SSブログ

眼球堂の殺人 ~The Book~ [読書・ミステリ]


眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

第47回メフィスト賞受賞作。

放浪の数学者・十和田只人(とわだ・ただひこ)が招かれたのは
建築学者・驫木煬(とどろき・よう)が莫大な私財を投じて築いた
巨大建造物・"眼球堂" 。

只人は、駆け出しのルポライター・陸奥藍子(むつ・あいこ)と共に
人里離れた山中に建つ異形の"館"へと向かう。

彼らと共に招かれたのは
精神医学者・深浦征二、芸術家・三沢雪、
編集者の造道(つくりみち)静香、物理学者の南部耕一郎、
そして政治家の黒石克彦。

各界を代表するような人々を集め、驫木は言い放つ、
「建築学は、あらゆる学問に対して優位にある」のだと。
それを証明するためにこの"眼球堂"を建設したのだと。

しかし翌日の朝、驫木の死体が発見される。
高さ10mに及ぶ尖塔の先端に串刺しとなって。

1カ所しかない建物の出入り口はロックされ、何人も出入りは不可能。
密閉空間に閉じ込められた彼らをさらなる惨劇が襲っていく・・・


ある意味典型的なクルーズド・サークルもので
死者が出るたびに容疑者が減っていく・・・というパターン。
しかし、メフィスト賞を受けただけあって、
定番の展開に新たな切り口を見せてくれる。
メイントリックだけを見れば、某有名作品に前例があるのだけど
それが実現できるのもこの "眼球堂" だからこそ。

館ものミステリのお約束として "眼球堂" の見取り図が挿入される。
でも、この手の図面がトリックの解明や
犯人指摘の手がかりとかにつながることは滅多にない(笑)。
しかし、ラストの謎解きの場面では
この図面は大きな意味を示すようになるんだが・・・
普通の人は気がつかないよねえ(笑)。
まあこれでバレるようならメフィスト賞は貰えないだろうし。

只人はエキセントリックな言動で藍子を振り回すのだが、
探偵役としてはある意味定番の設定。

 ちなみにタイトルにある「The Book」というのは
 只人が生涯をかけて捜している書物の名。
 それはこの世に無数に存在する定理のすべてが載っているという書。
 定理の数は無限なので、ページ数も無限という
 いささか常軌を逸した "目標" なのだが
 本人は真面目に取り組んでいるようである。

当然ながら、最後は彼の推理によって
犯人もトリックも暴かれるんだけど・・・
最後の最後にもう一段のうっちゃりが待っている。

うーん、私はこのオチはあまり好きじゃないなあ・・・
確かに、伏線もしっかり張ってあったんだけどねぇ・・・

nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 2

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-02-18 21:56) 

mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-02-18 21:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント