SSブログ

四つの凶器 [読書・ミステリ]


四つの凶器 (創元推理文庫)

四つの凶器 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: 文庫
評価:★★★

パリの予審判事アンリ・バンコランを探偵役とする作品の
5作目にして、彼の登場する最後の作品。


ロンドンの若手弁護士リチャード・カーティスは、
依頼人ラルフ・ダグラスに呼ばれてパリへやってきた。
社長令嬢マグダ・トラーとの結婚を控えたラルフは
元愛人だった高級娼婦ローズとの仲を精算しようとしていたのだ。

しかしラルフと共にローズの邸宅を訪れたリチャードが見たものは
ベッドに横たわった彼女の死体だった。

そしてその現場には拳銃、カミソリ、睡眠薬、そしてナイフと
4つの凶器が残されていた。

ラルフをはじめ、浮上する容疑者にはみなアリバイがあった。
難航する捜査を指揮するのは、引退した元予審判事アンリ・バンコラン。

いくら有能とはいえ、引退した人物がそう簡単に
捜査の指揮なんかさせてもらえるのかとか思ったけど、
そこはツッコミどころじゃないんだろうね(笑)。

そのバンコラン氏、そんなにお年を召しているわけじゃないと
思うのだけど、いままでの4作とはずいぶん雰囲気が違う。
悠々自適の生活をしているせいか、ずいぶん丸くなったようで
意地の悪さ(笑)がちょっと薄れたかな。


先月読んだ「白い僧院の殺人」でもそうだったけど
犯行のあった夜の関係者たちの動きを解明していくことで
ローズの家に4つの凶器が集まってくる過程、
そして真相が浮かびかがってくる。

解説にもあるけど、たしかに偶然に頼る部分も多々ある。
物事が分単位で推移していくので、
どこかで数分ずれたら破綻しそうなんだが
それくらいのちょいとした無理を通せば、
魅力的な舞台と謎が成立するんだから許容範囲のうちだと思う。


カーの作品につきもののロマンス要素だけど、
今回はなさそうかなぁ・・・と思ってたら
中盤からだんだん盛り上がってきたましたね。
ただ、ラブコメ的な雰囲気はほとんどないのがちょい残念。

nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:

nice! 4

コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-01 23:08) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-01 23:08) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-01 23:09) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-04-09 23:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント