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群青のカノン / 薫風のカノン [読書・ミステリ]


群青のカノン: 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2 (光文社文庫)

群青のカノン: 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2 (光文社文庫)

  • 作者: 和代, 福田
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 文庫
薫風のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート 3 (光文社キャラクター文庫)

薫風のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート 3 (光文社キャラクター文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: 文庫
評価:★★★

ヒロインの鳴瀬佳音(かのん)は、
音楽大学を卒業後、好きな音楽を続けるために
航空自衛隊に入隊、中央音楽隊のアルトサックス奏者となった。

ちょっぴりドジっ娘でトラブルメーカーだが憎めないキャラで、
毎日の練習に励み、演奏会に臨む日々を送っている。
そんな彼女の周囲に起こる様々な ”事件” と、
その背後に潜む "謎" を描いた連作短編集「碧空のカノン」の続編だ。

「群青のカノン-」(2巻目)
 「希望の空」
 「恋するダルマ」
 「ナンバーワン・カレー ー吉川美希の場合」
 「行きゅんな加那」
 「恋するフォーチュンクッキー ー松尾光の場合」
 「ラ・フィエスタ」

「薫風のカノン」(3巻目/完結編)
 「サクソフォン協奏曲」
 「ルージュの伝言」
 「ゲット・イット・オン ー室郁子の場合」
 「空みあげて」
 「星に願いを ー土肥諒子の場合」
 「インディペンデンス・デイ」

前作「碧空ー」の記事でも書いたけど、いわゆる
"日常の謎" 系ミステリなのだが全体的にミステリっぽさは希薄。
どちらかというと自衛隊と音楽を絡めた "人情噺" という趣。
自衛隊の、しかも ”音楽隊” という、
特殊な職場における "お仕事小説" でもある。
主人公を始め、女性キャラも多く登場するので
「女性のワークライフバランス」というテーマも見え隠れする。

 作中、「~の場合」と題されているのは、
 それぞれのサブキャラを主役にした短篇。
 佳音以外の音楽隊のメンバーも個性的で楽しい人たちばかり。
 みなキャラが見事に立っているので、こういう短篇が成立する。
 作者がメインキャラ以外の脇役たちにも
 愛情を注いで描いているのがうかがえる。

そして、それと並行して描かれるのが主人公・佳音をめぐるラブコメ。
彼女は、高校の同級生で今は同じ音楽隊メンバーになっている
渡来(わたらい)俊彦から好意を寄せられていても、全く気づかない。

彼が佳音に寄せる好意は、周囲の人々ほぼ全員が知っているのに、
肝心の佳音本人だけが気づかないという、まあお約束の展開ではある。

2巻目の「群青ー」では、後輩もできて
ちょっぴり頼もしくなった佳音の日常が描かれる。
一方、沖縄県の那覇基地にある南西航空音楽隊へ転属となった渡会には
同隊の女性隊員が熱を上げ、佳音に対して一方的にライバル宣言をする。
一方、佳音の方にも彼女を慕う後輩男子が現れ、
彼女を巡る恋愛模様は ”三つ巴” ならぬ ”四つ巴” の様相を呈していく。

3巻目の「薫風ー」では、さすがの佳音も渡会の感情に気づくのだが
彼との関係に結論を出すことができず、ぐずぐずと時間だけ経っていく。
そんな二人を見かねた周囲の音楽隊員たちがひと肌脱ぐのが
最終話「インディペンデンス・デイ」。
高校時代から数えれば10年以上のつきあいとなる二人の仲も、
ここにめでたく大団円を迎える。

いやあ、こんな長きにわたって一途な愛を貫いた渡会くんは素晴らしい。

作者は巻末の「あとがき」で、スピンオフの可能性に言及してるけど
ぜひ、実現してほしいなあ。音楽隊の皆さんにまた会いたい。

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mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-06-04 00:05) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-06-04 00:05) 

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