SSブログ

狩人の悪夢 [読書・ミステリ]


狩人の悪夢 (角川文庫)

狩人の悪夢 (角川文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: 文庫
評価:★★★★

臨床犯罪学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖が活躍する
<作家アリス>シリーズの一編。
今回は「鍵のかかった男」に続く長編だ。

出版社の企画で、有栖川有栖は
ホラー作家の白布施正都(しらふせ・まさと)と対談する。

白布施は、代表作『ナイトメア・ライジング』が
ハリウッドで映画化されることが決まるなど
<日本のスティーヴン・キング>とも呼ばれるベストセラー作家だ。

対談の席で、有栖は白布施の自宅「夢守荘」に招かれることになる。
そこは京都郊外の森林地帯にある一軒家だ。

しかし到着した翌日、「夢守荘」近くの空き家で
沖田依子という女性の他殺死体が発見される。
そこは白布施のアシスタントをしていた青年・渡瀬信也が
住んでいた家で、彼は2年前に心筋梗塞で早世していた。

女性の死体は、首を一本の矢に貫かれ、
しかも右手首から先が切断されていた。
さらに近くの廃屋からは男の死体が発見される。
その左手首もまた、切断されていた・・・


登場人物はさほど多くないので、容疑者はかなり絞られる。
しかしながら、あからさまに怪しい人物もまたいない。
まあそのへんはミステリなら当たり前なんだけど、
その中から真犯人を見つけ出す火村の推理は今回も切れがいい。

得られた物証、犯行時の気象を含めた周囲の状況、人々の動きを材料に
依子の手首切断という一点から推論を組み始め、
そこから当日夜の犯人の行動をするすると導き出してしまう流れは
いつもながら素晴らしい。流石は有栖川有栖。

文庫で460ページとやや厚めなのだけど
事件発生以前から解決まで、その途中経過を
退屈させずに読ませるのは、いつもながらたいしたものだ。

火村の推理が完成するのは380ページあたり。
その瞬間に火村が発する台詞には、思わず「え?」
すっかり ”騙されて” しまいましたよ(笑)。

nice!(6)  コメント(6) 
共通テーマ:

nice! 6

コメント 6

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-08 23:56) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-08 23:56) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-08 23:57) 

mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-08 23:57) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-08 23:57) 

mojo

ピストンさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-10 22:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント