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宇宙軍士官学校 -攻勢偵察部隊- 1 [読書・SF]


宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊― 1 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊― 1 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/07/31
  • メディア:文庫
大河ミリタリーSF「宇宙軍士官学校」シリーズ、第二部開幕。

有坂恵一少将をはじめとする宇宙軍士官学校の1期生たちが率いる
地球軍独立艦隊は、多大な犠牲を払いながらも
〈粛正者〉の猛攻から太陽系を守り抜いた、

太陽系防衛戦を経験した ”銀河文明評議会” は
〈粛正者〉との戦いの方針を防御から攻勢へと転換し、
3つの長距離偵察戦闘艦隊を編成する。

その一つ、第2艦隊司令官に任命された恵一は、
新たな訓練に臨む。すなわち、〈粛正者〉の戦闘艦に偽装した
新型艦に搭乗して、敵地への潜入を図るというもの。

本書の前半は、その訓練の模様が描かれる。
第1艦隊、第3艦隊の司令官は地球人ではない他種族であり、
価値観や個性も異なってそれぞれの思惑で訓練に臨んでいく。

いつもながらこのあたりの書き分けは上手いと思う。
人類とは違うのはもちろんだが、基本的にはみなヒューマノイドなので
あまり懸け離れたものにしてしまうと嘘っぽくなってしまう。
第一部での異星人の描写でも感じたが、そのあたりの案配もいい。
逆に、他の異星人が恵一たちの影響で変わっていく描写もあったりして
このあたりも楽しい。


後半では、地球に残ったメンバーたちの物語。

機動戦闘艇のエースパイロットから、戦闘艇部隊の司令官になった
リー大佐は、宇宙軍士官学校の校長へと転じて
後続の士官たちの育成に携わっている。
ウィリアム中尉も教務主任となって、訓練生の指導に当たっている。

訓練生総代であるクリストファーは、トップの成績を誇り、
そのために ”天狗” になってしまう。
このあたりは第一部を思い出してしまう。

1期生たちの場合は、指導してくれる地球人がいなかったわけで
ある程度の試行錯誤を経て成長していったわけだが
いまでは、戦闘経験豊富な先輩がいる。

リー大佐がクリストファーに ”教育的指導” を与えるあたりを読んでると
彼は成長したなあって思う。第一部での高慢ぶりが嘘のようだ(笑)。
地位は人を作る、ってことですかね。

訓練生たちに舐められていたウィリアムだが、
休暇で太陽系へ帰ってきたエミリーと組んで
訓練生たちと40対2というハンデを背負って
戦闘シミュレーションに臨むところも痛快。
文字通りの ”歴戦の猛者” ぶりを見せつける。

今回もエミリーは可愛いなあ。
ほんとこの二人、最後まで生き残ってほしい。


さて、恵一たち長距離偵察戦闘艦隊の活躍は次巻から本番になるみたい。
戦いの舞台は、なんと250万光年の彼方へと移る。
〈粛正者〉の支配するアンドロメダ銀河だ。

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mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-04 10:16) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-04 10:16) 

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