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篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show [日々の生活と雑感]


私が初めて一眼レフを買ったのは20代の終わり頃だったか。
入門者向けの初級機で、もちろんアナログのフィルムカメラだった。
サラリーマンなので平日の昼は撮りに行けず、
土日はまた別の用事(趣味?)で忙しくて、結局のところ
自動車通勤の帰り道で、途中の夜景なんかを撮るのがせいぜい。
今から考えれば立派な不審者だったなあ(笑)。
いつおまわりさんから職務質問に遭ってもおかしくなかったよ。

その後、30代に入ったくらいから仕事が猛烈に忙しくなって
カメラは押し入れにしまったまま、時代はいつの間にかデジタルへ。
使うカメラもコンパクトデジカメからケータイカメラになっていき、
アナログで重くて大きい一眼レフはすっかり出番を失ってしまった。

再び一眼レフを買ったのは50歳を過ぎてから。
入門者向けの初級機(進歩してない・・・)で、もちろんデジタル。
とは言っても、なかなか「写真が趣味です」と言えるほど
数多く撮っているわけでもなかった。
定年を迎えて、もうちょっとカメラに時間を割きたいなあ・・・と
思い始めたところに、この写真展の広告が新聞に載ってた。

というわけで、行って参りました。

場所はJR水道橋駅を降りてすぐ北側、目の前にある
東京ドームシティ内の Gallery AaMo にて。

ちなみに、西側に見える高層ビルは東京ドームホテル。
20年くらい前に、ここのランチブッフェにいったことがあったなあ。
その北側には東京ドームが見える。
かみさんの母親が大の巨人ファンで、何回か観戦に来てたらしいが、
私は中に入ったことはない。

閑話休題。

kishin20190712-001.jpg
会場に入ると、レノンとヨーコがキスしてる写真が、どーんとお出迎え。
今回の写真展の ”表紙” 的作品なのでしょう。

ギャラリー内は「GOD」「STAR」「SPECTACLE」「BODY」
そして「ACCIDENTS」と5つのエリアに分かれている。


「GOD」鬼籍に入られた人々

中に入るとき、A3を二つ折りにしたサイズのパンフレットが配られる。
どの写真に誰が写ってるのかの一覧になってるのだけど
さすがに還暦を超えて生きてくると、この「GOD」エリアにある
たいていの写真なら誰が映っているのか分かる(笑)。

美空ひばり、勝新太郎、渥美清、高倉健などの大スターに混じって
きんさんぎんさん、田中角栄とか意外な顔も。

なかでも、モノクロの三島由紀夫は異様な迫力だ。
篠山紀信28歳の作品のはずで、思い入れがあるのか
他の人物が1人1枚なのに、三島だけ2枚(特大のが)展示してある。


「STAR」すべての人々に知られる有名人

ここで一番大きい写真は山口百恵。なつかしいなあこれ。
雑誌かなにかで見た記憶があるよ。アンニュイな雰囲気がいいねえ。

古今の歌手、アイドル、俳優、女優、お笑い芸人からスポーツ選手まで
バラエティに富んだ展示になってる。
私の年代からするとY.M.O.とか王貞治、
グラビア時代の宮崎美子あたりが懐かしいかな。

白無垢姿の女優さんは映画の1シーンなのかなぁ・・・
え? このひと大竹しのぶ? 全然分からなかったよ。

満島ひかりの幼い頃の美少女ぶりも半端ない。

澤穂希がまた、すごい美人に写ってる(失礼!)。
メイクと演出でここまで変わるのか、
元々もっていた美をカメラが引き出しているのか。
どちらにしても女はスゴイ。

そんな中に、ちゃっかり南沙織が混じってるのがなんとも(笑)。


「SPECTACLE」私たちを異次元に連れ出す夢の世界

いきなり豊島園プールの真夏の一枚がどーんと。
ものすごい人、人、人の群れ・・・たしかにここも異次元だ。

草間彌生さんの眼力(めじから)に畏れ入った先には
歌舞伎俳優の方々の写真が延々と・・・
残念ながら私はこっち方面にはあまり詳しくないのだけど、
好きな人にはたまらないんだろうなあ。

そんな中に後藤久美子の大作が。ものすごい横長のパノラマ写真で
しかもその中にゴクミが4カ所くらいに写ってる。
たぶん複数のカメラを組み合わせて時間差で撮ってるんだろうけど
写真同士のつなぎ目が全く分からない。
この写真を撮った当時(1988年)はデジタル合成なんか
ほとんどなかったと思うのだけど、いったいどうやったんでしょうね?


