名探偵・森江春策 [読書・ミステリ]
タイトル通り、名探偵・森江春策の年代記形式で綴られた短編集。
少年期から現在の中年(?)まで、時代順に5編収録。
少年期から現在の中年(?)まで、時代順に5編収録。
「少年は探偵を夢見る」
小学5年生の春策少年は、市立図書館へ行った帰りに
高架電車の窓から見えた洋館に興味を覚え、見知らぬ駅で下車する。
江戸川乱歩の《少年探偵団》シリーズを彷彿とさせる文体で
謎の館で起こる不思議な事件が語られる。ラストも幻想的な終わり方。
私もポプラ社刊行の同シリーズに熱狂した世代なので楽しんで読めた。
小学5年生の春策少年は、市立図書館へ行った帰りに
高架電車の窓から見えた洋館に興味を覚え、見知らぬ駅で下車する。
江戸川乱歩の《少年探偵団》シリーズを彷彿とさせる文体で
謎の館で起こる不思議な事件が語られる。ラストも幻想的な終わり方。
私もポプラ社刊行の同シリーズに熱狂した世代なので楽しんで読めた。
「幽鬼魔荘殺人事件と13号室の謎」
森江家で家の建て直しが始まったため、中学3年生で受験を控えた
春策くんは、勉強のために臨時にアパートで一人暮らしを始める。
しかし、彼が引っ越してきた雪間荘で殺人事件が起こる。
さらに、このアパートには存在しないはずの ”13号室” が
出現したり、消滅したり・・・の謎も描かれる。
歌野晶午の「長い家の殺人」をちょっと思い出したよ。
あれとは違うネタだけど、こちらも良くできてる。
まあ、実際にこれで勘違いする人がいるかどうかはちょっと疑問かな。
森江家で家の建て直しが始まったため、中学3年生で受験を控えた
春策くんは、勉強のために臨時にアパートで一人暮らしを始める。
しかし、彼が引っ越してきた雪間荘で殺人事件が起こる。
さらに、このアパートには存在しないはずの ”13号室” が
出現したり、消滅したり・・・の謎も描かれる。
歌野晶午の「長い家の殺人」をちょっと思い出したよ。
あれとは違うネタだけど、こちらも良くできてる。
まあ、実際にこれで勘違いする人がいるかどうかはちょっと疑問かな。
「滝警部補自身の事件」
大学生の森江春策は、友人から下宿館で起こった
学生の自殺についての話を聞かされる。
同じ頃、後に森江春策シリーズに登場する滝警部(このころは警部補)が
自殺と思われる事件の捜査を始めていた。
この2つの事件が並行して語られ、最後に収斂していく。
時系列としては、作者のデビュー作「殺人喜劇の13人」の
直前の話になるらしい。
大学生の森江春策は、友人から下宿館で起こった
学生の自殺についての話を聞かされる。
同じ頃、後に森江春策シリーズに登場する滝警部(このころは警部補)が
自殺と思われる事件の捜査を始めていた。
この2つの事件が並行して語られ、最後に収斂していく。
時系列としては、作者のデビュー作「殺人喜劇の13人」の
直前の話になるらしい。
「街角の断頭台(キロチン)」
文化関係の ”ごろつき” として悪名高い久留島泰治が、
廃墟になったホテルで生首となって発見される。
見つけたのは、彼が行きつけのバー《ファントマ》の常連たち。
たまたまその中にいたのが、新聞の文化部記者となっていた森江春策。
「あとがき」によると作者は、横溝正史が後期に書いていた
都会を舞台にしたスリラーっぽいものを目指したらしいけど、
なかなかそれらしい雰囲気を醸し出してると思う。
ラストで明かされるトリックはかなりエグいけど、
この作品の中でなら許されるかな。
文化関係の ”ごろつき” として悪名高い久留島泰治が、
廃墟になったホテルで生首となって発見される。
見つけたのは、彼が行きつけのバー《ファントマ》の常連たち。
たまたまその中にいたのが、新聞の文化部記者となっていた森江春策。
「あとがき」によると作者は、横溝正史が後期に書いていた
都会を舞台にしたスリラーっぽいものを目指したらしいけど、
なかなかそれらしい雰囲気を醸し出してると思う。
ラストで明かされるトリックはかなりエグいけど、
この作品の中でなら許されるかな。
「時空を征服した男」
弁護士兼私立探偵となった森江春策と、
その秘書兼助手の新島ともか嬢のもとへ訪れたのは
友人の新聞記者・来崎四郎と、滝儀一警部。
語り合ううちに、彼らがかつて遭遇した事件
(本書収録の「少年は-」から「街角のー」までの4編)
には、解けない ”謎” が残っていることに気づく。
そこへ突然現れた第5の人物は、
自らが「タイムマシンを発明した」と豪語する。
やがて起こった殺人事件では、容疑者には鉄壁のアリバイがあった。
まさにタイムマシンでもないと不可能な犯行だと思われたが・・・
弁護士兼私立探偵となった森江春策と、
その秘書兼助手の新島ともか嬢のもとへ訪れたのは
友人の新聞記者・来崎四郎と、滝儀一警部。
語り合ううちに、彼らがかつて遭遇した事件
(本書収録の「少年は-」から「街角のー」までの4編)
には、解けない ”謎” が残っていることに気づく。
そこへ突然現れた第5の人物は、
自らが「タイムマシンを発明した」と豪語する。
やがて起こった殺人事件では、容疑者には鉄壁のアリバイがあった。
まさにタイムマシンでもないと不可能な犯行だと思われたが・・・
連作短編集で、各作品に伏線が張ってあって
最後の作品でそれが回収され、作品全部がきれいにつながる・・・
ってパターンはよくあるし、本書もこの構造になってるのだけど
この ”回収方法” はどうかなあ(私は嫌いではないけど)。
この作者の作品をたくさん読んでいて、その嗜好をよく知ってる人なら
「ああ、こうなるのね」って分かってくれると思うけど
この作品で初めて芦辺拓に触れる人はかなり戸惑うかも知れない。
「ああ、こうなるのね」って分かってくれると思うけど
この作品で初めて芦辺拓に触れる人はかなり戸惑うかも知れない。
xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-10-01 22:58)
31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-10-03 22:08)