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誘拐サーカス -大神兄弟探偵社- [読書・冒険/サスペンス]

誘拐サーカス―大神兄弟探偵社―(新潮文庫)

誘拐サーカス―大神兄弟探偵社―(新潮文庫)

  • 作者: 里見 蘭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/06/24
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

特殊技能を持つ4人が活躍する「大神兄弟探偵社」シリーズ、第3巻。

探偵社主・大神鏡市は ”頭脳担当”、
その双子の弟・辰爾(たつじ)は ”人脈担当”。幅広い情報網を持ち、
車はもちろんヘリの操縦もこなす、探偵社の ”足” でもある。
雨宮黎(れい)は ”技術担当”。
手先が器用で、毛色の変わった武器を創り出す。
そして新参者の城戸友彦は ”体力担当”。
パルクールが得意な大学1年生で、肉体労働を受け持つ。

ある日、黎は真田蓮(れん)と名乗る私立探偵に呼び出される。
連は、自分が黎の父親なのだと言う。

19年前、地方の警備会社で働いていた漣は、
闇の世界で ”カゲロウ” と呼ばれる犯罪プランナーの陰謀に巻き込まれ、
殺人の罪を着せられて14年間服役していたのだという。
父子としてやり直せないかとの申し出を断り、蓮のもとを去る黎。

一方、資産家・白坂敏也の娘で、アイドル志望の高校生・香音(かのん)は
芸能プロダクション主催のオーディションに参加するため横浜へ向かうが
そこで消息を絶ってしまう。

探偵社を訪れた敏也は3000万円の現金を提示し、
香音を見つけ出すように依頼する。

ネットを駆使して捜索を開始した探偵社に、
香音を誘拐したと名乗るグループから連絡が入る。
3億円の身代金を持って、犯人の命令通りに
受け渡し場所への移動を開始した鏡市たちだが、
その途中で謎の集団の襲撃を受け、黎が拉致されてしまう・・・

単純な誘拐事件かと思われたが、途中から犯人側の意図が見えなくなり、
読む方も混乱しながらストーリーは進行する。

中盤当たりでようやく見通しがついてくるのだが
そこで見えてくるのは、かなりスケールの大きな陰謀であり
その黒幕として全てを仕切っている ”カゲロウ” だった。

終盤になると真田連も加わり、探偵社のメンバーは
敵の本拠地へ乗り込むのだが、ここで繰り広げられる戦闘は
ハリウッド映画さながらの派手さで、外連味もたっぷり。

迎え撃つ ”カゲロウ” は、二段三段の構えで余裕綽々。
憎々しいまでの悪役ぶりはたいしたもの。
リアリティを問われたらちょっと疑問符がつくが
フィクションと割り切れるなら、楽しい読書の時間を過ごせるだろう。

ラスト近くの、蓮と ”カゲロウ” の因縁の決着がやや呆気ないかなぁ。
もうちょっと書き込んでもいいんじゃないかと思った。
ここで満足できれば星半分追加したんだけどね。

今回の事件では、4人ともかなり限界まで振り切った活躍をしたせいか
結末では、探偵社はしばらく休業になりそうな描写がある。

原則として一話完結方式で、その気になればいくらでも続けられるのだが
4巻目以降は未完なので、ここで終わりなのかも知れない。

続きが出れば読みたいと思うシリーズなので、
いつになるか分からないが再開するといいなあ。


nice!(4)  コメント(4) 
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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-11-12 02:14) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-11-12 02:14) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-11-12 02:14) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-11-12 02:15) 

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