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永井GO展 [日々の生活と雑感]


先週の篠山紀信展に続いての展覧会巡り。

かみさんは絵が好きで、たまに美術館に付き合わされるんだが
正直、西洋絵画はよく分からない(笑)。
私にもよく分かる ”絵” と言えば、やっぱりこの手のものだよねえ。

漫画家・永井豪の「画業50年突破記念」と銘打って
開催されている展覧会。去年は大阪で開かれたらしい。
今年は東京・上野の森美術館で開催されている。

9/14~29とわずか2週間の期間限定なので
この機を逃さないようにと行って参りました。

JR上野駅の公園口を出て、2分ほど歩くともう着いてしまう。
会場前には、どーんとでかい立て看板がお出迎え。
DSC_0031a.jpg

中心部を拡大すると、永井作品の人気キャラクター大集合の図。


DSC_0031b.jpg
平日の午前中だったんだけど、けっこうな人が入ってる。
やっぱり2週間限定だからかな。
でも大混雑というほどではなく、ほどほどの混み具合、って感じ。

メインはやっぱり50代以上の男性かと思うが
40代くらいの女性もけっこういらっしゃる。
30代以下の男女も意外といましたね。

さて、展示内容は大きく6つのパートに分かれている。
展示の主体はもちろんイラストなのだけど、
連載時の原画も数多く公開されている。


第1章 鬼と悪魔の黙示録

おそらく、(内容までは知らなくても)「デビルマン」の名を
知らない日本人はほぼ皆無ではないか。
それくらい有名な、永井豪の代表作の1つだが
ここで紹介されているのは、「デビルマン」をはじめとして
「魔王ダンテ」「凄ノ王」「手天童子」などの作品群。

章題にあるように「神と悪魔」「鬼」などは、
永井作品では繰り返し使われているモチーフなのだけど
改めてまとめて見せられると、やはり迫力が半端ではない。

バイオレンスな描写もさりながら、
読者の価値観を揺るがせるような展開やオチなど、
SF的にも高度な作品群だと思う。
これが少年誌の連載で毎週読めたなんて
考えてみたたらすごい時代だったんだなあ。


第2章  ヒロイン・ヒロイックサーガ

「ハレンチ学園」の連載開始は1968年から。
当時私は10歳だったが、この作品の性描写は衝撃的だった。
当時の、マンガにおけるタブーを破ってしまったわけで、
非難囂々だったらしい。まあ、”大人たち” からは総スカンだったろう。
作品自体は社会現象的大人気になって、
映画やTVドラマまでつくられてしまった。
十兵衛役の児島美ゆきさんは当時18歳だったとか、いろいろスゴイ。
少年ジャンプが少年週刊誌トップの座に躍り出る契機ともなった作品だ。


「あばしり一家」「ドロロンえん魔くん」も懐かしいなあ。
「キューティーハニー」は、未だに新作がつくられる人気作だし。

「真夜中の戦士」は短編版と、その続きを描いた長編版(こちらは未完)が
あるらしいけど、私は短編版しか読んでない。
でも、短編版はラストの切れ味が素晴らしいSFマンガの傑作なので
こちらで十分かなと思う。

「バイオレンスジャック」は、雰囲気と内容がどうにもなじめなくて
ほとんど読んでません。ゴメンナサイ。


第3章 笑劇奇譚

「まろ」「オモライくん」ああ、こんな作品もあったよなあ・・・
ってしばし感慨に耽ってしまう。

「イヤハヤ南友」は、作中で繰り広げられる
”勉強試合” が超絶に面白かった。

「けっこう仮面」は連載時に夢中で読んだ記憶がある。
あの ”必殺技” も衝撃(笑)だったが、
毎回、何かしらのパロディになっているのも面白かった。
最後に「○○先生ごめんなさい」って台詞が入るのがお約束で
”○○先生” には元ネタになった作品の作者の名前が入る。


第4章 魔神伝説

日本のロボットアニメに革命をもたらした「マジンガーZ」と
それに続くロボットマンガの作品群を紹介してる。

これがなかったら「ガンダム」も「エヴァンゲリオン」もなかった・・・
とまでは言わないが、数年から10年くらいは遅れたかも知れない。
”人が乗って操縦する巨大ロボット” ってアイデアを
誰かが思いつくまで、かなり年数はかかっただろうから。

「グレートマジンガー」「グレンダイザー」も懐かしいね。

「ゲッターロボ」はもう変形合体なんてレベルではない超絶ぶりだった。
こんな強引な変形を企画立案してしまうのも凄いが
それを強引に見せてしまうアニメもまた凄かった。


第5章 OTHER WORKS

ここではマンガ以外の仕事を紹介してる。
例えば小説「魔界水滸伝」(栗本薫)の表紙・挿絵イラスト。
これ、小説の方は途中で読むの止めちゃいました。ゴメンナサイ

コミックエッセイや、レコードのジャケットも描いてるし
映画監督もやってるんだねえ。多才な人だ。


第6章 現在進行形

最後は、74歳の今も現役バリバリの永井氏の現在の仕事を紹介してる。
いまでも連載を2本抱えてるとか凄すぎる。


この展覧会の順路の途中には、なんと「撮影・録画可」のエリアがある。

まずは「デビルマン」の巨大イラストがお出迎え。

DSC_0025a.jpg
その先には、なんとデビルマン ”ご本人” が座ってる(笑)。

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フィギュアもあるんだけど、私はこの手のものには
あまり興味はないんだよねぇ。

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その先には、なんとスーパーロボットの揃い踏み。

DSC_0028a.jpg
やっぱり ”ご本尊” は単独で撮りたくなる。

DSC_0029a.jpg

出口の先には物販コーナー。
さすがにものすごい数・種類のものが並んでるんだけど
嵩張るものを買っても置く場所がないので(笑)、
図録だけ購入して帰りました。

ちなみに図録の付録の小冊子は、永井豪が
石ノ森章太郎のアシスタントだった頃のエピソードを描いたマンガで
名作「真夜中の戦士」の発想を得たきっかけも描かれてる。


見終わってみて思うけど、作品数の多さ、さらに
SF、バイオレンス、ギャグ、ヒーロー/ヒロインストーリーと
ジャンルを超えて傑作を描いているのに改めて驚かされる。
そしてそれらが日本のマンガを、アニメを、革命的に進化させたことも。

そして、10歳~大学卒業くらいまでの間に、
私がそれらをたくさん読んでいたことも思い出させてくれた。

「デビルマン」「マジンガーZ」「キューティーハニー」など、
天才・永井豪の全盛期(未だ現役の作家に向かってこう書いては失礼か)
の時代を、リアルタイムで体験できたってのは
とても幸せなことだったのだなぁ・・・。

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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-22 23:16) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-22 23:16) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-22 23:17) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-22 23:17) 

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