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ヴァイオレット・エヴァーガーデン (TVシリーズ) [アニメーション]

ちょっと前、Netflixに入った。
何でかというと、本を読むのにちょっと飽きてきたから、かな。


コロナ禍で家に籠もる時間が増えたので
もっぱら読書に充ててきたのだけど、考えてみたら
去年の今頃はけっこう映画館にも足を運んでいた。

ここらでちょっと、映像が見たいなあ・・・と思って。

Netflixを選んだのは、ネットでちょっと調べてみたら、
どうやら現在のところシェアが一番高そうだったからという
いたって単純な理由。

 Netflixオリジナルのアニメ作品があることと
 TV版「スタートレック」シリーズの全作品が見られることも
 選んだ理由のひとつだったりする。

月額料金はちょっと高めだけど、追加の課金なしに
全コンテンツが見られるのでいいかな、と。
まあ、コスパが悪いと思ったら解約すればいいので。

■ヴァイオレット・エヴァーガーデン

以前、このブログにこの作品を薦めるコメントを頂いたことを
思い出したので、見てみることにした。

不幸な事件で話題となってしまった京都アニメーション製作の
ファンタジー・アニメーション作品で、
先月(9月)からは映画版も公開されている。

この作品はまずTVシリーズが放映され、「外伝」映画が公開され、
そして現在の映画版は「完全新作」だというので、
見る順番はまずTVシリーズからだろうな、と思った。
見終わってみると、この流れでよかったようだ。
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■TVシリーズ第1話以前

本作の舞台は、20世紀初頭を思わせる世界。

大陸を二分する戦争のさなか、一人の少女が軍に拾われる。
親の顔も知らない孤児であった彼女は少年兵としての訓練を受け、
やがて、たった一人で一個分隊にも匹敵する戦闘力を身につける。

少女はギルベルト陸軍少佐にその身柄を預けられ、戦闘に加わる。
ギルベルトは ”戦争の道具” としての少女の能力を利用しつつも、
あくまで人間として扱おうとする。
名前すら無かった彼女に「ヴァイオレット」という名を与え、
文字も教え、やがて彼にとって少女は大切な存在となっていく。

しかし大戦最終盤の、ある要塞攻略戦において
二人はともに重傷を負い、離ればなれになってしまう。
別れ際、ギルベルトはヴァイオレットに対し「愛してる」
という言葉を残すが、彼女にはその意味が分からなかった。

 ここまでがTVシリーズ第1話以前の前振りだ。

■TVシリーズ序盤

戦闘によって両腕を失ったヴァイオレットは精巧な義手を身につけ、
ギルベルトの親友だったクラウディアに引き取られる。
息子を大戦で亡くしたエヴァーガーデン家が彼女の後見人となり、
ヴァイオレットは「エヴァーガーデン」という姓を名乗ることになる。

 彼女が装着する義手は21世紀の今日でも製造不可能な高度なもので、
 この世界の科学技術の進歩がかなり偏ったものであることがわかるが
 ここにツッコミを入れるのは野暮というものだろう。

ヴァイオレットは、クラウディアが経営するC.H郵便社にて、
”自動手記人形(ドール)” として代筆業に就く。

 この世界ではまだ文字の読み書きができない、
 あるいは苦手な人が多く、手紙の代筆が職業として成立している。
 代筆業務は「自動手記人形サービス」と呼ばれ、
 その仕事をする女性は ”ドール” と呼ばれている。
 なぜ ”人形” なのかは長くなるので書かないが、ちゃんと設定はある。

ヴァイオレットは、少年兵として戦闘に明け暮れた生い立ちのためか、
軍隊時代の習慣がとれず、誰に対しても敬語で話す。
当初は感情の起伏に乏しく、ほぼ無表情。というか
喜怒哀楽という人間の「感情」そのものを理解していない。そのため、
代筆を行っても依頼人の意に沿った手紙を書くことができない。

 感情の起伏に乏しくて人間離れした戦闘力、なんて書くと
 どこぞのパーフェクト・ソルジャーみたいだな、
 って思ったのはナイショだ(笑)。

■TVシリーズ中盤以降

そんなヴァイオレットだが、郵便社の ”同僚ドール” たちと過ごし、
さまざまな依頼人と出会い、彼ら彼女らの ”思い” に触れていくうちに
”感情” というものを少しずつ理解していくさまが綴られていく。

