは別の ”謎の一味” も登場するし
そのへんの伏線は全く回収されていないので、
続編の予定があるのかも知れない。
銀次にしても、あの性格では ”真っ当なヤクザ(笑)” には
とてもなれそうに思えない。
遅かれ早かれ、どこかで更生する道を選ぶように思うのだけど
それと千早がどう関わるのか、あるいは関わらないのか。
そのあたりも知りたいと思う。
2021-01-08 22:00
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コメント(4)
サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2021-01-27 00:00)
鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2021-01-27 00:00)
@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2021-01-27 00:00)
31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2021-01-27 00:01)