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九人と死で十人だ [読書・ミステリ]


九人と死で十人だ (創元推理文庫)

九人と死で十人だ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/07/30
  • メディア: 文庫
評価:★★★

第二次世界大戦初期、ニューヨークの埠頭から
豪華客船エドワーディック号が出港した。
軍需物資をイギリスに輸送するため、一般客は乗せないはずだったが
なぜかそこには9人の乗客の姿があった。

レジナルド・アーチャー医師、フランス軍人ピエール・ブノワ、
謎めいた若い女性ヴァレリー・チャトフォード、
実業家のジョージ・フーパー、貴族の息子ジェローム・ケンワージー、
ジョン・ラスロップ地方検事補、元新聞記者マックス・マシューズ、
トルコ外交官の元夫人エステル・ジア・ベイ、そして・・・

出港して2日目の夜、エステルが客室で他殺体となって発見される。
喉を掻き切られた死体には、血まみれの指紋が残っていた。
全乗客・全乗組員の指紋を採取して調べたものの、該当者はいない。

さらに、ピエール・ブノワが海に落ちて行方不明となる。
目撃者によると、ブノワは落下する直前に
後頭部を何者かに撃たれたのだという・・・


だいたいこの手の作品では、乗組員たちはその他大勢の扱いなんだけど
エドワーディック号の船長フランシスがマックスの兄だったり、
上級スタッフの中に指紋認証を扱える者がいたりと
けっこう本筋に絡んでくる。
ちょっとご都合主義な感じもしなくもないが
そこは拘るところじゃないよね。


典型的なクローズト・サークルに加え、
積んでいる軍需物資の中には爆薬もあり、
さらにドイツ軍潜水艦が出没する海域を通過するために
夜間は灯火管制をしつつ進むという、なかなかのサスペンス状態。

いちばんの謎はやっぱり指紋なんだろうと思うが、
ラスト近くで明かされるトリックは「え? それでいいの?」
いやあ、これで誤魔化されてしまうんですかねえ?
いくら80年前とはいっても、これはないんじゃないかなぁ・・・

・・・と思っていたら、もう一つ ”大技” が隠れていました。
うーん、こっちも苦しいような気もするんだけど
こういう極限状態ならアリなのかなぁ・・・?

まぁ、こういうところを気にしなければ(笑)、
ディクスン・カー(本書はカーター・ディクスン名義だけど)特有の
いつもの雰囲気が味わえる。

彼の作品では半ばお約束でもある、
ロマンス要素もいい味付けになってるんだけど
最後の一行まで読んで思ったことは
「あんたら、いつのまにそんなに仲良くなってたの?」(爆)

nice!(4)  コメント(4) 
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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-14 00:27) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-14 00:28) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-14 00:28) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-05-14 00:28) 

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