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「ヤマト2199」に関する駄文雑文集(4)~「ヤマト2」から「完結編」まで~ [アニメーション]

「さらば」の衝撃もさめやらぬ78年10月。
映画公開からわずか2ヶ月後、「ヤマト」第2のTVシリーズが始まる。

「宇宙戦艦ヤマト2」。
ストーリーは「さらば」を下敷きに、
キャラや設定の一部を変更して半年間、26回の放送だった。

この作品の結末は映画版と異なる。
映画製作時に、ストーリーを巡って
プロデューサーN氏と対立した監督のM氏の意向が
大きくはたらいた結果らしい。
「若者は生き残るべきだ」
アニメ雑誌か何かのインタビューで、
M氏がこんなことを答えていたように記憶している。

実際、その方針通りメインキャラのほとんどは生き残る。

しかし、私の「違和感」は消えなかった。
映画版で感じたテーマの方向性の違いは、
結局TV版でも変わらなかったと感じたからだろう。


この作品が終了した3ヶ月後の79年7月、
TVスペシャル「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」が製作・放送される。

こうなると、TV版で結末を変えたのは
続編を作るためだったのか、とも思えてくる。
(実際、そういうつもりだったのだろう)

「完結編」「これで最後」といいながら、着々と続編の準備をしている。

そしてヤマトはこれ以降、
毎回同じようなことを繰り返す作品へと変わっていく。

恒例行事のように年に一度、異星人がやってきては侵略し、
ヤマトが活躍して敵を滅ぼして終わる。
その際、ヤマト(あるいは地球)の危機を救うために必ず誰かが死ぬ。
そして、死ぬのはたいがいその作品で新しく出てきたキャラである。
(旧来からのキャラの場合もあるが)

この「新たなる旅立ち」では、×××××が。
その続編となる映画「ヤマトよ永遠に」(80年8月)では
×××と××××が。
第3のTVシリーズ「宇宙戦艦ヤマトⅢ」(80年10月~81年4月)では、
××や××が。
(さすがにこの頃にはヤマト人気も陰りが出てきて、
 一年間の放送予定が半年で打ち切られている。)

真の完結編となるはず(?)だった
映画「宇宙戦艦ヤマト・完結編」(83年3月)では、
重要キャラだった×××が死に、
死んだはずの××を生き返らせて再び死なせるという、
もはや「何でもあり」「やりたい放題」だなあ・・・。

私はこのとき社会人となって2年目の終わり。
そして「ヤマト」とのつきあいもここまでとなった。

TVも見たし、映画館にも足を運んだが、
かつてのような熱い思いは、ついには帰ってこなかった。
そこにいたのは、醒めた目で画面を見つめている私だった。

そんなに不満があるのなら、
見るのをやめりゃよかったのに。

そうだね。
本当にそう思うよ。
よく完結編までつきあってたと思う。

宮川泰の流麗な音楽がなければ、
もっとはやく見るのをやめていたかも知れないけど。

(それほど、音楽はすばらしかった。
 私が今までの人生で一番聞いた時間が長い作曲家は
 間違いなく宮川泰だろう。)


このころの「ヤマト」に対する私の心境をたとえるなら
「忘れられない初恋の女の子への思い」とでも言おうか。

中学時代の彼女は素朴でかわいい子だったのに(1st)
4年後の同窓会ではすっかり垢抜け、
化粧もばっちりで性格も180度変わっていて(さらば)
衝撃を受けてしまう。

その後も何年かおきに見るたびに
どんどん変わっていく彼女(新たなる~ヤマトⅢ)。
それも、痛々しい方向への変貌だ。

でもたまに街角で見かけると、ついつい目で追ってしまう。
もはや昔の面影はかけらもないのに。
いまさら話しかけようとかは全く思わないが、
それでも後ろ姿が消えるまでは見送ってしまう。

やがて風の便りに遠くの町へ引っ越して、
もう帰ってこないという(完結編)。

その知らせを聞いて、寂しさもあり、ほっとした気持ちもあり。

・・・なんて感じだろうか。

「完結編」以降、ブームは完全に去り、ヤマトは深い眠りに入る。
ヤマトにも、そして私のような迷える人間にも、
やっと安息の日々が訪れたのだ。


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