ほうかご探偵隊 [読書・ミステリ]
小学5年生の藤原高時(たかとき)が通う学校では、
クラスで奇妙な消失事件が続いている。
クラスで奇妙な消失事件が続いている。
最初は、図工の時間に描いた絵。
みんなの作品が教室の後ろに張り出されていたが、
その中の1枚だけがなくなっていた。
みんなの作品が教室の後ろに張り出されていたが、
その中の1枚だけがなくなっていた。
二番目は、”密室状況” だった飼育小屋から、
一羽だけいたニワトリが消えた。
一羽だけいたニワトリが消えた。
三番目は学級委員の神宮寺が作った、巨大な招き猫型の募金箱。
掃除用具入れの中に放り込んであったはずが、
いつの間にかなくなってしまった。
掃除用具入れの中に放り込んであったはずが、
いつの間にかなくなってしまった。
そして今日、高時の縦笛が。
しかも3つの部品に分解され、真ん中の部分だけを持ち去られて。
しかも3つの部品に分解され、真ん中の部分だけを持ち去られて。
高時とそのお喋りな友人・龍之介、学級委員の吉野明里(あかり)、
飼育係の成見沢の4人が集まった、放課後限定の ”探偵隊”。
彼らの4日間の活躍が描かれる。
飼育係の成見沢の4人が集まった、放課後限定の ”探偵隊”。
彼らの4日間の活躍が描かれる。
本書は「講談社ミステリーランド」という
ジュブナイルのレーベルから刊行されたもので、
当たり前だが、わかりやすく平易な文章で綴られていて
特筆すべきは、執筆時に作者は既に40代だったはずなのに、
子どもたち同士の会話が変に大人びていなくて
普通にすとんと胸に落ちていくこと。
こういう描写はなかなかできないことだろう。
特筆すべきは、執筆時に作者は既に40代だったはずなのに、
子どもたち同士の会話が変に大人びていなくて
普通にすとんと胸に落ちていくこと。
こういう描写はなかなかできないことだろう。
同じレーベルで出た「神様ゲーム」(麻耶雄嵩)のほうは、
とても子ども同士の会話とは思えなかったよねえ。
まあ、麻耶雄嵩氏はそもそも
そういう風に書く気がなかったんだろうけど。
とても子ども同士の会話とは思えなかったよねえ。
まあ、麻耶雄嵩氏はそもそも
そういう風に書く気がなかったんだろうけど。
単純な愉快犯なのかと思いきや、
近所で起こった宝石強盗まで絡んできて事態は混迷していく。
近所で起こった宝石強盗まで絡んできて事態は混迷していく。
本書はもともと若い世代向けに書かれたものだが
密室トリックやミッシング・リンク探しに意外な動機と
定番ネタをしっかり取り込み、楽しいミステリにできあがっていて
大人でも十分楽しめる作りになっている。
密室トリックやミッシング・リンク探しに意外な動機と
定番ネタをしっかり取り込み、楽しいミステリにできあがっていて
大人でも十分楽しめる作りになっている。
特筆すべきは、解決編が84ページもあること。
本編全体が文庫で240ページなので、
なんと1/3を超える長さである。
内容も、子ども向けに手を抜いたりしない。
探偵役の龍之介君が ”真相” を語り終わっても、
次のページには「これでおわりのはずがない」って
作者からの ”宣言” が載ってるんだから(笑)。
次のページには「これでおわりのはずがない」って
作者からの ”宣言” が載ってるんだから(笑)。
二重三重に用意された多重解決が堪能できる、
若いミステリ初心者はもちろん、
年季の入った擦れっ枯らしの読み手でも満足できる作品だと思う。
若いミステリ初心者はもちろん、
年季の入った擦れっ枯らしの読み手でも満足できる作品だと思う。
鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-09 23:57)
@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-09 23:57)
xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-09 23:58)
コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-09 23:58)