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ベスト本格ミステリTOP5 短編傑作選003 [読書・ミステリ]


ベスト本格ミステリ TOP5  短編傑作選003 (講談社文庫)

ベスト本格ミステリ TOP5 短編傑作選003 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/16
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

本格ミステリ作家クラブが編集するところの
「本格短編ベストセレクション」シリーズ第3弾。
ノベルスで刊行された2017年版から、更に絞った5作を収録してる。

「何かが足りない方程式」天野暁月
推理作家の浅野克樹(かつき)は、叔母の長野鄕美(さとみ)とともに
和歌山県のリゾートホテルに滞在していた。
そのホテルでグラビアアイドルの本宮渚が殺害される。
4人の容疑者が浮かぶが、みな確固たるアリバイがあった。
郷美の知人である私立探偵・丹町亀弥(たんちょう・かめや)は
犯人の条件を列挙し、それに基づいて意外な人物を指名する。
真犯人の ”真の狙い” が明らかになると、さすがに驚かされる。
非常に論理的にできているんだけど、ちょっと込み入っているので
私は二度読まないと理解できなかったよ(笑)。

「早朝始発の殺風景」青崎有吾
高校生の加藤木(かとうぎ)は、”ある理由” から始発電車に乗った。
しかしそこには既に、彼のクラスメイトの女子・殺風景がいた。
(ちなみに彼女の姓が「殺風景」なのだそうな。)
彼女もまた、彼女なりの ”理由” があって始発電車に乗ったらしい。
二人は会話を交わしながら、お互いの ”理由” を探り合う。
それぞれが仮説を立てては崩しながら、
相手の抱える事情に迫っていくのだが・・・
こんなシチュエーションでも一編のミステリに仕立ててしまうのは流石。

「もう誰も使わない」西澤保彦
連続殺人事件が発生するが、いずれも現場には
女物のショルダーバッグが残され、
被害者はそのストラップで絞殺されていた。
被害者たちをつなぐミッシングリンクと、犯行に至る動機が意外。

「極彩色を越えて」似鳥鶏
主人公は画廊経営者の息子で、画家を目指す高校生・緑川礼(れい)。
「御子柴現代美術館」で〈真贋展〉(真作と贋作を並べて展示する)が
開催されることになり、礼くんも父の手伝いで駆り出されていた。
しかし展示室の床にペンキがぶちまけられ、
さらに異臭が発生するという騒ぎが起こり、それに紛れて
画壇の大御所・大園菊子の作品が損壊されるという事件が発生する。
しかしその作品に近づくには、床のペンキの上を歩かなければならない。
”ペンキの密室” による不可能犯罪だが、礼は、同じ美術部員の
千坂桜(ちさか・さくら)の行動を見ていて事件の謎を解く糸口をつかむ。
解決した後にもう一ひねりあって、芸術の世界はいろいろと奥深い(笑)。
普段から人付き合いが不得手で、絵に熱中すると
周囲が見えなくなってしまうという桜さんのキャラが面白い。
礼くんと桜さんの話をもっと読んでみたくなった。

「交換日記」葉真中顕
新米刑事の日下凛子(くさか・りんこ)は、
先輩刑事の上原佑司(既婚)へ思いを寄せるようになっていた。
そんなとき、小学6年生の江川瑠美が殺害される。
捜査は難航し、容疑者がひとりも浮かんでこない。
唯一の手がかりと思われるのは、瑠美が誰かと交換日記をしていたこと。
彼女はその相手を誰にも告げず、秘密にしていた・・・
ラストで明らかになる真相には、びっくりを通り越して感心した。
いやあ、見事に騙されてしまいました。天晴れです。

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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-02-24 00:09) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-02-24 00:09) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-02-24 00:09) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-02-26 00:57) 

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