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死香探偵 哀しき死たちは儚く香る [読書・ミステリ]


死香探偵-哀しき死たちは儚く香る (中公文庫)

死香探偵-哀しき死たちは儚く香る (中公文庫)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/03/19
  • メディア: 文庫
評価:★★☆

主人公・桜庭潤平は、特殊清掃員として働いているうちに
遺体の放つ屍臭を「いやな臭い」ではなく「食べ物の香り」に
感じるような特殊体質になってしまう。
ちなみに特殊清掃とは、孤独死した住人の部屋を、
腐乱した遺体を含めてきれいに ”清掃” すること。
東京科学大学の薬学部准教授・風間由人(よしひと)は
潤平の特殊能力に気づき、彼を助手として採用する。
この二人組が殺人事件の真相に迫っていく連作短編集、その第3弾。

「第一話 増殖する死は、人知れず香る」
潤平は、風間の大学で4件の遺体発見現場から採集した空気中の
死香の ”鑑定” をすることになった。
その結果、2件のサンプルにはそれぞれ2種類の死香が含まれ、
しかもどちらにも同じ死香が含まれていることが判明する。
2件の遺体発見現場は近く、時期も4日しか離れていない。
風間は連続殺人の可能性を疑うが・・・

「第二話 水辺に揺蕩(たゆた)う死は、野性的な香り」
多摩川の河川敷で、男性の足首が発見される。
警察による捜査が進む中、潤平も自ら遺体の捜索に乗り出す。
自転車で堤防沿いに川を遡っていった彼は、男性の頭部を発見したが。

「第三話 病床の死を包む、金木犀(キンモクセイ)の香り」
菅谷史博(ふみひろ)は夜道で暴漢に襲われ、脳に大きなダメージを負い
意識不明のまま人工呼吸器をつけた植物状態となった。
しかし何者かが病院に侵入して人工呼吸器を停止、史博は死に至る。
潤平が強い死香を感じ取ったのは、史博の父・浩太郎と
弟・智則の二人からだったが・・・

「第四話 死を司る悪意は、妖しく香る」
潤平の住むアパートに、差出人不明の郵便物が届く。
大学で調べたところ、中身はGPS発信器であることが判明する。
何者かが潤平の死香感知能力を狙っているとみて、
風間は潤平にホテルへの避難を命じる。
しかし、気が緩んで外出してしまった潤平は、
何者かに謎の液体を吹きかけられ、嗅覚を失ってしまう・・・


”死香” という架空の存在を推理の根底に据えるというシリーズなので
厳密な意味でのミステリという雰囲気は薄いかな。

本書の中では、「第三話」がいちばんミステリらしいと思う。
「第一話」の複数の死香の謎も、なるほどそういう使い方もありか。
「第四話」の最後のオチに「それはないよ」とも思ったが。

しかし、風間と潤平の間の疑似BL臭はどんどん強くなってきたなあ。
これ以上進んだら、ちょっとついていけないかも(笑)。

nice!(4)  コメント(4) 
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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-06-04 00:06) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-06-04 00:06) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-06-04 00:07) 

mojo

mwainfoさん、はじめまして。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-06-07 23:45) 

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