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暗殺者ソラ -大神兄弟探偵社- [読書・冒険/サスペンス]

暗殺者ソラ―大神兄弟探偵社―(新潮文庫)

暗殺者ソラ―大神兄弟探偵社―(新潮文庫)

  • 作者: 里見 蘭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/10/23
  • メディア: 文庫
評価:★★★

特殊技能を持つ4人が活躍する「大神兄弟探偵社」シリーズ、第2巻。

探偵社主・大神鏡市は ”頭脳担当”、
その双子の弟・辰爾(たつじ)は ”人脈担当”。幅広い情報網を持ち、
車はもちろんヘリの操縦もこなす、探偵社の ”足” でもある。
雨宮黎(れい)は ”技術担当”。
手先が器用で、毛色の変わった武器を創り出す。
そして新参者の城戸友彦は ”体力担当”。
パルクールが得意な大学1年生で、肉体労働を受け持つ。

探偵社を訪れたのは佐保(さほ)アスカと名乗る少女だった。
依頼内容は、失踪した兄・裕輔を探し出すこと。

裕輔はD大学の流体エネルギー工学研究室の院生で、
もう一人の院生・新藤鉄(てつ)も、
裕輔が失踪する前の晩から行方不明になっていた。

D大の流体エネルギー工学研究室は、メタンハイドレート開発で
経済産業省所轄のJENRA(エネルギー資源開発機構)に協力していた。
そしてそのJENRAでも1人の職員が消息を絶っており、
その背後には中国人の女性スパイの存在が疑われていた。

鏡市たちは、裕輔が失踪前に言い残したという ”シマケバラ” なる
謎の言葉を手がかりに捜索を開始するが、
彼らの前に謎の暗殺者・ソラが立ちはだかる。

鏡市に依頼されて中国人スパイの正体を追っていた
週刊誌記者・沢木は殺され、
辰爾もまた敵の手に落ちて絶体絶命の危機に陥る・・・

護城雅実(もりき・まさみ)なる人物から指令を受け、
”シマケバラ” 守護のために非情な殺害を続けるソラ。

護城もソラも性別・年齢ともに不詳で、2人の正体を巡る謎が
本書のミステリ的な部分なのだが、
そういう目で見ると、登場人物ほとんどすべてが
怪しく見えてくるのは、作者の描き方がうまいのだろう。

とは言っても、全体としてはスパイ・スリラーとしての雰囲気が強い。
終盤の山荘における戦闘シーンはアクションものとしても
よくできていると思うけど、その反面、
全体としてミステリ風味は前作よりかなり薄いように感じる。

ラスト近くでは、鏡市と辰爾の祖母である大神比佐にも見せ場がある。
さすがはこの双子を育て上げたおばあちゃんだと納得。

鏡市の戦友的存在である、警視庁の鈴代響(すずしろ・ひびき)管理官も
要所で顔を出して物語を固める。
鏡市と男女の関係にはなりそうもないが、
いつそうなってもおかしくないようにも見える。
この二人の行く末も見てみたいものだ。


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コメント 3

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-10-31 03:33) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-10-31 03:34) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-10-31 03:34) 

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