ヴァイオレットはギルベルトが残した「愛してる」という言葉の意味が
いつか理解できるようになることを願い、”ドール” の仕事を続けていく。

■ヴァイオレットの成長の物語として

特筆すべきはヒロイン・ヴァイオレットの造形だろう。

TVシリーズの序盤では、自分にかけられた言葉はすべて
「命令」と解釈したりと、まさに人形かロボットのように反応する。

他人の感情が理解できないので、”空気が読む” ことができない。
思ったことをそのまま口に出したり、
融通さも持ち合わせていないので、四角四面の対応をしたり。
それによってトラブルを引き起こすこともある。

しかしそれは一切の「忖度」をしない、ということであり
「嘘をつかない」ということでもある。
受けた仕事は必ず果たそうとする「使命感」も持っている。
それが伝わって、相手の心の中に入り込むきっかけとなることもある。

代筆の仕事を通じて「言葉の力」と、そこに込められた「感情」を
理解していき、「愛してる」の意味も少しずつ分かってくる。

しかし、ギルベルト少佐は最終話に至っても消息不明のままで、
彼の家族でさえも生存を諦めている。
しかしヴァイオレットは、ギルベルトとの再会を信じて生きていく・・・

というところでTVシリーズは終わる。

■TVシリーズを観終えて

京都アニメーションといえば、女性キャラの美しさは有名だが、
本作でもヴァイオレットをはじめとして
女性陣はみなきれいどころが揃っている(笑)。

特に第7話は素晴らしく、ヴァイオレットが湖面を渡る(?)シーンは
CGの効果も相まって、シリーズ中屈指の美しさだろう。

ストーリーもいい。

第5話は王族間の結婚問題を舞台にした華麗なるラブコメで、
ヴァイオレットの存在が一躍世に広まるきっかけとなった話。

上で書いた第7話も、娘を持つお父さんには刺さる話。
涙腺が緩んでしまった人も少なくないのではないか。

第10話も感涙モノで、この回をベストと押す人も多いだろう。

このように単独の話としても完成度が高いものが多い。
本作が人気が出て、映画化されたのもわかる。

■物語は「映画版」へと続く

現在(2020年10月)、「映画版」が公開されている。
封切りは9月なので、たぶんもうじき公開が終わってしまうだろう。
ということで、コロナ禍の中だけど映画館まで行くことにした。

「映画版」については、また稿を改めて書くことにする。


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はねゆき

mojoさん、こんばんは。
以前、本作品を薦めさせていただいた、はねゆきです。
ブログのタイトルをみて少しびっくりでした。
少々ビビりながら感想を拝見させていただきました。
気にいっていただけたようでほっとしました。
人に薦めたものがどう評価されるかというのは少しこわいものですね。
私も7話、10話は涙腺がゆるんでしかたなかったです。
劇場版でも最初に10話がらみの話が来たときはやっぱり「うるうる」と
きてしまいました。
私は子供ができてから涙腺がもろくなってしまいました。
50過ぎのおっさんがともおもうのですが・・・・・。
それではまたいい作品がありましたら、
またお邪魔させてください。

by はねゆき (2020-10-31 15:06) 

mojo

はねゆきさん、こんばんは。
お久しぶりでございます。

>気にいっていただけたようでほっとしました。

とても良い作品だったと思います。

>人に薦めたものがどう評価されるかというのは少しこわいものですね。

私もこのブログで小説についてあれこれ書いてますが
私のつける星の数に不満を感じる人もいるのだろうなぁ・・・
なんて思います。

 リメイクヤマトについて書いた記事で
 厳しいコメントをもらったこともありましたし(笑)。

人の価値観はそれぞれですから、
万人に受け入れられるモノは存在しませんよね。

>私も7話、10話は涙腺がゆるんでしかたなかったです。

事前にネットで「泣ける話」って噂を聞いてたので
それなりの心構えをして臨んだのですが
やっぱり目頭が熱くなりました・・・

>劇場版でも最初に10話がらみの話が来たときは

「TVシリーズ」を観ておいてよかったと思いました(笑)。

>私は子供ができてから涙腺がもろくなってしまいました。
>50過ぎのおっさんがともおもうのですが・・・・・。

私は還暦越えです(笑)。

映画館にも私と同世代と覚しき男性がけっこういたので
オタク世代は着実に増えていて、「アニメーション映画」が
しっかり市民権を得たのだなあ、としみじみ思いました。
良い時代になったものです(笑)。

>それではまたいい作品がありましたら、またお邪魔させてください。

お待ちしております。

素晴らしい作品を紹介していただき、ありがとうございました。

 「ヴァイオレットー」は、薦められていなかったら、
 おそらく観なかったであろう作品でしたから・・・

これからもよろしくお願いします。
それでは、また。

by mojo (2020-11-01 01:45) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-11-12 02:17) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-11-12 02:17) 

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