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引っ越し大名 [映画]


生涯に7回もの国替えをさせられ、“引っ越し大名” とあだ名された
実在の大名・松平直矩(なおのり)をモチーフにした作品とのこと。

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時は江戸時代前期。姫路藩主の松平直矩は
幕府から豊後国日田藩への国替えを命じられる。
史実では、直矩が藩主になってからこれが3度目(!)になる。

要するに兵庫から大分まで、藩主から家来、一族郎党引き連れて
引っ越しをしなければならなくなったわけだ。

それには周到な計画立案&準備が必要で、
もちろん莫大な労力と金も用意しなければならない。

しかし、そのノウハウを知っていたはずの前任の引っ越し奉行は
度重なる国替えに伴う激務で、亡くなってしまっていた(過労死?)。

当たり前だが、後任の引き受け手は現れず、
直矩は書庫番の片桐春之介を引っ越し奉行として指名する。

しかし、国替えのことなどさっぱり分からない春之介は途方に暮れ、
前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(おらん)に助けを求めるのだが・・・


予告編を見た人は、てっきり ”爆笑喜劇” なんじゃないかと思うだろう。
(そういう風に編集してあるんだもの。)

じゃあ本編はどうなのかというと、どうにも中途半端な感じが否めない。
コメディシーンはあるのだけど、たまにクスッとなるくらいで
”爆笑” とは言いがたい。だって、どこで笑っていいか悩むんだもの。


その理由はいろいろあるのだろうけど、
私はまずキャスティングにあると思った。

主役・春之介は本の虫で。日がな一日書庫にこもって
読書に明け暮れていて、およそ人付き合いというものが苦手。
知識だけはありそうなので、引っ越し奉行が務まるだろうと
思われたのが運の尽き・・・というキャラで、まあ星野源でOKだろう。

だけど春之介(星野源)が、未だに ”童貞” だって設定は如何なものか。
未だにやらされる(やらされてる)のをみても、観客は ”引く” だけだよ。

春之介の数少ない味方となるのが親友である源右衛門。
酒好き女好きで、肉体労働なら任しとけという典型的な脳筋キャラ。
しかし武芸は一級で、槍を持たせれば天下無敵の豪傑だ。

源右衛門は映画の冒頭から登場しているのだけど、私は最初のうち
上記のようなキャラであるとはほとんど思わなかった。
それが分かったのはかなりストーリーが進んでから。
どうしてそんなに時間がかかったかというと、高橋一生が演じてたから。

 だって体育会系の脳筋マッチョなんて、彼のキャラじゃないでしょ。

たぶん、春之介と真逆のキャラにして凸凹コンビにしようと
思ったんだろうけど、二人とも典型的な ”優男” キャラなので
”凹凹コンビ” にしかならない(笑)。

この二人の絡み合いが今ひとつしっくりこないのも仕方ないと思った。

映画は2時間しかないし、とくに喜劇映画ならば分かりやすさ優先で
出てきたときにすぐキャラが分かるようにしないとダメじゃないのかなぁ。
源右衛門なら、(例えばだけど)鈴木亮平とか小澤征悦とか、
一目で豪快さが伝わる人がいいんじゃないかと思うよ。

 念のタメに書いておくと、高橋一生が悪いのではありません。
 彼にこの役を振ったことがミスなんだと思ってるので。

この二人に遅れて加わるのが、財政面での助っ人になる
中西監物(けんもつ)。演じるは濱田岳。

彼はいい。
濱田岳って、真面目な顔で出てくるだけで
そこはかとなくおかしいという、素晴らしい ”才能” がある。
もちろん演技も達者なわけで、彼が加わって3人組になった途端、
星野源も高橋一生も生き生きとしてきたように感じたよ。
もっと早く、できれば冒頭から
3人そろって出しておけばよかったのに、って思った。


さて、松平直矩は国替えにあたり15万石から7万石へと厳封となった。
要するに家来へ払える給料が半分以下になってしまったので
そのぶん人減らし(リストラ)しなければならない。
クビになった人は置き去りになって、大分へは行けないのだ。

そのリストラもまた引っ越し奉行の役割で、このあたりは結構シリアス。
サラリーマンなら人ごとでないと思う人もいるだろう

結局、2000人いる藩士のうち600人がリストラされるのだが、
春之介はクビにした藩士たちにある約束をする。
このへんがラストの感動に関わってくるので、どんな内容かは書かない。

そのラスト、すべてがうまくいき、直矩は喜びと感謝に打ち震えるのだが
そもそも今回の国替えの原因を作ったのは直矩本人にあることが
映画の冒頭で描かれているので、「もっと責任を感じてほしいなあ」って
思ってしまう人も多いのではないか(私もそうだった)。


キャストのことをたくさん書いてしまったが、出演者は豪華で
芸達者な方も多い。於蘭役の高畑充希、国家老の松重豊とか。
松平直矩役の及川光博はとぼけた味があるし。

中でも、リストラされる藩士役のピエール瀧の存在感が半端ない。
彼が出てくるとそれだけで画面が締まって見える。
なかなかこんな俳優さんはいないと思う。

 たぶん、”あの騒ぎ” 以前に撮影されていたのだろうけど
 何とか復帰できないものかなあと思ってる。


キャスト以外にも、面白い要素、面白くできる要素は
映画の中にたくさん転がっているのだけど、それらをうまくつなげて
活かし切ることができていない印象が残る。

だから「もったいないなあ」というのが私のいちばんの感想でした。

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コメント 6

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-12 21:53) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-12 21:53) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-12 21:53) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-12 21:54) 

mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-12 21:54) 

mojo

ハマコウさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-09-12 21:54) 

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