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天冥の標IX ヒトであるヒトとないヒトと [読書・SF]


天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)

天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)

  • 作者: 小川 一水
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/12/18
  • メディア: 文庫
天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 小川 一水
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/10/31
  • メディア:文庫
大河SF「天冥の標」シリーズ、第9部。

西暦2804年、”メニー・メニー・シープ”(MMS) を巡って、
”非染者” であるMMS新政府と《救世群》は死闘を続けていた。

一方、”世界” の外へ出たカドムたちは、
”倫理兵器” の激しい攻撃にさらされながらも
シェパード号を発見し、ラゴスの記憶を取り戻すことに成功する。
そして、MMS成立の秘密を知る。

さらに、異星人カルミアンから、驚くべき事実を聞かされる。
途方もないエネルギーを秘めた ”ドロテア動力炉” を手に入れた
《救世群》は、その力によって300年の間MMSを移動させ続け、
今まさにふたご座ミュー星へと到着しようとしていること、
目的地は、そこにあるカルミアンの母星であること、
そして母星近傍には、異星人の集合体である
超銀河団諸族の巨大艦隊が集結し、カルミアンと対峙していること。

 ちなみにwikiによると、ふたご座ミュー星は
 太陽系から約230光年の距離である。
 第7部(西暦2500年頃)の段階で、
 人類はまだ超光速航法を手にしていないので
 この距離を300年で移動しているというのは
 亜光速の移動によるウラシマ効果でMMS内の時間の進みが遅れている
 (太陽系では300年以上経っている)のか、
 それともミスチフによるオーバーテクノロジーのせい
 (太陽系での時間経過と一致する)なのかは
 明言されてないのだけど、読んでるかぎり後者のように感じる。

さらに後方からは、《救世群》を追撃・殲滅するために太陽系を出発した
総計500億隻に及ぶ〈二惑星連合軍〉艦隊も迫ってきている。

異星人の強大な宇宙艦隊に向けて刻一刻と接近していくMMS。
”非染者” と《救世群》、合わせて200万の人間の生死がかかる危機を
乗り越えるためには、まず人間同士の戦いを終わらせなければならない。

”非染者” との融和を目指すイサリは、
《救世群》の本拠地ハニカムへ潜入するが、
彼女はそこで意外な人物の助力を得ることになる・・・


第1巻の時から疑問だったのは植民星MMSがどこにあるのか、だった。
それは第7部で明らかになったが、
MMS自体が移動しているのではないか、というのは
いままでの物語のあちこちで示唆されていた。

第9部に至り、この物語は、単に ”非染者” と《救世群》の
平和共存が果たされて終わるのではなく、人類・カルミアン以外の
多数の異星人をも巻き込む、さらに大きな局面が待っていたことが
明らかになった。

いち植民星の内乱から始まった物語が
どんどんスケールアップして、ついには銀河的規模へ。

SFを読むことの楽しさを味わわせてくれたこのシリーズも、
ついに次の第10部「青葉よ、豊かなれ」で完結である。
既に読了しているので、こちらの記事も近日中にはアップする予定。

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mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-02-17 23:18) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-02-17 23:18) 

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