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スキュラ&カリュブディス 死の口吻 [読書・その他]


スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫)

スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫)

  • 作者: 相沢 沙呼
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/03/27
  • メディア: 文庫
評価:★★

変わったタイトルだけど「スキュラ」も「カリュブディス」も
どちらもギリシア神話に登場する怪物の名。

 wikiによると、英語には「スキュラとカリュブディスの間(あいだ)」
 という言葉がある。「進退窮まった状況」という意味で
 「前門の虎、後門の狼」と同義語なんだそうだ。


街では、若い女性の変死事件が相次いでいた。
狼に食いちぎられたような凄惨な遺体を残して。
同じ頃、”プーキー” と呼ばれる麻薬も広まっていた。

主人公は、此花(このはな)ねむりという女子高生。
外国人の血を引き、人形のような整った顔立ちをもつ金髪の少女だ。
(文庫版表紙のイラストが彼女)
なぜか自ら死を求めて、夜の巷を彷徨する日々を送っている。

彼女のクラスメイトの鈴原楓は、
些細なことからねむりと言葉を交わすようになる。
家庭内不和を抱える楓は次第にゆかりと親しくなっていくが、
それによって彼女もまた事件に巻き込まれていく。

変死事件を調べている探偵・雪紫(すすぎ・ゆかり)は、
楓の同級生の戸塚裕一郎に接触する。
一方、ねむりは ”プーキー” の流通を握っていると思われる
少女・瀬崎秋架(しゅうか)の行方を追う。

やがて明らかになるのは ”プーキー” の意外な成分、
そしてねむりの正体は・・・


文庫本裏表紙の惹句には「背徳の新伝奇ミステリ」とある。

性(エロス)と死(タナトス)が表裏一体であるように、
死が横溢する本作の中にも、エロティックなシーン、描写が多々ある。
今までこの作者が書いてきた路線とは毛色の異なる作品なのは間違いない。

でも、「ミステリ」と銘打つのは如何なものかとは思う。
ラストで明らかになる事実のいくつかはミステリ的ではあるけれど
それがメインではないから。

「伝奇ホラー」というのが一番ぴったりくるかな。
今は亡きSF作家・平井和正の某シリーズを彷彿させるものもある。

ただ、私はこの手の話(ホラー系)は苦手。
星の数が少ないのもそれが理由。

だけど、ヒロインの此花ねむりさんの行方は気になる。
本作で全ての謎が語られたわけでもないし、
もし続きがあるのなら、読んでみたいなとは思う。
でもまあ、本書が出て6年くらい経ってるので、続編はナシ、かな。

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mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-28 01:52) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-28 01:52) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-28 01:52) 

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