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股旅探偵 上州呪い村 [読書・ミステリ]


ああ、これでやっと2月分の読書録が終了。
うーん、まだ先は長いなぁ。
7月分なんて、考えただけで気が遠くなりそうだ・・・


股旅探偵 上州呪い村 (講談社文庫)

股旅探偵 上州呪い村 (講談社文庫)

  • 作者: 幡 大介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/02/14
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

「猫間地獄のわらべ歌」に続く時代ミステリの第2弾だけど
内容的に関連はない。共通する登場人物もいないので
「猫間-」を読んでいなくても全く問題ない。


主人公兼探偵役は、渡世人の三次郎。
中山道倉賀野宿へやってきたところ、殺人事件に出くわす。
掘割を他殺死体が流れてきたのだ。しかも、川上も川下も
衆人環視の元にある密室状態だった。

折しも、下手人として長吉という若者が捕まったばかり。
そこへ割って入った三次郎は、密室トリック、犯人、
そして意外な動機まで一気に解明してみせる。

 ちなみに、三次郎のモデルは「木枯し紋次郎」だと思われるのだけど
 「紋次郎」って聞いて分かる人って、もうかなりのトシのはず(笑)。
 若い人からしたら「誰?」だろうなあ・・・

救われた長吉は、三次郎を善七郎という男に引き合わせる。
善七郎は上州火嘗村の名主屋敷の跡取りだったが、
重い病に冒され、既に死期が迫っていた。
「自分が村に帰らねば、大変なことが起こる・・・」
「大勢の人が死ぬ。自分の三人の妹たちも殺される・・・」

 横溝正史ファンなら、ここで涙を流して喜んでしまうよねぇ(笑)。

善七郎を看取った三次郎は、彼の死を知らせるために
火嘗村へやってくるだが、彼を待っていたのは
猟奇的な連続殺人事件だった・・・


前作でもところどころ挿入されていた
登場人物によるメタな台詞は今回も健在。
いや、もっとエスカレートしてるかな。

冒頭の三次郎が謎解きをするシーンでも、野次馬たちが
「探偵だよね」「きっと探偵だよ」
「もしかしたら名探偵ってやつかも知れないぞ」
三次郎が密室講義(!)を始めると
「フェル博士かよ」
「どうして探偵って奴は、密室となるとやたらと分類したがるのかね」
こんなツッコミ台詞が随所にちりばめられていて、
読者の微笑(苦笑?)を誘う。

村を取り巻く雰囲気からしてもう横溝ワールド全開といった感じで、
その中で起こる事件も、棺の中から死体が消えたり
滝壺の上から女の死体が吊り下げられていたり・・・
その手の話が好きな人にはたまらない展開だろう。

三次郎は、村で起こる怪異、殺人事件の真相のみならず、
村そのものに隠されていた大きな秘密まで解き明かしていく。

そして最終章では、時間も場所も大きく変わって、
事件の後日談が語られるのだが・・・
これはほんとに意表を突いた展開だ。
作者は最初からこれを狙ってたんだろうなぁ・・・


現在のところ、作者の時代ミステリは前作「猫間ー」と本書の
2作だけみたいだけど、もっと読みたい気にさせる。
いつになるか分からないけど、第3作を待ちたいと思います。

nice!(4)  コメント(4) 
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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-17 23:33) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-17 23:34) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-17 23:34) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-17 23:34) 

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