「BODY」裸の肉体-美とエロスと闘い

いきなり、裸の女体にプロジェクションマッピングしたみたいな作品で
度肝を抜かれる。これも篠山紀信28歳(1968年)だというのに驚き。

その次の巨大作品には、体中に入れ墨をした男たちが
パノラマ画面にところ狭しとずらりと並んでる。
しばし息を呑んでしまう。

もちろん、女性のヌードも多く展示されてるし、
私たちの年代ならなじみがある(笑)作品も。

中でも宮沢りえの1枚には、当時の衝撃を思い起こした。
1991年だから、もう28年も前なんだねぇ。
写真集「Santa Fe」からの1枚だ。

 ちなみにこの写真集、累計165万部を売り上げていて
 芸能人の写真集では最高記録を保持している。

人気絶頂のアイドルが脱いだわけで、今なら差し詰め
広瀬すずが脱いだ、くらいのインパクトがあっただろう。

ただ、28年経って見てみると、その健康優良児的発育ぶり(笑)に
改めて驚かされる。これで17歳なんてアンビリーバブルである。

おそらく彼女の一生を通じて、
このときの体のラインが一番美しかったのだろうし、
それを記録に留めておこうと思ったのも分かる気がする。

 まあ見る方も、いい加減枯れてきたのも大きいかも知れないが(笑)。

ちなみに、広瀬すず嬢の写真もちゃんとある。
こっちは服を着ているが(笑)。

 もし今、広瀬すずが脱いだら日本中が大騒ぎだろうなあ。
 若いお兄さんたちはもちろん、朝ドラを見ていた主婦やら、
 爺ちゃん婆ちゃんあたりはひっくり返ってしまうかも知れないなあ・・・

 すずさんもなかなかのスタイルの持ち主らしいので
 宮沢りえにも十分対抗できるんじゃないかな。
 165万部なんて軽くぶっちぎって新記録達成も夢じゃない。
 もちろん私もネットでポチって・・・

 なぁんて妄想が沸いてくるあたり、
 なんだぁ、まだ全然枯れてねえじゃんか俺(爆)。

 いやあ、りえちゃんの写真1枚から、
 こんなにあーんなことやこーんなことを考えさせるなんて・・・
 これが「篠山紀信の写真力」なのか、
 多すぎる私の煩悩がなせる技なのか(おいおい)。

・・・話を戻そう。

さて、意外な人もこのコーナーには登場する。
例えば黒柳徹子さんのセミヌードとか。
1968年だから35歳の女盛り(笑)。そのせいか肌露出度は高め。

そして、大相撲。たしかにこれもBODYには違いない。
国技館で、横綱貴乃花と曙を中心に、力士、親方、行司などの裏方衆まで
全部含めて一枚に収めたもの。もちろん力士は全員、廻し姿で写ってる。
これはこれで一見に値する。


「ACCIDENTS」2011年3月11日ー東日本大震災で被災された人々の肖像

震災あとの、がれきと化した市街地に立つ人々のポートレート写真。

聞くところによると、被写体となった人たちに対しては
「カメラのレンズだけを見てください」とだけ指示したとのことで
それ以外の ”演出” はないらしいのだが
写っているほとんどの人が、見事なまでに「無表情」なのには驚く。

後ろに写っているのは、被写体となった方の自宅の残骸かも知れない。
ひょっとしたら、そこで亡くなられた家族もいたかも知れない。

おそらく震災直後には様々な感情があっただろう。
大自然の暴威に対しての驚き、そして
家族を失い財産を失ったことに対しての怒り、嘆き、哀しみ。
未来が見えないことに絶望も感じただろう。

震災から一定の時が経ったあとと思われる、
この写真に写った人たちの脳裏には、
このときどんな感情が渦巻いていたのだろう。

見ている側にいろんなことを考えさせる写真群だ。


この写真展に展示されてる作品はすべて人物を撮ったもの。
篠山紀信がポートレート写真で名をなした人なので当然なのだけど
風景写真や静物写真は一点もない。

風景や静物を対象とすることを否定するものではないけど
人間がいちばん惹きつけられ、注目するのは
やはり人間なのだなぁということを、改めて意識させられた。

これからはもう少し、カメラをいじる時間を増やそうと
思ってるのだが、風景ばかりじゃなくて
人物を撮ることも目標にしていきたいものだ。

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コメント 4

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-16 21:12) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-16 21:13) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-16 21:14) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-16 21:14) 

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